わたしは子どもの頃、2年間ロシアに暮らし、その後、何度か旅行で訪れ、そして現在は学生としてここに住んでいる。そんなわたしがマイナス25℃まで下がることがあるロシアの寒さを生き抜くためにどのような組み合わせの服装をすればいいのかについて(外国人として)洞察してみたい。
実際、どんな活動をするのかによって、服装は大きく変わってくる。そり滑りやスケートなど体を動かすときには、あまり重ね着をせず、速乾性のあるものを着たほうがよい。一方、それほどアクティヴではなく、ただ公園を散歩をするときには少し重ね着することをお勧めする。こちらのリストは、中程度の活動をするとき―雪溜まりに飛び込むでもなく、立っているだけでもないようなときの服装選びに役立つだろう。
防寒用下着も、布地の厚さや素材などいろいろである。標準的な防寒用下着は薄くても、防寒性が高く、柔らかくて、四肢をすっかり覆ってくれる。防寒用下着は冷たい空気を素肌に当たらないようにし、衣類と肌の間に暖かい空間を作ってくれるので、とても効果的である。子どもたちは一番下にこの下着を着て、外で遊んでいるうちに暑くなってくると、これ以外の洋服をすべて脱いで、下着だけという姿になる。一方、大人は、屋内で過ごす時に1940年代の男性用パジャマ姿のようにならないよう、冬の装いの下には「普通の」下着をつけた方がいい。
どうするかというと、サーマルウェアのような機能を持つ服を選ぶことである。良質の綿の長袖シャツにぴったりしたジーンズやパンツなどである。これらの服は暖かく、通気性もよく、上から重ね着をしても、動きやすい。
もっともシンプルな層だが、間違いやすい部分でもある。フリースは寒気から最高に守ってくれる。暖かさよりも美しさで、何にでも合わせやすいスタイリッシュなカーディガンやVネックジャンパーを選ぶこともできる。ただし気をつけなければならないのは、その場合は、玄関に入るときに苦労するようなかなり厚手のコートが必要となってくるということ。
そうでない場合は、厚めのしっかりとしたフリースかジャンパーを選ぶ。できればウールかそれに似た素材のもので、タートルネックか立ち襟のジップアップフリースがよい。風が首元に入り込んでくるものは、あまり効果的ではない。
この層を「シューバ」と名づけたのは、ロシアの女性たちはそれ以下のものは受け入れないからである。シューバというのは、主に動物の毛を使ったロシアの毛皮のコートである。本物もあればフェイクもある。値段は毛皮の種類によって異なる。たとえばミンクはもっとも高級であるが、ウサギは比較的リーズナブルに買える。この毛皮のコートは見かけも美しく、そして本当に暖かい。しかもふくらはぎからくるぶしまで覆ってくれるほど長く、冷たい風から守ってくれる。一般的な腰までのジャケットを着る場合は、足を暖めてくれるサロペットのようなものを身につけることを考えた方がよい。
シューバが好きではない人、あるいはもっと着やすいものがよいという場合は、スキーウェアのようなジャンパーを選ぶとよい。耐水性があり、暖かく、屋内でもファスナーを下ろさなくてもいいよう腕の下に通気用メッシュが使われている場合が多い。
帽子:耳あてがついているものまたは少なくとも耳を覆うものがよい。そうでないと、耳が凍えて痛くなる。
マフラー:あまり厚くなく、モコモコしていないものがよい。あまり嵩が高いと、息で湿り、凍ってしまう。できれば、薄手のネックウォーマーやスヌードがよい。
手袋:これがないと手を動かせなくなってしまう重要なアイテム。わたしはいつも2枚重ねている。最初に、着けたままでも携帯やATMを操作できるような薄手の綿またはポリエステルの手袋をし、その上に厚めのミトンをはめている(雪合戦をするなら、防水加工のものがよい)。
靴下:2枚重ねがよい。薄手の普通の靴下を防寒にし、上に厚手のスキー用靴下または登山用の靴下を履く。靴の中がキツく感じないよう気をつけて。
靴:冬のモスクワで、雪の中、あるいは雪の上を歩かずにいることはできない。そこでわたしがお勧めするのはスノーブーツである。暖かくて、耐久性があり、防水性にすぐれ、雪にも強いため、スノーブーツは正しい選択である。
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