2016年にデンマークのアーカイブで見つかった、とくに貴重な録音から始めよう。これは、同国のフレデンスバーグ城で発見されたワックスシリンダー(蝋管)だ。当地で1889年9月に、トーマス・エジソンの蓄音機のデモンストレーションが行われているが、ちょうどこの時期、アレクサンドル3世と皇后マリア・フョードロヴナが、彼女の故郷デンマークを訪れていたことが知られている。録音には、ロシア語を話す男性と女性はほかに含まれていないので、声はおそらく皇帝夫妻のものだ。
音楽好きだったアレクサンドル3世は、蓄音機にかなりの関心を示し、その後1889年に、エジソンの会社に自分と家族のために蓄音機を注文したことが知られている。
アレクサンドル3世の息子、ニコライ2世については2つの録音がある。その一つで彼は、フランスのエミール・ルーベ大統領に対し、フランス語でスピーチをしている。これは、1902年に仏大統領がサンクトペテルブルクに到着した際の録音だ。
2つ目は、ロシア語で話すニコライの声をほんの数秒間聴かせてくれる。ここで彼は、近衛軍の擲弾兵部隊に謝辞を述べている。1910年に、皇帝の誕生日を祝い、この部隊がパレードを行った際のもの。彼の声は1:49と2:09に聴ける。
1917年の2月革命後、同年9月~11月に、ケレンスキーはロシア臨時政府大臣会議議長(首相)を務め、ごく短期間、首班だったが、後にロシアから亡命した。この英語によるインタビューは1931年12月31日に録画されている。
このスタジオ録音は1919年3月29日に行われている。その中で、ウラジーミル・レーニンは赤軍に対して演説し、「資本家勢力」と戦え!と激励している。
「赤軍の同志たちよ!断固として、共に立ち上がれ!敵に向かって勇敢に前進せよ!我々は勝つ。ロシアで打倒された地主と資本家の勢力は、世界中で打ち負かされるだろう!」。こう演説は締め括られている。
ウラジーミル・レーニンのアーカイブ映像(音声なし、カラー化)も見ることができる。
この動画では、ヨシフ・スターリンが、モスクワ地下鉄のマヤコフスカヤ駅で演説している。1941年11月6日の独ソ戦(大祖国戦争)下だ。モスクワは空襲を受けていたため、人々と各種施設は疎開したり、地下に避難したりした。スターリンが地下鉄駅で演説しているのはそのためだ。
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