1. 同じ駅名に混乱する
同じ名前を持つ駅がいくつかある。例えば、環状線のクールスカヤ駅と放射線のクールスカヤ駅、同じくコムソモールスカヤ駅、ベラルースカヤ駅などだ。また、駅名は同じなのに、つながっていないところもある。アルバーツカヤ駅とスモーレンスカヤ駅だ。もちろん、距離的にはすぐ近くなのだがつながっていない。アルバーツカヤ駅は3号線にある(1号線、4号線、9号線に乗り換えることのできる大きな駅だ)。そして、4号線にもアルバーツカヤ駅はあるが、どこにも乗り換えはできない。スモーレンスカヤ駅も、3号線と4号線に2つある。だから、誰かとアルバーツカヤ駅やスモーレンスカヤ駅で待ち合わせするという時には、二人が言っている駅が同じところなのかどうかを確認しよう!
2. 反対方向に進むホームがある駅で迷子になる
現在、モスクワ地下鉄の多くの駅では、ホームが逆方向に設置されている。そのため、迷ったり、違う方向に行ってしまう危険の大きな駅が2つある。。
いちばん気をつけなくてはいけないのが、キタイ・ゴロド駅で、最も混雑しているターミナル駅のひとつだ。キタイ・ゴロド駅で待ち合わせをする時は、モスクワで待ち合わせをする際によく使われる「ホームの中央」を使わないほうがいい。なぜなら、中央には、通路でつながっている2つの駅があり、二つとも見た目がそっくりだからだ(モスクワ地下鉄をデザインした人たち、ありがとう)!
だが、一方のキタイ・ゴロド駅のホームからもう一方のキタイ・ゴロド駅への移動の仕方は、コツをひとつ知っていれば簡単だ。電車が南に向かって走っているホーム、つまり、6号線のトレチャコフスカヤ駅と7号線のタガンスカヤ駅に行く方は、柱が水晶のようなので「クリスタル」と呼ばれている。電車が、北へ、つまり、6号線のトゥルゲーネフスカヤ駅と7号線のクズネツキー・モストへ進行しているホームは、「ガルモーシュカ」(アコーディオン)と呼ばれている。良かった! すぐに覚えられる!
キタイ・ゴロド駅でお互いを見つけるには、ボリシェヴィキの指導者だったヴィクトル・ノーギンの記念碑である「大きな頭の横」で会うようにするといい。頭部だけの彼の記念碑は、駅の北側にあり、ここからは階段で駅の外で出ることができる(エスカレーターは反対側)。
同じ名前を持つ二つ目の駅は、6号線と8号線を結ぶトレチャコフスカヤ駅だ。ここは、さほど複雑ではなく、ホームのデザインも異なっている。そのうちのひとつは、中央に通行止めの通路があり、それは南に伸びている、オクチャーブリスカヤ駅がお隣にあるのだ。もう一方のトレチャコフスカヤ駅からは、8号線の電車が出発している(ここが始発駅)、それと、北へ向かって6号線がキターイ・ゴーラド駅へ出発している。簡単だ!
3. 間違った方向に行ってしまうキーエフスカヤ駅
4号線のキーエフスカヤ駅から、電車は2つの方向に出ている。この線の「古い」部分、つまり、次の駅がストゥデンチャスカヤ駅で、終点がミーチノ駅のものと、「新しい」部分、次がヴィスタヴォチナヤ駅で、終点が、モスクワ市のビジネス複合施設があるメジュドュナロドナヤ駅のものだ。「新しい」部分はさほど使用されておらず、ヴィスタヴォチナヤ駅までの電車はかなり本数が少ない。ここで正しく電車に乗るには、駅に電車が到着した際に、表示されている終点の駅名をチェックすること、そして、通路の上の掲示板を見ることだ。
4. 「空港(アエロポルト)駅」には空港はない
初めてモスクワへ来た人によくある間違いは、モスクワの空港のひとつが、中心部から10分の地下鉄アエロポルト(空港)駅のそばにあるのだろうと思ってしまうことだ。この間違いは、飛行機に乗り遅れることになりかねない!モスクワの空港はどれも、市の中心部からは離れたところにあり、ベラルースカヤ駅かキーエフスカヤ駅、あるいは、パヴェレツカヤ駅から特急アエロエクスプレス号で行くことができる。ちなみに、アエロポルト(空港)という名前は、古い飛行実験場にちなんでいて、今ではもう住宅地となっている。
5. モスクワ中央環状線を使うと計算を誤る
モスクワ中央環状線は、モスクワ地下鉄の比較的新しい顔で、5号線の外側に大きな環状を描いて走り、すべての地下鉄路線と接続している。とりわけ、市街地に住むモスクワの人たちは、この路線を享受している。しかし、新参者は、メトロとモスクワ中央環状線の乗り換えにかかる時間の計算を誤ってしまう可能性がある。乗り換えには、たいていの場合は時間もかからず、駅の外に出る必要もないのだが、乗り換えに5〜10分もかかるモスクワ中央環状線駅が7つあり、一旦、外に出なければならない。あなたのために該当する駅と、乗り換えに要する最大の距離と時間を挙げておいた(モスクワ中央環状線駅-メトロ駅の順):
- パンフィロフスカヤ駅―オクチャブリスコエ・ポーレ駅、800m、11分
- バルチンスカヤ駅―ヴォイコフスカヤ駅、750m、10分
- ハラショーヴォ駅―ポレジャエフスカヤ駅、640m、8分
- アフトザヴォーツカヤ駅―アフトザヴォーツカヤ駅、530m、8分
- ドゥヴロフカ駅―ドゥヴロフカ駅、560m、10分
- ブリバール・ロコソーフスカヴォ駅―ブリバール・ロコソーフスカヴォ駅、340m、6分
- イズマイロヴォ駅―パルチザンスカヤ駅、310m、6分
- ショッセ・エントゥジアストフ駅―ショッセ・エントゥジアストフ駅、300m、7分
6. ゆっくりと歩く
モスクワはめまぐるしく動いている都市で、何千人もの人々が様々な方向へと急いでいる。ほとんどの場合、それは毎日の日課で、彼らは機械的に行動しているにすぎない。だから、ラッシュアワーの最中に観光客がゆっくりと歩きながら、モスクワのメトロの魅力的な建築を見ていると、彼らは少し拍子抜けするかもしれない。モスクワの人たちはたいてい、非常に礼儀正しい(こういうメガポリスでは、不作法は非常に高い犠牲を払うことがある)、だから、彼らは、最低限はこうした人たちに対する自分の感情を抑えてくれる。一瞬、礼儀正しく足を踏まれて優しく押しのけられることになるだろう。
私たちのアドバイスは簡単だ。モスクワ地下鉄を見学するのに最適なのは、午前11時から午後3時まで、それと午後9時以降だ。この時間帯の地下鉄はかなり人が少ない。もしもラッシュアワーにモスクワ地下鉄に行くことになったなら、群衆と一緒に歩き、立ち止まらないことだ。モスクワの最高の宝物のひとつの素晴らしさをもっと楽しめる時間に、もう一度出直すことだ。
もっと深くモスクワのメトロを理解したいなら、ここに、最高に美しく興味深い駅についての記事があります。1号線(赤)、2号線(緑)、3号線(青)、6号線(オレンジ)、7号線(紫)、8号線(黄)、9号線(グレー)、10号線(黄緑)。あるいは、私たちのこの記事を、地元住民のようにモスクワ・メトロを乗りこなすための9ステップ。