「冬が来る」ときにロシア人たちが行う5つのこと

デニス・コジェンコフ撮影/TASS
 初雪が降る前に、すべてのロシア人が同じ時期に行う毎年恒例のチェックリスト…。

1. 車のタイヤを交換する

 たいていのロシア人は、冬支度を車から始める。いろいろとやることはあるが、大切なことは車のタイヤを冬用のものに交換することだ。

 皆がタイヤを交換しなければならない日が決まっているわけではないが、初雪が道路を覆う直前にタイヤを交換するには、大きなスキルと多くの経験が必要だ。あまりにも早すぎると、他人が眉をひそめることになるだろうし、あまりにも先送りにしすぎると、無防備な車を雪が覆い、凍結したばかりの道路で身動きがとれなくなるだろう。タイヤ交換に適した時期はいつなのかというヒントは平均気温にある。気温が+ 5℃以下の状態が5日間続いたら、いちばん近いカーステーションにさあ急ごう。

 冬の前に行うその他の重要なメンテナンスは、ウォッシャータンクの水を抜いて凍結防止液を充填すること、床のマットをゴム製のものに交換すること、バッテリーを充電すること、そしてこんな降雪に備えて車内にシャベルを用意しておくことだ。

2. ダーチャ(別荘)の手入れをする

 車だけでなく、ほとんどのロシア人はダーチャの冬支度もしなければならない。これは、家族全員で数日かかる大がかりな作業だ。たいていは、ダーチャ内の徹底的な大掃除から始まる。床や棚をきれにし、衣類やタオル、シーツ類、テーブルクロス、カーテンを洗濯して箪笥にしまい、すべての家具にカバーを掛ける。

 家の外装にも気を配らなければならない――屋根に傷がなく穴があいていないかを確認する。春になって雪が融けだすと屋根が壊れるかもしれないからだ。さまざまなものから家の内部をより良く保つために、ブラインドやよろい戸をつけて窓を閉める。トイレのタンクを含め、家の内外にあるすべてのタンクの水を抜いておく。

 電気とガスのプラグや電源コードを抜いておくことも必須だ。このチェックリストを網羅しておかないと、夏にこの家で過ごせなくなる危険がある。

 3. 窓を塞ぐ

 ロシアの多くの家庭で、冬支度が必要なのはダーチャだけではない。都市のアパートも、-30℃以下にもなりうる気温でも暖かさを保てるよう取り組んでいる。かなりの暖気はアパートの窓から出ていってしまうため、ロシア人の多くは、冬がやってくる前に窓枠の手入れをする(現代的なサッシの窓でなく、木枠を使っている場合は特に)。

  アパートから冷気を遮断させるための第一歩は、窓と窓枠を洗うことだ。きれいな窓は晴れた日に日光をより多く入れてくれる。その後で、たいていのロシア人は、発砲ゴムや綿、古布などを窓枠全体に詰めこんでいき、ごく小さな隙間も塞いで冷気が入ってこないようにする。

 この方法の大きな欠点は、新鮮な空気を部屋の中に入れることができず、冬の間ずっと窓を閉めたままにしていなければならないことだ。幸い、今はほとんどのロシアのアパートに現代的なサッシの窓がついており、冷気を遮断する手間をかける必要はない。

4. ペットを快適にしてあげる

 ペットたちはとりわけロシアの冬の間、寒がる傾向にある。人間とは違い、ペットたちはベッドの中で抱き合うことも、温まるために熱い風呂に入ることもできない。ロシアでペットを飼う人たちの多くは、動物向けの寒さ対策もしている。犬や猫用に特別にデザインされた小さなホットラグやベッドを購入しよう。それを新しい電気ヒーターのすぐ横に置いてあげると、暖かいのが大好きなペットたちには素晴らしいプレゼントになる。

 ほとんどの犬は、市が道路の凍結防止のために散布している化学薬品から足を保護してあげないといけない。

5. ゲストを迎えるために自宅の冬支度をする

 ロシアのほとんどの都市では(例外もある)、冬は本当に寒くなる。社会活動のほとんどが外からアパートの中へと移り、予期せぬゲストをいつでも迎える準備をしていなければならない。冬が来る前にやっておくのがいちばん良いのは大掃除だ(気温が下がると、掃除の後で換気するのが難しくなるから)。温かいお茶、コーヒー、あるいは、冬に体を温めてくれるロシアの飲み物をゲストにふるまうために、余分なマグカップを用意しておこう。

 お気に入りの椅子をヒーターのそばに移動させて、暖かいロシアの冬をエンジョイしよう。

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