ヴャツコエ村=
写真提供:krasaderevni.ru一度は訪れてみたいロシアの美しい村5村を、ロシアNOWが選んだ。
ロシアでは昨年10月から、最も美しい村が正式に選ばれるようになった。このコンクールで最初かつ今のところ唯一の優勝村となっているのが、ヤロスラヴリ州にある古い商人の村ヴャツコエである(モスクワから約300キロ)。
2007年、民間投資により、この貧しく暗かった村が、美術・博物館10館、ホテル3棟、レストラン、映画・コンサート・ホール、適切な観光インフラのある、歴史・文化村に変貌した。
ヴャツコエ村で改修された歴史的な石造りの建物の数は、標準的な村の建物の数を上回っており、それゆえに「市になりたかった村」とも呼ばれた。
重要なのは、地元住民の暮らしが良い方向に変わった点だ。住民のほぼ半数が美術・博物館に就職することができた。小さな教会、いつまでも眺めていられる風景、地元の博物館で復元された商人の生活は、人口約500人のヴャツコエ村に年間約10万人の観光客をひきつけている。
写真提供:Lori/Legion Media
ステップ、山脈、ユルト(移動住居)、ラクダの群れ、古いダツァン(寺)は、ブリヤート共和国のアツァガト村(ブリヤート共和国の行政中心地ウラン・ウデから70キロ)に移住したグチト族の子孫の生活拠点を彩っている。
遊牧民のグチト族がシベリアのタイガからここに来たのは17世紀。アツァガト谷の領域にユルトを100ヶ所設置した。この領域は夏になると、聖なる草アヤ・ガンガ(ヨモギ属)の香りで満たされる。ここを訪れた旅行客は、ずっとこの香りを記憶する。
アツァガト・ダツァン(仏教寺)とその1000体の仏像の穏やかな雰囲気は、ダイナミックな観光施設「ステップの遊牧民」とのコントラストを描いている。観光施設では地元住民が、伝統料理のブウザ(蒸し肉饅頭)、ヤク乳と塩の入った茶(ステップの遊牧民の飲み方)、地元の焼き菓子ボオヴァ、ウォッカをふるまっている。訪問者は弓を射ったり、駿馬に乗ったり、ブリヤート共和国の先住民のエキゾチックな儀式に参加したりすることもできる。
アレクセイ・クデンコ撮影/ロシア通信
エッコ村は古代の死火山のカルデラ、熱い温泉、凍結しない川、山脈の間にある。この位置条件だけでも村はとても美しくなっている。今日ユネスコ世界遺産となっているこの場所では太古の昔、イテリメン人、エヴェンキ人、コリャーク人が暮らしていた。現在もカムチャツカの少数先住民族として暮らし続けている。
カムチャツカ地方の行政中心地ペトロパブロフスク・カムチャツキーから500キロ、ロシアの首都モスクワからは実に6500キロも離れたこの辺境の村には、訪れる価値がある。少数先住民族の生活を体感し、その儀式の歌や踊りにうっとりとし、温泉に浸かり、火山や本物のクマを見る(ここはクマの自然の生息地だが、どうかご心配なく!当地のクマは人間には手を出さない)ことができる。
エッコ村では毎年春、カムチャツカ地方の主要な年次観光イベントで、ギネスブックにも載っている、コース1000キロ強の犬ぞりレース「ベルリンギヤ」が開催される。
ヴァレーリイ・クラム撮影
アルタイ山脈の中で文明から隔てられたアスカト村を美しくしているのは、誰よりも住民である。村の人口120人のうち20人が芸術家、他の20人が芸能アーティストで、美術ギャラリー4ヶ所と民族文化センター「ルコモリエ」を自分たちの芸術で支えている。
アスカト村には、ドレス、シャツ、古代から守られている刺繍、陶製のフルートおよびオカリナなどの地元職人の珍しいハンドメイド品、アスカト村の数人しか習得していない技術、ターコイズ色のカトゥニ川沿岸での瞑想、創作的な雰囲気、藁葺き小屋での癒しの睡眠を求めて、人々がやって来る。
写真提供:Lori/Legion Media
1990年代までにほぼ消滅していたカルーガ州のニコラ・レニヴェツ村(モスクワから220キロ)に新たな息吹を与えたのは、国際景観建築祭「アルフストヤニエ」。村を超現実的なランド・アートのオブジェでいっぱいにし、ジャガイモ畑、ウグラ小川、森林を、都会の現代美術の愛好家やデジタル・デトックスの希望者数千人のメッカに変えた。牛が放牧され、野菜が育っていた場所では今や、年間を通じて旅行者が利用できるカプセル・ホテル、メビウスの帯、レイジー・ジッグラト、ユニバーサル・マインド、その他約100点のアート・オブジェが育っている。ニコラ・レニヴェツ村のランド・アートは秋・冬期、雪のあるロシアの風景の中で、外国人にはさらにエキゾチックに見える。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。