この祭日は、日本ではどれくらい親しまれているのか? 京都ハリストス正教会・生神女(しょうしんじょ)福音聖堂の信徒のみなさんが、ご自身にとってこの祭日が意味するものやご自身のクリスチャンとしての歩みについて、ロシアNOWの記者に語ってくれた。
クセニア・アフレビニンスカヤ撮影
有宗さんは、大阪大学と同志社大学のロシア語講師。彼女は、パスハといえば、真っ先に、大斎(おおものいみ)、彩られた卵、十字架行進を連想し、ロシアに直結するお仕事のため、この祭日をよくご存じである。有宗さんは、宗派の上ではプロテスタントでありながら、すでに25年に亙り正教の教会へ足繁く通っている。
彼女は、ルーシ(ロシアの古称)受洗1000周年を記念する祝賀のことを知った1980年代に、正教やロシアにおけるキリスト教の歴史に興味を覚え、ソ連では宗教が事実上禁止されていたにもかかわらずキリスト教が大衆に受け容れられてきたことに、驚嘆したという。
聖堂へ足を運ぶと心の安定が得られるという有宗さんは、すでにロシアを訪れたことがあり、キリスト教の聖地の中ではソロヴェツキー諸島を訪ねてみたいという。
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カサイさんは、ピアノの講師。彼女は、去年の8月から正教の教会に通っており、現在、正教を受け容れようとしている。「パスハはキリストの復活のお祝いで、自分たちも新しい気持ちで頑張っていく、と言う意味があると思います 」と語るカサイさん。ご両親は、仏教徒ながら、他国の宗教にも関心を抱いている。カサイさんは、世界の宗教に関する本をたくさん読み、正教が自分の世界観に最も近しいと感じたという。
「日本の宗教はキリスト教と根本的に違って、たまに神社に行ってお参りをするだけです。信じている気持ちが薄いと思います。みんながするからする、という感じで、正教のように何かを定期的にやる習慣はありません」。
彼女は、ロシアの聖地の中では、スーズダリ、サンクトペテルブルク、ヴラジーミルの聖堂を訪ねることを夢見ている。
クセニア・アフレビニンスカヤ
川井さんは、2006年4月から正教の教会に通っているので、パスハのことは知り尽くしている。ご両親は、まったくの無宗教だが、彼は、正教を受容するまでに、キリスト教のさまざまな宗派に関心を寄せ、自分にはどれが相応しいかと思いを巡らせていた。或るとき見た不思議な夢が、正教を選ぶきっかけになったという。
聖堂を訪れることで与えられるものはとの問いに対しては、こう語る。「洗礼を受けた時からそれは大きく変わってきました。段々、自分ばかりではなく、他人のことをもっと考えるようになりました。今は、他の人が良い気持ちや物を持って帰るように頑張っています」。
川井さんは、もしも何かロシアの聖物を拝める機会に恵まれたなら、ヤロスラヴリのトルグスキー(トルガ)女子修道院に安置されている聖人イグナーチイ・ブリャンチャニノフの聖骸を訪う巡礼がしたいという。
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「パスハといえば、赤い卵、夜遅くから始まる礼拝とキリストの復活」。本村さんは、そう語る。彼女は、仏教の伝統の中で育ったものの、今年の3月から正教の聖堂に通うようになった。日本におけるニコライ・カサートキンの宣教活動に対する関心が、その理由である。キリスト教の教会に通いはじめてから「人のエゴと神について考えるようになった」という本村さんは、オープチナ・プストィニ修道院のイコン(聖像画)に惹きつけられており、実際にそれらを目にすることを夢見ている。
クセニア・アフレビニンスカヤ撮影
佐藤さんは、嫁ぎ先が正教の家庭だったので、結婚する直前に正教を受け容れた。それ以来、彼女は、正教の教会に通うようになり、歌うことが好きなので、他の信徒たちと教会の聖歌隊に喜んで参加している。
佐藤さんは、パスハといえば、48日間に及ぶ斎戒を連想し、その期間は肉と魚を断っており、長い歳月を重ねるうちに、この祭日への入念な備えは、彼女にとってごく自然なものになったという。
佐藤さんは、もしもロシアを訪れる機会があったなら、モスクワの救世主ハリストス大聖堂が見たいという。
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「最近までパスハが復活祭だと知らなかった」。釣田さんは、そう語る。とはいえ、彼女は、この祭日の大切さや色づけされた卵やクリーチといったそのシンボルについては、古典的なロシア文学の作品を通してよく知っていた。釣田さんは、正教の聖堂に通いはじめて1年ほどになるが、京都ハリストス正教会・生神女福音聖堂の多くの他の信徒と同様、プロテスタントである。
彼女の人生は、ロシアと縁が深く、釣田さんは、モスクワのA. S. プーシキン名称・国立ロシア語大学に1年間留学してロシア語を学んだ。彼女は、黄金の環(ゴールデン・リング)の名所旧跡に憧れており、またロシアへ行く機会に恵まれたなら、そのルートに含まれるあの町この町の教会を訪ねてみたいという。
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