ヒンカリ、ラグマン、プロフ…旧ソ連圏の人気料理は美味い!

Legion Media
 どこの国の大都市でも同じだが、ロシアの食品産業においても移民が非常に大きな役割を果たしている。もっとも、この国の街角にはカレーやメキシコ料理はない。かわりに、ほとんどのロシア人が旧ソ連圏の料理にこだわっており、そのスパイシーでエキゾチックな食べ物に病みつきだ。なぜそんなにこだわるのか、そして、あなたが見過ごしていたそれらの食の傑作を味わうにはどうすればいいのか。

1. グルジア(ジョージア)料理

 シルクロード沿いで各民族の料理が幅広く相互交流してきたこと、それにくわえて、グルジア人の繊細さ。これらのおかげで、ロシア料理のエネルギーと中東のそれの鋭利な感覚が組み合わされ、比類のないエキゾチックな料理が生み出された。

 グルジア料理は多種多様で強く印象に残り、見事に飾りつけがなされており、いつでも、どんな好みの人でもおいしく食べられる。大詩人アレクサンドル・プーシキンが書いているように、「すべてのグルジア料理は詩だ」

 これはおそらく旧ソ連圏外では、最も不当に無視された料理だろうが、多くのロシア人はグルジア料理が大好きだ。その結果、「Vai me!」、「ジョンジョリ」、「ハチャプリ」などの、比較的お手頃な価格のグルジア・レストランチェーンは、ロシアでは大人気となっているが、より安価なオプションもやはり非常な需要がある。

 だから、ロシアを訪れた外国人にとってグルジア料理に出会うことは、とてもうれしいサプライズだ。とくに、それにちょっとディルが散らしてあれば最高。

メインディッシュ

ヒンカリ

 これぞ、絶対の定番。このおいしいグルジア版餃子というか小龍包には、肉、ジャガイモ、キノコ、チーズなど、常にたくさんの具材が詰まっている。しかし、それを食べる前にちょっとサジェスチョンをしておきたい。これは、ナイフでもフォークでもどんな食器を使って食べてもいい一品で、中の肉を食べる前にまず、その大量のおいしい肉汁を飲む必要がある。ちょっと穴を開けてうまく肉汁をすすろう(でないと、せっかくの肉汁がどこに流れるか分からない)。

ハチャプリ

 グルジアの最も伝統的な一品。グルジア料理の多様性を反映している。このハチャプリは、基本的にはチーズをいっぱい使ったフラットブレッドだが、何百もの異なる製法がある。最も伝統的な方法の一つに、金時豆(キドニービーンズ)とベーコンを使ったものがある。いわゆる「アジャリア」は、熱いパイの上に生卵とバターを乗せて食べるもので、やはり大人気。基本的にはカフカスのピザだと言える。

チャホフビリ

 本質的にはチキンとトマトのシチューだが、フメリ・スネリと呼ばれる複雑なスパイスのブレンドが使われているので、極めて独特の料理となっている。マヨラム、ディル、タイム、パセリ、コリアンダー、バジルなどが含まれている。

スープ

ハルチョー

 大雑把に言って、トマトスープとカレーの中間といったところだが、この肉入りスープには酢、米、香辛料も含まれている。本物のハルチョーはとってもとってもスパイシー!

チヒルトゥマ

 この比較的あっさりしたスープにはしばしばチキンが付いており、ふつうシナモン、レモン、ニンニクの香りがする。そしてしばしばパンの空の殻に入れて供される。

前菜または付け合わせとして

プハリ

 これは野菜を茹でて、クルミのペーストを和えたもの。通常は、小分けで盛り付けられ、ザクロの実で飾られる。いろんな野菜が使われるのが、最も人気のあるのが、ホウレンソウ、ビート、ナスなど。

ロビオ

 金時豆(キドニービーンズ)、ニンニク、ハーブのシンプルでおいしいミックス。レシピを間違えるのは難しい。たいてい豚肉とともに出てくる。

2. ウズベキスタン料理

 ウズベキスタンは中央アジアに位置する。その料理の伝統は、肉の扱い方が特徴になっている。ウズベク人は、周辺の遊牧民と違って、文明化、農耕化して久しく、羊や馬の飼育にとりわけ熟練している。その結果、非常に洗練された料理ができあがった。なおかつそこには、トルコ、タタール、モンゴルのスパイシングや食べ方が或る程度取り入れられている(ウズベキスタン料理はとても実用的。これは、たいていは床に座って低いテーブルで食べることと関係している)。タンドールオーブン(土釜)で焼いたパンも、この料理の重要な特徴だ。

