ウランゲリ島
Global Look Press熊たちは、子ども向けのアニメの中では憎めない存在であることが多い。私たちは、この動物が、どれほど恐ろしく危険なものかを知っている。それに、映画『レヴェナント:蘇りし者』の中で、レオナルド・ディカプリオが、グリズリーと壮絶な格闘をしたことをまだ忘れることもできない。とはいっても、そんなことは、自然の中で熊を観察する喜びを拒むきっかけにはならない。
熊たちはもう冬眠から目覚め始めている。今はまさに、コースの計画を立てたり、「熊見学ツアー」の予約をする時だ。どうやればいいのか、私たちがお教えしましょう。
場所:カムチャッカ、モスクワの東6700km
熊の種類:ヒグマ
見学に最適の時期:熊たちが狩りに出てくる8月と9月のサケの産卵期
南カムチャッカ禁猟区は、だいぶ前に死火山となった山々のひとつのカルデラの中に広がっている。熊たちは、クレーター湖の周辺に生息しており、産卵の時には、夏場のトルコのビーチかと思うほどたくさんの熊たちがここに集まってくるのだ。
おそらくここには、世界でもっとも人間慣れしている熊たちが生息している。観光客がたくさん訪れるせいで、熊たちは、人間のことを、何か必然的なものと感じるようになっているようだ。そのため、多くの場合、熊の見学は柵も何もない場所で行われる。湖の水辺で直接見たり、あるいは、仕切りのあるところなら、手を伸ばせば届く距離で見ることができる。
行き方:モスクワからペトロパヴロフスク・カムチャツキーまでは飛行機で8時間。空港からクリル湖まで、さらに500kmだが、自力で行くのはほぼ無理。最低限でも案内人が必要になる。車で二昼夜かかり、増水した川をいくつか渡河しなくてはならず、乗り物を替える必要があるし、天気も予測できない。
簡単で安上がりなのはツアーに参加することだ。熊見学のために湖畔に着陸してくれるヘリコプターでの日帰りツアーや、もっと大きなプログラムで数日間のツアーもある。保険、宿泊、食事、交通のすべてを、ツアーオペレーターが手配してくれる。カムチャッカまでのフライトは別料金。各種ツアーはこちらとこちら、こちらも。
場所:北氷洋の島、モスクワの北東9000km
熊の種類:シロクマ
見学に最適の時期:8月から9月半ばまで
この島は熊の「幼稚園」と呼ばれている。数百頭もの牝のシロクマたちが、出産のためにここに集まってくるのだ。出産用の巣穴は世界のどんな場所よりも多い。熊以外にも、セイウチやジャコウ牛からコククジラまで、この島は北極圏の動物相が豊かだ。島にはクジラの骨が並ぶ小径がある。ただし、厳しい気候のせいで、ツアーシーズンは極めて短い。
行き方:船で渡るのが唯一の方法。例えば、アナディリ市から(アナディリまではモスクワやその他ロシアの各市から直行便がある)か、ムルマンスクから。船の切符は2週間のツアーで販売されており、事前に購入しておいたほうがいい。切符は出航の1年半前から購入できる。各種ツアーについてはこちらかこちら、こちらをご覧ください。
場所:タイミル半島、モスクワから6400km、北極点から2300kmの極北
熊の種類:シロクマ
見学に最適の時期:7月から9月いっぱい
ここは、ユーラシア大陸最大の自然保護地区。その面積はスイスと同じくらい。この場所は、外国人観光客に人気がある。観光客は、熊見学以外にも、凍った川に浮いたり、山登りをしたり、犬橇やオーロラも楽しめる。
行き方:この半島は北極圏にあるので、飛行機で夏季のみしか行くことはできない。この自然保護区を訪れるには許可が必要で、ドゥディンカ市にある管理所で取ることができる。自然保護地区までの交通を請け負っているツアーはすべてドゥディンカから出ている。ツアーについてはこちらかこちら、こちらをご覧ください。
場所:東シベリアにある世界でもっとも深い湖、モスクワから5200km
熊の種類:ヒグマ
見学に最適の時期:5月末から6月の、熊たちがバイカル湖畔に餌をとりに出てくる頃
熊は、ボートから安全に見学することができる。ボートは多くのツアーオペレーターが出している。
行き方:まずウラン・ウデまで飛行機で行く。そこからバイカル湖までは車で6時間。他には、イルクーツクまで飛行機で行く方法もある。
多くのツアーオペレーターが、5日間のツアーや1週間のツアーを出しており、必要な交通や宿泊の手配をすべて行ってくれる。例えば、こちらやこちら、こちらも。
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