ロシア人が選ぶ!ロシアのツーリストが喜ぶ観光地10選

 外国人がロシアを訪れるとき、真っ先に頭に思い浮かぶものとは何だろう?モスクワ?あるいはシベリア横断鉄道かもしれない。では、ロシア人自身はどうなのだろう?広大なこの国のどこに旅行したいと考えているのだろうか?

 ロシアでは国内旅行産業がここのところ継続的に発展している。ただ、施設やサービスはまだまだ整っているとは言い難く、旅行運賃もとくに長距離移動になると急激に高額になる場合がある。ロシア人の中には国外に一度も出たことがない人もいるが、自由に旅できる世界最大の国に住むロシア人の中には、黒海沿岸やカフカス山脈に行く人も多く、またモスクワやサンクトペテルブルクを旅行するためにお金を貯めるという人もいる。

1.   モスクワ

 モスクワはロシアではないとはよく言われることだ。にもかかわらず、モスクワはいつもすべての中心であり、国内旅行においてもやはり一番人気の訪問先だ。地方に住むロシア人にとってモスクワ旅行は一種の「一度はやらなければならないこと」である。モスクワ行のチケットは極東に住む人にとっては隣のアジアの国に行くよりも高くつくが、それでもモスクワへの旅はほとんど聖地巡礼の旅になっている。

 赤の広場で自撮りをするのはもちろんのこと、国内の旅行者は、グム百貨店、新しくできたザリャージエ公園、トレチャコフ美術館が好きだ。そしてモスクワで忘れずに訪れるべき場所として劇場、サーカス、動物園にも行く。

 ロシア旅行業組合によると、2019年にロシア全土からモスクワを訪れた人は、出張やスポーツ観戦目的も含むと2,200万人以上に上る。 

2.クラスノダール地方

 ロシアで有名な慣用句に「地上に天国があるとすれば、それはクラスノダール地方だ」というものがある。2019年に1,600万人もの人が国内から訪れたことからもそのことは証明されている。実際、南方に位置するこの地域は、夏季休暇を過ごすのに素晴らしいところだ。クラスノダールはカスピ海とアゾフ海の2つの海岸にはさまれており、数多くのリゾート地(アナパ、ゲレンジク、ノヴォロシースク、エイスクなど)がある。もちろん、もっとも人気の場所は、 ソチとその周辺である。

 ロシアでは、多くの子どもたちがサマーキャンプで訪れ、また大人になって戻ってくる。あらゆる予算にあう宿泊場所や、あらゆる種類のエンターテインメントが用意されている。気候も温暖なので、冬に訪れるのも良い-少し列車に乗って山の方に行けば、ソチの素晴らしいスキーリゾートがある。

 「学生の頃、ソチから2時間ほどのところにあるモスクワ大学のキャンプに行くのが好きだった。そこには何でもそろっていた。美しいビーチ、カフカス山脈のゴージャスな景色、安くておいしい地元の食べ物。クラスノダールの町から来た多くの人とも会った。彼らは海がないのでソチまでやって来るんです」とモスクワ出身のユリヤは語っている。

3.サンクトペテルブルク

 しばしばヴェニスやアムステルダム、その他の歴史的なヨーロッパの都市と比較される都市。実際、ピョートル大帝がロシアをヨーロッパの国々に近づけようとし、「ヨーロッパの窓」として建設した都市だ。

 2019年、ロシア全土からおよそ900万人がこの街を訪れた。「サンクトペテルブルクに来ると、一般住宅よりも宮殿の方が多いのではないかと思ってしまう。そして周りにある美しいものに飽きることがないんです」と、1年にいちど週末をこの北の首都で過ごすという、モスクワ出身のサーシャは語る。

 モスクワからサンクトペテルブルクに行く方法はいくらでもある。それに、チケットを取るのに困ることもない(経済フォーラムのような大きな国際的なイベントがない限り)。学校では、学生が2-3日間サンクトペテルブルク滞在するという決まりもある。ここは、歴史や文化の教養を積むと言う意味では最高の場所だからだ。サンクトペテルブルクに初めて訪れた際に決して見逃してはいけない建物15選はこちら

