もっともヘルシーなロシアスタイルのメニュー

ロシア料理
ロシア・ビヨンド
 栄養たっぷりでバランスの取れた食事をするには、質のよい食材とオーガニックの果物や野菜を買うことだと多くの人が考えているが、それにはお金がかかる。しかし、そのためにオーガニックのアボカドやキヌア、クコの実を大量に買わなければならないというのは誤りである。実際、はるかに基本的でナチュラルなもので作るヘルシーなメニューがロシア料理にはある。

 「ロシアとソ連の伝統料理における最大の問題は、炭水化物がたっぷりの料理が多いということです。ジャガイモ、パン、菓子パン、おかずパン、パスタ、加えて、ジャムやキャンディーのような甘いものもたくさんあります」と話すのは栄養士のエカテリーナ・マスロワ氏。「これらが多くなってしまうのはよく理解できることです。それは安く手に入り、またすぐにお腹が満たされたように感じるからです。しかし実は満腹感はそれほど長くは続きません」。

 手っ取り早い炭水化物を摂取した後には、血糖値が一気に下がり、人はまた空腹を感じる。そしてその結果、1〜2時間おきにおやつやお茶とお菓子が食べたくなり、エネルギーレベルは下がっているのに、体重は増加するということになる。

 マスロワ氏は言う。「太りたくない、元気でいたいと思うなら、『手っ取り早い炭水化物』を減らすことが必要です。理想的なのは、それを長く満腹感をもたらしてくれる複合炭水化物に置き換えることです」。

 概して、たとえそれがヘルシーなものであっても、炭水化物を摂取するのは4時までにすること。マスロワ氏は、夕方には、消化しやすいプロテインと非でんぷん質の野菜を摂るのが良いと助言する。もし体重を落としたいのであれば、炭水化物を食べるのは1日の前半のみ、つまり正午まで、そして朝食だけに留めるべきである。

 健康に大きな問題のない比較的、元気な人は1日に3〜4回食事をするのが理想的である。たっぷりとバランスの取れた朝食、十分なランチ、少量のおやつ、そして軽い夕食だ。

 もし1日のうち、いずれかの食事を抜くとしたら、身体にとって正しいのは夕食である。しかし、マスロワ氏曰く、朝食だけは絶対に抜いてはいけないと言う。朝食は1日でもっともたっぷりとした食事でなければならない。なぜなら人のからだは、運動量が最低になる1日の終わりではなく、1日が始まるときに、大部分の栄養とエネルギーを必要としているからである。

バランスの取れたロシアのメニュー:

朝食

1. 茹でたそばの実

 この複合炭水化物は、満腹感とエネルギーを与えてくれる。しかも作るのにそれほどお金もかからない。同時に、茹でたそばの実は栄養価が高い。朝食で摂取することができるそばの実以外の複合炭水化物にオートミールがあるが、調理に時間がかかるものを使うのが重要である。またパール大麦、大麦、きびのおかゆなども良い。一方、セモリナや生のオートフレークは栄養分をあまり含んでいない。

2. お粥にはバターか未精製のサンフラワーオイルを加える

 脂肪分は満腹感を長持ちさせ、砂糖入りの紅茶を飲まずにランチの時間を迎えることができる。ダイエット中であれば10グラム、ダイエット中でなければ20グラムで十分である。

3. 

 ゆで卵2つ、目玉焼き、あるいは卵焼き。調理法はお好みでかまわない。少なくとも1日に2回はプロテインを含む料理を食べること。

4. 野菜サラダ

 非でんぷん質の野菜や葉物野菜に含まれる食物繊維は食事のたびに摂るべきである。高級な食材を買う必要はない。千切りキャベツまたは生か茹でたビーツをおろし、細切りのニンジンを加えたものは、シンプルでとってもヘルシーである。

5. パン

 普段、もっとしっかりとした朝食を取るという人は、軽く焼いた全粒粉パンを1切れか2切れ、バターをつけて食べてもよい。

昼食

1. 豆入りの脂身のないシチー

 スープには重要なルールがある。それは、野菜の入ったお肉のスープか、野菜の入ったでんぷん質のスープのどちらかであること。でんぷん質と赤身の肉を混ぜてはいけないのである。これらが混ざると、分解に時間がかかり、吸収されにくくなる。理想的なスープは、豆入りのシチー、あるいは牛肉か鶏肉たっぷりのジャガイモとニンジンのスープである。

2. 全粒粉パン

 この複合炭水化物の源はパンと一緒にスープを食べるという人にオススメである。

3. お米と野菜のロールキャベツ(肉なし)

 ランチに炭水化物を摂った(ジャガイモとニンジン入りのシチー、スープに合わせたパン)場合には、脂身の少ないロシアのゴルプツィ(ロールキャベツ)を作ろう。中に入れるのはお米と野菜で、肉は入れない。シチーにジャガイモを入れないのであれば、ゴルプツィに肉を加えてもよい。

おやつ

 おやつには、甘みのないフレッシュな解凍ベリーとカッテージチーズ、ナッツ10粒あるいはベジタブルオイルを加えた野菜サラダがぴったり。全粒粉のパンに赤身の魚、キャビア、茹でるか焼いた鶏肉か七面鳥のスライスにキュウリのスライスかレタスを少々乗せたオープンサンドもエネルギーレベルを保つのを助けてくれる。

夕食

1.カツレツ

 カツレツというのは、多くの人が子どもの頃にお気に入りだった料理。中には、肉、鶏肉、魚などを入れる。リッソールを作るときには、ひき肉にパンやパン粉を入れないようにすること。パン粉を入れて作るのが好きな人は、たとえば、挽いたオートブランなど、比較的ヘルシーなものを選ぶこと。

2. 酢漬けのキャベツまたはキャベツとキノコの煮もの

 冬の間、ロシアの村に住む人々のほとんどにとって、生のキャベツか酢漬けのキャベツを主なビタミン源としてきた。キャベツはサイドディッシュとして、肉にもよく合い、ジャガイモやパスタよりずっとヘルシーである。新鮮な白キャベツ、赤キャベツ、酢漬けのキャベツを煮てもよい。これに森のキノコを加えれば、どんな料理にもぴったりなサイドディッシュになる。 

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