もう他の場所には行きたくなくなる、息を呑むようなモスクワのガイド・ツアー10選

Legion Media
「右手に見えますのがクレムリン、まっすぐ先に見えますのが聖ワシリー寺院です・・・」。こんなツアーには飽きた人に、時間とお金の無駄とは言わせない、エキサイティングな一風変わった10のツアーを紹介する。

1. 新ロシア料理

 ロシアのシェフたちは2000年代中頃から地元の農家と一緒に仕事を始めた。伝統的な食材を取り入れたり、古くから伝わるレシピを現代風にアレンジしたりしている。批評家はこの流れを「新ロシア料理」と名付けた。

 新しい旅行会社の一つ「プロヴォドニク(ガイド)」が始めたのが美食ツアー。このツアーでは、たとえば白樺の樹皮で焼いたなまずやビーツのアイスクリームといった料理を味わうことができる。また、Twin Gardensといった超有名人気レストランに行ったり、ダニロフスキー食材市場の内部を見学したり、LavkaLavkaで料理のパフォーマンスを見たり、個人がやっているチーズ製造工場に立ち寄ったりできる。

 オーストリアから来たアレクサンダーは次のようにコメントする。「素晴らしいロシア料理を試すことができた。これまでマスコミを通じて見聞きしたものとはまったく別のロシアの一面を知ることができた」。

 この6時間のツアーの料金は、(ガイド、トランスファー、料理込み)

1−2人(351ドル=およそ38,600円)

3−4人(530ドル=およそ58,300円)

5−6人(680ドル=およそ74,800円)

予約はメールcontact@provodniktours.ru または電話+7 985 3195068で。

HPはまもなく完成予定。

2.屋根から見るモスクワ

 世界で最も高いビルを登る命知らずの連中も今や、現代のロシアのシンボルをも眼中に入れ始めている。屋根職人ののアンドレイはモスクワを上から見下ろす個人ツアーを始めた。彼のツアーはとてもフレンドリーで、必ず自撮りに最適な眺めを見せてもらえる。しかも、ウィキペディアに載っていない興味深い話を聞くこともできる。

 「アンドレイはすごい人で、モスクワとスターリン時代の建物の知識にあふれていて、どんな質問にも答えてくれる。屋上ツアーはちょっぴり秘密めいていてとても魅力的だ。次にモスクワに来たときも絶対に彼に連絡するよ」。そう投稿しているのは台湾のジェフだ。

 1時間のツアーの料金は一人1,290ルーブル(およそ2,200円)

3. 地下鉄ツアー

 モスクワ地下鉄はモスクワ博物館とコラボして、「モスクワ地下鉄の伝統建築と都市型交通の新しいイメージ」という地下鉄ツアーを始める。最初のツアーは6月10日に行われる。ツアー参加者は最も美しい地下鉄駅を訪れたり、その歴史を学んだりできる。また、モスクワ中央環状線で真新しい車両に体験乗車し、車窓から素晴らしい街の風景を堪能することができる。

 「外国からの旅行者はモスクワ地下鉄の駅が全く違い、次の駅が果たしてどんなのか予想もできないということに皆とても驚く。旅行者はソビエト時代の装飾や、第二次大戦中の地下鉄の役割にとても興味をもつ。大戦中、地下鉄駅は防空壕として使われたり、図書館、病院、音楽会場としても使われた。また、旅行者には、地元っ子の習慣を見るのもとても楽しい。革命広場駅の銅像をこすったり、マヤコフスカヤ駅でコインを投げたり、地下鉄構内で演奏する音楽家の音色を楽しんだりするといったものである」。外国人旅行者向けガイド、マリア・ニキーチナは言う。

2時間のツアー料金は

9人以下のグループで6,500ルーブル(およそ11,500円)

10−15人で11,500ルーブル(およそ20,300円)

15−20人で15,000ルーブル(およそ27,500円)

 

4. ブルガーコフの家博物館での芝居仕立てのナイトツアー

 「いわゆる精神分裂症」というのは、このちょっと変わったイベントの名称としては完璧なものである。これは、観るものを偉大な小説「巨匠とマルガリータ」の中に入り込んでしまったかのように思わせる。まず、小説の中で表される場所をトラムで巡るツアーがあり、またガイドがミハイル・ブルガーコフの登場人物がいる博物館を案内してくれる。

 「ブルガーコフやロシアの古典文学に興味がある方ならこれはとても面白いものでしょう」。サンチョ・サルダーニャはこう投稿している。多くの旅行者も時間をとって居心地の良いミュージアムカフェをオススメしている。

 英語のガイドツアーを申し込むには、24人以上のグループで、1ヶ月前に予約する必要がある。電話番号は、+7 (495) 970-06-19。24人での料金は52,000ルーブル(およそ91,000円)で、ツアーの所用時間は2時間。 

 (ウェブサイトはロシア語で)

 

5. 地下河川ツアー

 モスクワを流れているのは、モスクワ川とヤウザ川だけではない。ネグリンカ川も市全体を横切っているのだが、目にすることはできない。なぜなら、この川は19世紀初頭に地中化され、今はトンネルの中を流れているからである。

 この川は長い間、とても汚染されていたため、長い間忘れられていた。帝国時代のジャーナリストで、「モスクワとモスクワっ子」の著者であるウラジーミル・ギリャロフスキーはネグリンカ川に降りて何回も探検した。ニンジャタートルの気分で、彼の足跡をたどって、この古くて(少し臭う)トンネルを歩き回ってはいかが?

