Moskva Agency/キリル・ズィコフ撮影
2014年12月、モスクワ地下鉄の全路線の車両でWi-Fiホットスポットが整備された。地元の住民にとって、地下の無料の高速インターネットはもはや当たり前のものとなっている。駅ではWi-Fiホットスポットは整備されていないものの、通話やモバイル・インターネットの利用は可能である。
サンクトペテルブルク地下鉄の車両にWi-Fiホットスポットが整備されたのは、今年5月30日。今のところ、一路線のみだが、年内にはすべての路線で整備される。
Lori/Legion-Media
モスクワ地下鉄では、1回限り有効の55ルーブル(約100円)厚紙製カード「エジヌイ」やプラスチック製カード「トロイカ」を購入して乗車する。トロイカがあると、市内の博物館や美術館でも支払いができ、好きな期間分、銀行カードから資金を移したり、現金で補充したりすることができる。
サンクトペテルブルク地下鉄でもプラスチック製カードが使用されている。こちらでは、金属製のメダルを使って乗車することもできる。現代式ではないが、ゲーム機のメダルのようでおもしろい。メダルをお土産として財布に入れておく観光客も多い。モスクワ地下鉄では1999年を最後に、メダルが使用されなくなった。
タス通信/セルゲイ・コンコフ撮影
サンクトペテルブルク地下鉄には、「水平エレベーター」と呼ばれる鉄製のホームドアのある駅が10駅ある。車両のドアがホームドアとぴったりになるように停車する。これは建物の各階の扉とぴったりに停止するエレベーターのようであるため、このような名前がついた。
ホームドアのある駅は、地下鉄の利用者と職員を浸水から守るためにつくられた。サンクトペテルブルクの土壌には水分がたくさん含まれており、幅500㍍ほどの湿った液状化する土のかたまりがあちこちにある。サンクトペテルブルクで地下鉄を建設するのは真の挑戦であった。ソ連の技師は液体窒素で沼地を凍結させた。また、8000トン以上の液化ガスが汲みあげられた。初めての「水平エレベーター」は1961年に建設された「戦勝公園(Park Pobedy)」駅。
Lori/Legion-Media
モスクワ地下鉄には、市内に物を輸送する宅急便サービスがある。これを利用するには、インフォメーション・カウンターに行って伝票を書き、100~550ルーブル(約190~1020円)を支払い、受取人に連絡をする。最大3㌔の荷物を送ることができる。モスクワ以外にも、国内33都市への発送が可能。
モスクワの地下鉄では、シミュレーターで運転士になって運転したり、1930年代の車両に乗って走ったり、地下鉄史を学んだり、歴代の制服を見たりすることができる。これは「展示場(Vystavochnaya)」駅の無料ツアー。ロビー二段目の職業指導センターで申し込む。
ロシア通信/エヴゲニヤ・ノヴォジェニナ撮影
モスクワっ子は毎日、ライブ演奏を聴きながら花崗岩製の地下の建物を移動する。地元の音楽家が、さまざまな駅のロビーに続く通路の特別な場所で演奏している。オペラ、民族楽器の演奏、ロックなどを無料で聴くことができる。スケジュールを確認することで、好みの音楽を選ぶことができる。
Lori/Legion-Media
幸運をもたらすと信じられているお守りが地下鉄にはある。モスクワの「革命広場(Ploschad’ Revolyutsii)」駅にある国境警備隊員と犬の銅像の前には、大学の入試や試験を控えた人が来て、合格や良い成績を願いながら犬の鼻をこする。また、コルホーズの女性とニワトリの銅像の前には、金運を願う人が来て、トサカをこする。ニワトリ像の6割ほどの部分が金色になっているため、金銭の問題を気にするモスクワっ子が多いのだと感じさせられる。水平・信号手の像の信号旗をこすると、たくさん旅ができるようになる。試してみてはいかがだろうか。
タス通信/ユージン・アスモロフ撮影
サンクトペテルブルクの地下鉄では、鳥が幸運をもたらす。「ブカレスト(Buharestskaya)」駅のモザイク・パネル絵「公園の秋」で葉の間に隠れているシジュウカラを見つけることができたら、願いごとがかなう。
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