 結婚式は、ウズベキスタンの食文化のショーケースとなるイベント。だから、多くのロシア人は、結婚式そのものではなく、華麗な食の祭典を目当てにウズベキスタン料理のレストランに出かける。絶妙なカーペットとシーシャ(水タバコ)…といった光景と香りを想像してみてほしい。

 しかし、ファミレスの「チャイハナ No 1」や「プロフ」などで出すウズベキスタン料理のストリートフード版も人気がある。

メインディッシュ

プロフ(ピラフ)

 ウズベキスタン料理の代表格。しばしば「ピラフ」と呼ばれ、世界中で知られている。柔かい肉、タマネギ、ニンジン、レーズンなどで炊いた米料理。大量に簡単に準備できることもあり、ウズベキスタンの結婚式の定番だ。

クタブ

 巨大で平らな餃子「クタビ」の具材は、肉と野菜でしっかり油で揚げる。最高の食の芸術。毎日食べることはない。

チュチュバラ

 しばしばベレクとも呼ばれる。小ぶりのしっかり揚げた餃子だ。スパイシーな肉、ペースト、ソースが入っている。スープに入れ、水餃子にしてサワークリームを加えて出すこともある。美味しいスープだ!

シャシリク

 バーベキューケバブの一種。串刺しされた肉は、とくにコーカサスや中央アジアなど、旧ソ連圏の多くの地域における料理に共通している。そのウズベキスタン版は、タマネギと、唐辛子で作られたスパイシーな赤いソース「アジカ」を添えて供されることが多い。

スープ

ラグマン

 

 中央アジアの元祖ラーメン「ラグマン」は、手製の麺に、羊肉、野菜などの具がたっぷり入ったピリ辛ヌードルだ。

シュルパ

 スープというより肉入りシチューというべきか。この美味な料理は、ふつうはポテト、肉、タマネギ、トマトが入っているが、地域によって異なる。

 3.  ウクライナ料理

 あまり冒険を好まないが、さりとて家庭料理とは一味違うものを試したいというロシア人は、しばしばウクライナ・レストランを安全パイと心得ている。何と言っても、ロシアとウクライナの間には切っても切れぬつながりがあり、多くの料理の伝統が共有されている。(ソ連の食糧不足による)野菜を酢漬けにする習慣にせよ、両国が一連のほぼ同一の料理をもっていることにせよ(双方とも「自分のお国料理」と考えているが)、そうした絆の証だ。

 「オデッサ・ママ」や「タラス・ブーリバ」のような人気のウクライナ・レストランでは、ロシア人は、自分の「コンフォートゾーン」からあまり離れずにすむ。にもかかわらず、双方の料理の間には、いくつかのはっきりした差異がある(それはとくに、かつてウクライナの全域あるいは一部が、ポーランド、オーストリア=ハンガリー帝国の領土であったためだ)。ウクライナ料理は、いわばヨーロッパとロシアの間にある、重厚なパンの家。あなたに両世界の最高のものを与えてくれるだろう。

メインディッシュ

バノシュ

 このクリーミーな料理は、ウクライナ西部、カルパチア山脈周辺で生まれた。歴史的にはこの地域の羊飼いのための食事だった。伝統的に石火で調理され、トウモロコシの粉、チーズ、サワークリーム、マッシュルームが使われている。思い切り元気に働けるようにしてくれる一品だ。

チキンキエフ(キエフ風カツレツ)

 ウクライナ料理で最も有名で世界中でも知られるているのがこれ。でも、揚げているときにバターが中から流れ出ないようにするためには、真の専門知識と技が必要だ。だから、ウクライナ・レストランで本物を味わってみていただきたい。

ボルシチ

 ご存知、ビートと肉の赤いスープ。ロシアは、これを国産料理の看板として主張しているが、東欧全域で最高に愛されている。実際はウクライナで生まれたようだ。ボルシチをウクライナ・レストラン(ロシア・レストランではなく)で注文すると、薪を使うオーブンで何時間もかけて調理されている可能性が大。また、パースニップ(シロニンジン)とソーセージで作られたウクライナの白いボルシチも、いくつかのレストランで味わえる。

デザート

キエフケーキ

 ウクライナの首都のもう一つのブランド。メレンゲ、フルーツ、バタークリームでふわふわで、チョコレートでトッピングされた、この色鮮やかなケーキは、ロシアも魅了した。

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