ロシアでもっとも異国情緒あふれる、そしてもっとも高価なクルーズ

Josef Friedhuber/Getty Images
 カムチャツカの火山を見学したり、極圏での祈祷の儀式を体験したり、ユーラシアの端に到達したり。ロシア国内の驚きのクルーズ旅行ではこの他にもたくさんのことが楽しめる。

 船のクルーズは極東の離島やタイムィルの野生の観光地にまで行き着くのにもっとも快適な手段の一つである。そして旅の途中では素晴らしい景色を目にすることができる。

エニセイ川を通って、北極圏の永久凍土帯へ

 ドゥディンカからクラスノヤルスクへの旅はロシアのクルーズ旅行の中でももっとも魅力的なルートの一つで、ロシア人の間でも外国人の間でも非常に人気がある。

 クルーズの間、乗客たちは北極圏に入り、北極探検隊の祈祷の儀式を体験し、最北に位置する収容所の囚人たちが建設した(今は放置されたままの)鉄道を訪れ、文明から遠く離れた驚くほど美しいプトラナ台地に登る。

 乗客たちは、11日から12日かけ、高級レストラン、ジム、スパなどが入った退屈させない趣向が凝らされた快適な船に揺られ、エニセイ川をおよそ1000キロ移動する。

 ただし、このルートはロシアでもっとも料金が高いものである。クルーズ旅行の料金は50万ルーブル(およそ77万円)。1日3回の食事とすべてのエクスカーション、プトラナ台地へのヘリコプターツアー、釣りが含まれている。

白海を通ってソロフキへ

 ソロヴェツキー諸島に行くには海上を移動するしかない(地元の空港はいつも開いているわけではないため)。ソロヴェツキー諸島にもっとも近い港はラボチェオストロフスク(カレリア共和国)だが、この伝説の島にはクルーズ船で行くほうがずっと楽しい。数日間のツアーでは、個人ツアーではなかなか行くことのできないソロヴェツキー諸島のいくつかの島(古い修道院、かつての強制収容所、石の迷宮)を周るほか、アルハンゲリスク港とカレリアの古都にも降り立つ。

 ルートはサンクトペテルブルク、アルハンゲリスク、モスクワからスタートし、旅行の日数は7日から20日。料金は5万ルーブルから(およそ77,000円)。

砕氷船で北極へ

 信じがたいほど高い料金(およそ334万円より)で、ツアーの予約は出発の半年前から始まり、座席はスタートの数ヶ月前には埋まってしまう。ツアーは極圏の大都市ムールマンスクから始まる。参加者は2週間かけて、本物の原子力砕氷船で旅をする。船はときどき北氷洋の島で停泊し、参加者は下船することができる。天気がよければ、北氷洋で泳ぎ、氷山の上でピクニックを楽しむことができる。またツアーでは、フランツ・ヨシフ諸島を訪れ、客室の中からシロクマの写真を撮影することができる。そして到着地、北極に到着したら、そこから砕氷船は帰途へと向かう。

 *もっと読む:ソ連のユニークな巨大原子力砕氷船:レーニン号からレオニード・ブレジネフ号まで 

カムチャツカからチュコトカへ

 ロシア極東には、世界中の観光客を惹きつける到達困難な場所がたくさんある。極東の島々をめぐるクルーズはペトロパヴロフスク・カムチャツキーまたはアナディリからスタートし、遠く離れた島をめぐる。ウランゲリ島は「クマの産院」と呼ばれるクマの繁殖地で、毎年、300頭以上の子グマが生まれている。ボリショイ・ディオミド島は、日付変更線が走り、ロシアとアメリカの国境線が通っている場所である(露米の間はわずか4キロメートルで、ほぼ24時間の差がある)。イティグラン島には、古代のエスキモーの聖地である謎の鯨の骨通りがある。またデジネフ岬には、ユーラシア大陸最東端の地点がある。さらには珍しい鳥や海洋生物が生息する島々を訪れることができるというツアーもある。とにかく、乗客の記憶に残るイベントが必ずあるということである。

 2週間のクルーズの料金は70万ルーブル(およそ110万円)。

ヤクーツクを周る北極の旅

 ヤクーチヤのレナ川は手付かずの自然を見ることができる非常に珍しい場所の一つである。ルートは永久凍土帯に作られた最大都市ヤクーツクから始まり、北極圏のティクシへと向かう。ツアー中、船はレナ川の柱群のそば、また小さなエヴェンキ人の村で泊まり、そこではヤクーチヤの先住民たちと交流することができる。またラプテフ海の隠れた島々にも寄港する。

 2週間の旅行料金は30万ルーブル(およそ45万円)。

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