4.クリミア

 クリミアはロシア人に常に愛されてきたリゾート地である。チェーホフやトルストイもここを訪れるのが好きだったし、その良好な気候はさまざまな病気を癒すのに最高に適していた。ロシアの歴代皇帝はここに別荘を持ち、これはソ連時代にはサナトリウムとなった。また、伝説的な「アルテク」ピオネール・キャンプがあり、ここは今でも使われている。2019年にはおよそ700万人のロシア人観光客がクリミアを訪れた。

 この半島の沿岸部には数多くのリゾートがあるが、もっとも知られているのは「ロシアのリヴィエラ」と呼ばれる南方海岸部の主要都市、ヤルタだろう。一方、セヴァストーポリではゆっくりくつろぐだけでなく、ギリシャの植民地であったケルソネソスの遺跡につくられた博物館で古代史探訪をすることができる。それと同時にセヴァストーポリは軍港の町で、幾度となく包囲されながら見事に戦い半島を守り抜いた栄光に包まれている。

 クリミアは素晴らしい海洋リゾートだけでなく、山岳地帯もあり、その主峰アイペトリは登山家に人気の山だ。

5.ウラジオストク 

 モスクワに住む人がウラジオストクまでのチケットを買おうとすると、すべて込みのトルコ旅行代金ほどのお金がかかる(だから多くのロシア人はトルコ旅行を選ぶ)。しかし、世界反対側―それでもまだロシア国内である―に行くというのはとてもエキサイティングなことだ。ここには豊かな自然と海がある。2019年には400万人以上のロシア人がウラジオストクを訪れており、外国からの旅行者の数も毎年急速に増えている。

 「騒々しくて、いつも混雑しているモスクワと比べると、ウラジオストクの巨大な橋や遠くの灯台を見るのは瞑想するようなもので、間違いなく周囲を別の感覚で捉えることになる」。ウラジオストクに仕事で来る機会に恵まれた写真家グレブはそう語る。

 ロシア極東のもう1つの魅力はシーフード。ロシア中部の普通のロシア人が家でタラバガニを食べることはないが、ここではそれが出来るくらいとても安い。さらに、多くの博物館、美術館など訪ねてみたくなる多くの面白い場所がある。 

6.カフカスのミネラルウォーター

 カフカスのミネラルウォーターとは、スタヴロポリ地方の一群のリゾート都市のことだ。ピャチゴルスク、ジェレズノヴォツク、キスロヴォツク、エセントゥキ、ミネラルヌィエ・ヴォードィ(ほとんどの名前が水に関係している)などだ。

 「キスロヴォツクに行って、ミネラルウォーターを飲み、カフカス山脈を見るのが好きだ」と言うウラジーミルは「どこの海外」にも出かける必要はないと公言する。ウラジーミルが幸運なのは、キスロヴォツクへの格安パッケージツアーが手に入る仕事についていることだ。

 物価は決して安くないが、これらのリゾートでは幅広い医学的治療が用意されており、特別な飲泉プログラムもある。これらの場所は19世紀から良く知られており、ロシアの作家ミハイル・レールモントフが小説「現代の英雄」の中でもこれについて書いていることはよく知られている。そして、実際にレールモントフはピャチゴルスクの住居で殺されたのである。2019年に200万人のロシア人がこれらのリゾートを訪れた。 

7.アルタイ山脈

 ロシアでもっとも美しい場所のひとつだが、簡単に行くことは出来ず、インフラ設備もまだ弱い。そんなわけで、もしアルタイに行くなら、お金を余分に持っていった方が良い。そして自動車を用意するか、ハイキングをするのがベストだ(他のアドバイスもいくつかあるのでこちらを参考に)。観光案内所に行けば山の中で爽やかに乗馬するプログラムも用意されている。あまり快適でないことや不便さもアルタイ山脈を通るチュイスキ―・トラクト、絵に描いたようなロシアでもっとも美しいハイウェイの一つを辿ればすっかり忘れることが出来る。

