絶対に見たほうが良い2019年のロシア映画5本

Kantemir Balagov/Non-stop Production, 2019
 これから紹介する映画はオスカー賞の候補作品からロシアや海外で人気になった挑発的な大ヒット作まである。評価は?全部見てください。

1.カンテミル・バラゴフ監督『のっぽ』

 この映画は1945年のレニングラードを舞台に、前線から家に帰る2人の若い女性を描いた物語だ。彼女たちは戦後の大混乱の中で自身の世界を再構築しようとするが、彼女たちの親しく、時には非常に親密な関係は、無関心と孤独の世界の中で思いやりと理解のある心を見つける試みだ。

 『のっぽ』は、カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で「ベストディレクター賞」をすでに受賞した27歳、カンテミル・バラゴフが監督をしている。また、彼はアカデミー国際長編映画賞のロシアの候補に選ばれた。

 この映画は、ノーベル文学賞受賞者であるスヴェトラーナ・アレクシエヴィッチの著書で、第二次世界大戦での勝利におけるソビエト女性の貢献の重要性について書かれた『戦争は女の顔をしていない』に影響を受けている。

2.アレクセイ・シドロフ監督『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』

 『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』はロシアの興行収入トップとなり、10億ルーブル以上の収益を上げた国内唯一の映画で、最終的な興行収入は23億ルーブルに達した。この成功の主な理由は、人々が休みを取ることができる長い冬休みの間である1月初旬に公開されたことによる。

 この映画は、第二次世界大戦中のロシアの愛国心というデリケートなトピックと、時にコミックのようにも見える激しい戦車戦を組み合わせている。

 多くの人々は戦争がテレビゲームのように描写されていることに驚いていたが、それでも映画館に人が押し掛けた。

 この映画は、元士官候補生のニコライ・イヴシュキンの物語だ。 1941年11月、ネフェドフカの村で、彼はモスクワに接近しているドイツの戦車部隊に立ち向かうために、残った唯一のソビエト軍の戦車を指揮し、なんとかドイツ軍を打ち負かした。

 1944年、ニコライはドイツの強制収容所に連行され、そこでドイツ軍にT-34戦車の使用方法を教えることを余儀なくされた。しかし、敵軍はニコライが脱出の準備をしていることをまだ知らなかったのだ。

3.ボリス・アカポフ監督『ブク』

 この映画は、ロシアの主要な映画祭であるキノタヴルで最優秀映画賞を受賞した。これは、34歳の監督がペレストロイカの時代を改装した作品である。この時代を、盗賊、失業、商店の品物不足など、近年のロシア史上最も困難な時期の1つとしてだけではなく、壁に掛かるカーペットから始まり、ロシアの歌や伝統的な大きなテーブルで自家製料理を食べる家族の再会で終わる幼年期の思い出としても描いている。

 この映画は、ブクと呼ばれる犯罪集団のボスのアントン・ビコフの物語。彼は第一印象でわかるほど単純な人間ではない。犯罪者であるにもかかわらず、彼は寛大で傷つきやすい心を持っている。このトピックとその表現は、『兄弟』や『ブリガダ』など、90年代から2000年代初頭の数々の映画に非常に近いものだ。

 この観点から見ると、この映画はペレストロイカ時代のロシア映画に共通する特徴を持つ非常に伝統的なものとなっている。主なポイントは、新しい世代の監督がソ連崩壊後の混乱をより理想的なものとして見ているということだ。この時代は彼の子供として過ごした半分ロマンチックで半分恐ろしい時代だ。

4.アレクサンドル・ゾロトゥヒン『ロシアの若者』

 この映画は今年のロシアで最も重要な公開作品の1つであり、その試写会は有名なベルリン映画祭で行われた。この映画は有名なロシアの監督のアレクサンドル・ソクロフの教え子によって作られた。

 『ロシアの若』はもう一つの戦争ドラマだ。第一次世界大戦の初期に、若い兵士のアリョーシャはある戦闘で失明したが、彼は最前線にとどまることを決意し、可能な限り見方を支援した。彼は、敵が接近しているということを仲間の兵士に警告する専門の「聞き手」になったのだ。

 ここには二つのパラレルな機軸が存在する。一つは歴史的なもの、もう一つは音楽的なもので、これは今日のサンクトペテルブルクでタウリデ・オーケストラがリハーサルをしたものだ。ここではロシアの作曲家セルゲイ・ラフマニノフのピアノ協奏曲第三番と交響的舞曲の素晴らしい演奏が使われている。その目的は、20世紀初頭の世界に起きた悲劇を反映し、視力を失ったとある青年のドラマを見せることにある。

 国外の映画評論家はアンドレイ・タルコフスキーとエレム・クリモフの初期の作品とこの映画を比較している。『ロシアの若者』は白黒映画として製作されており、消えつつある粒子の粗いフィルムに収められている。

5.ニジナ・サイフルラエワ監督『貞操』

 この映画は、おそらく今年のロシア映画の中で最も刺激的な映画だ。包み隠しないシーンに満ちたこの映画は、キノタヴル映画祭の審査員によって厳しく批判されたが、この映画をどのように見てよいかわからず、「俳優の監督への無限の信頼に」という曖昧な言葉遣いで表象している。

 しかし、多くのロシアの批評家は、性生活の問題について話したり議論したりしていないカップルを描いたこの物語に興味を持った。話し合わない結果として、妻は不倫をすること逃げ道を探し、それによって彼女は生きていると感じることができるのだ。主人公の親密な生活の大胆かつ歯に衣着せぬ表現は、批評家によって勇敢で革命的だと評された。

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