11月半ば、イスラエルのFABディフェンス社が、ソビエト製のシモノフ自動装填カービン(略称SKS、ロシア民間市場で最も人気のある小銃)の新しいチューニング版を発売することを発表した。これは実質的に、ソビエトのマンモスを、米国の特殊部隊も採用しているイタリア製の最新のベネリM4に改造したものだ。
新しいフレームは、M4 SKSの名称で発売される。強化ポリマーでできており、M4カービンの折り畳み式ストックを備えている。
なお、同社は市場向けに3つのバリエーションを発表している。
改造品は握り易い拳銃用グリップ、ピカティニー・レール(従来SKSには取り付けられなかった)を備え、マガジンキャッチのボタンが押し易くなっている。
米国市場、欧州市場、ロシア市場でのSKS改造版の値段は、カラー、装備品、ディーラーによって異なるが、概ね200ドルから300ドルで販売されている。
端的に言って、これはソビエトのマカロフ拳銃(PM)を、その構造上の特徴を残しつつ改造したものだ。マカロフ拳銃を握ったことのある人は、現代の基準で見て同銃がいかに分厚く、固く、扱いにくいかを知っている。このため、P-M18の開発者らは、一連の素材を変更して最新のポリマーを用いた。これにより、人間工学的側面が大幅に改善されている。
市場には2つのバージョンが存在する。スポーツ版と非致死性版だ。違いは、バレルの構造と弾薬の口径にある。スポーツ版はPMに標準的な9×18ミリ口径で、一方「民間用非致死性版」は重さ0.7グラムの10×23Tゴム弾を用いる。
メーカーの話では、フレームとスライドは圧延したクロム鋼鉄でできており、防御性が高められている。照準器も変更され、スライド側面後部の刻みも増やされた。スライドの前部にも同様の刻みが入れられ、スライドが引き易く、かつしっかりと引けるようになっている。さらに開発者らは改造版マカロフ拳銃のトリガーの改良にも取り組み、独立した軸に嵌め込むことでトリガープルを小さくした。
どのバージョンも、マカロフ拳銃の標準的なマガジンを用いる。
SK-16は、SVDの単なる改造版ではなく、質的な発展版である。新ライフルの外見は、現実の小銃よりも、むしろシューティングゲームに登場する未来的な武器を思わせる。
SK-16には、ロシアの軍産複合体のオリジナルのアイデアがいくつも詰め込まれている。その一つが、レシーバーの構造の変更だ。新装置は、現代のすべての外国製ライフルと同様、2つの部分に分かれる。レシーバー上部にはバレルとスライドのレールの固定具があり、下部にはトリガー・ハンマー機構やマガジンキャッチなど、銃の「不動」部分がしまわれている。この技術革新により、複数回射撃した後に照準器がずれてしまうことがなくなった。
さらに、改造版では口径が7.62×51ミリに変更されている。バレルは穴の開いた多角形の金属製の前床で覆われ、長方形のレシーバーには主要な機構とその他の部品が収納されている。
加えて新カービン銃では、発砲後の発射ガスの制御方式が変更されている。SVDはこの点に欠陥があり、集中射撃の性能が悪かった。
プロジェクトの関係者が話すように、この小銃はガス圧で自動装填を作動させるのに特殊なマズルカバーを利用している。この部品はマズルに取り付け、弾がバレルを通る間に余計なぶれを生じさせず、機構が正常に作動するのを助ける。
さらに、この銃ではバレルとブリーチブロックが動くようになっている。これらは射撃の反動で後方に動くが、これにより反動の衝撃が伝わる時間が引き延ばされ、射撃の安定性や精度が向上している。
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