 「これまで行った中でおそらく一番美しい場所。忘れることのない最高の経験でした」。自動車で野性味たっぷりの旅行をしたモスクワ、クズネツク出身のキラは言う。

 ところで、アルタイは、仏教とシャーマニズムの地でもある。また旅行中にゲルに住む遊牧民 に出会ったり、地元の吟遊詩人、カイチの歌を聞くことができる。2019年に200万人のロシア人がここに訪れる機会に恵まれた。

8.黄金の環

 モスクワから200-300キロ離れたところにある、古い都市を巡る観光ルートで、9都市それぞれに毎年30万人-50万人のロシア人が訪れる。大都会から逃げ出したい人々が古き良きロシアの雰囲気を味わいにやって来るのである。11-12世紀に建てられた城塞や修道院、金色のドームを持つ教会、ヴォルガ川に大きな湖、果たしなく続く草原、深い森林すべてをこの黄金の環に行けば見ることが出来る。どんな人もここでは楽しむことが出来る。黄金の環についてもっと知りたければ、こちらのガイドを参考に

 費用はとても安くつくし、簡単に行くことが出来る。さらにうれしいことに、地元の観光組合が最近グランピング場を用意した。ここでは、豪華さを味わいつつ、自然に親しむことが出来る。

 「ロシアでイタリア人の夫を初めてモスクワ以外で連れていった場所がスーズダリ窓枠に彫刻を施した窓がある木造の家を見せて、真のロシアを彼に教えたいと思ったのです。彼は本当に驚いていました」。モスクワ出身で現在はミュンヘンに住むアリーナは言う。残念ながら、スズダリでホテルを予約するのは特にロシアの休日の間は難しい。多くの旅行者がこのジンジャーブレッドとおとぎの国の天国に泊まりたいと思うからである。

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 これらの2つの場所はけしてもっとも人気のある場所とは言えない。なぜなら、とても費用がかかるし、時には快適でなく、行くのも大変だと考えられているからだ。しかし、特記する価値はある。すべてのロシア人がここに行くことを密かに夢見ているのである。

9.バイカル

 バイカルは旅行先リストの上位にあげられることはない。しかし、ロシア人に死ぬまでに一度行ってみたい場所はどこかと尋ねれば、「バイカル」と答える人は多い。この非常に独特な湖は多くの記録を持っている。貯水量、深さ、そこに生息している動物と魚類の種類、そしてここは、シャーマンの地であり、素晴らしく美しい自然の地なのである。

 チケットは夏にはかなり高額だが、冬には安くなる。そこで我々の編集長であるフセヴォロド・プリャはこの冬に出かけた。彼によると、魂の一部をバイカルの氷の中に置いて来たらしい。そこでは氷は変わったいろいろ形に凍り付くのだ。

10.カムチャツカ

 遠くロシア極東にあるこの半島はすべての極限を求める人と自然を愛する人の夢の土地である。間欠泉、火山があるだけでなく、幅広いアクティヴィティが楽しめる。夏にはカヤック、ハイキング、フィッシング、サーフィン、そしてや鯨の観察も出来る。冬には、山岳スキーやスノーボードもできる。施設が整っておらず、山の頂上に行くには高額なヘリコプターを使わざるを得ないが、海に向かって真っ直ぐに滑り降りる時の気持ちは、とても言い表すことは出来ない。

 ウラジーミルと友人たちは、かつては世界中を旅行していた。しかい、ここ数年は年に1回か2回カムチャツカを訪れている。「カムチャツカでのスノーボーディングはとてもエキサイティングでこれまで経験したものとまったく違う。だから、もうアルプスや他のどこかに行く気になれない。1年かけてお金を貯めてこの世界の果ての地にまた行きたいのです」とウラジーミルは言う。

 しかし、カムチャツカに行くにはとてもお金がかかる。現地までの飛行機代、それからヘリコプター、オフロード車、ボートを借りなければならない。またすべての装備を揃えるにもひと財産分のお金がかかる。しかも、普通の食料を買うにもとても高い。と言うわけで、さっそく貯金を始めよう。

 ロシアの電子ビザの取り方と、それで行ける都市についてはこちらからどうぞ

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