 「ネグリンカ川は広くて、ほぼ平らなので、初めてでも簡単に歩き回ることができる。ただ、地下にあるのでちょっと怖いのも事実。なぜなら、噂では、この川には10メートルにも成長した世界最大のネズミのような生物が棲み着いていると言われているからです」。そう話すのはアイルランドから来たトミー。

 ツアー料金は2.5-3時間で1人2,500ルーブル(およそ4,400円)。

 

6. スターリンのバンカー42

 このツアーでは、ソ連の指導者がいかに核戦争に備えていたか、巨大な核貯蔵施設を作っていたかを見ることができる。また、冷戦の歴史、ソ連ーアメリカの核対峙についても知ることができる。ソ連の最初の核爆弾RDS−1の実物大模型と模擬核爆発もついている。

 「このツアーはトップ10ツアーの中に入るほどすごい。地下65メートルで、ソ連がミサイルを発射し、世界の運命が決したかもしれない時代に戻ることができる。ソ連視点からの歴史であるがとても興味深く、ガイドも非常に上手に説明してくれる。ボーナスとして、オースティン・パワーズのスタイルのレストランもオプションであるが最後に楽しめる。RDS−1カクテルはとても美味しかったよ」とアメリカからやってきた旅行者ルーカスはトリップアドバイザーに投稿している。

午後6時半 1,800ルーブル(およそ3,200円)

午後1時半 2,000ルーブル(およそ3,550円)

所要時間は1時間10分前後。

 

7. ロシア最大の映画スタジオツアー

 モスフィルム、ロシアの「ユニバーサル・スタジオ」のツアーは、昔のモスクワやサンクトペテルブルクの街に連れて行ってくれる。運がよければ、新たなアンナ・カレーニナの映画や他の映画の撮影に立ち会えるかもしれない。

 「すごい経験だった。歴史あるモスフィルム映画のシーンの裏側を見ることができるのは最高。防音スタジオに行くこともできたし、モスクワやサンクトペテルブルクのセットも見れた。多くのソ連映画で使われたクラッシックカーのコレクションもすごい」。イングランドから来たRoddersGlobetrotterがトリップアドバイザーにこう書いている。

 90分の個人ツアーの料金は9,500ルーブル(およそ17,000円)。

 

8. モスクワパブ巡りツアー

 ヨーロッパではパブ巡りはすでに一般的なものとなっているが、今ではモスクワでも流行ってきている。このパブ巡りツアーは4つのバーで4杯のウェルカムドリンクが飲めて、さらに15個の面白い課題にチャレンジするというもの。勝つと景品がもらえる。

 そして、覚えておく必要があるのは、ロシア人は、乾杯の挨拶の中で「ナ・ズダローヴィエ」とは言わないということ。

 「すごい経験だ。モスクワに来たら誰もがすべきことは、地元の連中と知り合って、ロシア人のパーティーに参加して、すごい連中と飲むことだ」。パナマから来たイアン・マニュエルは言う。

 チケットはオンラインで買える。ツアーの所要時間は4時間で1,699ルーブル(およそ3,000円)。当日その場で買うと1,999ルーブル(3,500円)。

9. モスクワ上空を飛ぶ

 新しくできたクレムリン近くのザリャージエ公園ではモスクワの主だった場所をバーチャルに空から望むことができる。巨大な半球上のスクリーンの上に設置してある可動式の椅子に座れば、鳥のように赤の広場、トヴェルスカヤ通り、ゴーリキー公園や雀ヶ丘の上空を飛ぶような感覚を味わえる。水しぶきや匂いも感じさせる特殊効果もあるのでより実際に飛んでいるようだ。

 「素晴らしかった。飛んでるときは子どものように楽しめたわ。あまり外に出歩けないように冬に来たのならなおさらいい経験になると思う」。と言うのはウクライナから来たナタリア。

 料金は790ルーブル(およそ1,320円)、所要時間は8分。

10.モスクワの共同墓地

 墓地を歩き周って墓石を見るツアーは気味悪いなどということはなく、その正反対でとても面白い。ワガ二コヴォ墓地はモスクワで最も有名な墓地で、16世紀に造られた。そこには数多くのロシアの芸術家、科学者、政治家、アスリート、詩人、画家の他、組織犯罪のリーダーたちも埋葬されている。

 レーニンの側近であったニコライ・バウマンや、ロシア内戦を実質的に始めたアナトリー・ゼレズニャコフがここに眠っている。さらに、ここにはアイスホッケーのカナダ代表チームを幾度となく破ったソ連のホッケー選手たちの墓もある。

 +7(925) 809-15-66(ウラジーミル)

料金:2000ルーブル(およそ3,500円)。ツアー時間は3時間

 「ウラジーミル、ロシアの歴史でもっとも悲劇的で興味深い部分を見せてくれてありがとう。特に、アメリカのFBIに捕らえられたギャングのボス、ヤポンチックの墓石には驚いたよ」。アイルランドからのマークはそうコメントしている。

 モスクワには他にも歴史を教えてくれる墓所がある。

・ノヴォデーヴィチ墓地

(ノヴォデーヴィチ修道院のツアーも通常含まれる。)料金は1人8ドル(およそ880円)unforgettable.moscow@gmail.com (ロシア語サイト)で開始時間を調べて、予約すること。

・レーニン廟 

 入場無料、開館時間:平日午前10時ー午後1時。赤の広場に行く機会があれば、クレムリンの壁に近づいて、誰が埋葬されているかも見てみよう。(スターリンやガガーリンもそこに眠っている)。

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