1. クリーム入りタルトレット
メレンゲの乗ったショートクラスト生地のタルトレットはソ連時代、もっとも一般的なデザートの一つであった。クリームで出来た花や葉やキノコの飾りが目を引き、とても人気があった。
2. カルトーシカ(ジャガイモ)
見かけは美しいとは言えないが、ねっとりとしたチョコの味がたまらない一品。簡単な材料で作れるのも魅力(小麦粉、卵、練乳、バター、カカオ)。
3. 練乳入りのクルミ型焼き菓子、オレーシキ
サクッとした殻が割れ、練乳が口いっぱいに広がる瞬間ほど最高なことはない。忘れられない子ども時代の味。
4. カッテージチーズ入りリング
ソ連時代、フランスにルーツを持つデザートに、ロシアの乳製品であるカッテージチーズを入れたものが作られた。甘いお菓子を食べながら、中のクリームが体にいいと思えるなんてとても嬉しいことである。
5. クリームコロネ
ソ連の菓子職人はヨーロッパのお菓子を改良し、ドイツの哲学者の髪を思わせるようなデザートを考案した。中には、カスタードクリームやバタークリームの代わりに、卵白のクリームが詰められた。それによって、コロネはよりふわっとして、よりおいしくなった。
6. ラム・ババ
ソ連時代、ラム・ババはありとあらゆるところで売られていた。デザートは復活大祭のときに食べる正教会の伝統的なパン、クリーチに似ているが、もっと小さめで、ラムの香りが漂う。
7. アレクサンドル・ケーキ
今ではこの縞模様のコーティングが、ロシアの皇帝アレクサンドル1世にちなんだものだと知っている人は少ないが、お菓子は数世紀を経た今も食べ継がれている。
8. リングクッキー
炒ったピーナッツをまぶしたリング型のクッキーは何世代ものソ連の人々に、学校の食堂を思い出させる。休憩時間になると、このリングクッキーの売り場にはいつも行列ができた。
9. キノコとピーチ
キノコと桃の形をしたデザートは本物そっくりで皆を驚かせた。菓子職人らが本物に似せるために使った材料は意外なもので、たとえば、桃の赤い色味はビーツの汁、キノコの柄についた土はケシの実で表現された。
10. ブーシェ(ブッセ)
フランス語の名前を持つこのデザートは、サクサクした2枚の生地にクリームが挟まれたものである。ソ連時代は、生地はコニャック入りのシロップに浸し、上の生地にはチョコレートコーティングが施された。今でも多くの人にとって、劇場の休憩時間に食べるお菓子というイメージがある。