NEDOがサハ共和国で風力発電システムの実験に着手

ティクシ市はサハ共和国ブルンスキー地区の中心地(ヤクーチヤ)である町。

ティクシ市はサハ共和国ブルンスキー地区の中心地(ヤクーチヤ)である町。

Vladislav Kadyshev撮影/Global Look Press

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、極東の北極圏に位置するサハ共和国・ティクシ市において、風力発電システムの実験的構築に着手した。NEDOスマートコミュニティ部の赤岩担当がタス通信に伝えた。

 「3つの風力発電システムのコンポーネントは既にウラジオストクに搬送済み。この後は、陸路とレナ川を通って、ティクシ市に送られる。レナ川で輸送が可能になるのは7月末だ。したがって現地に設備、装置が届くのは8月初めとなる見込み」。赤岩担当はこのように述べた。

 「この地域で建設作業ができるのは夏季のみ。だから今年はまず風力発電システムを組み立てることになる」。経済産業省資源エネルギー庁の小山雅臣氏はタス通信に伝えた。「来年、風力発電システムは、より安定的な稼働のための3基のディーゼル発電機、蓄電池、自動制御システムにより補完される。その後で、1年間にわたり実験が行われることになる」

 「我々の課題は、サハ共和国の過酷な状況で、このエネルギーシステムの安定性、それに対する風や気温の変動の影響、そして燃料消費の変化を調べること。日本側から3社が参加しており、プロジェクトの費用総額はほぼ20億円にのぼる」。赤岩担当はこう語った。

ディーゼル燃料の節約

  ティクシ市の風力発電システムによる実験的設備の電力は、最大1メガワット。このようなシステムを使うことで、ディーゼル燃料の消費量を20%まで削減することができるとしている。実験が成功すれば、システムは継続的に使用できる。

  システム構築に関する意向表明書は、NEDO、サハ共和国政府、ルスギドロ社との間で、2017年9月に、東方経済フォーラムにおいて調印されている。

 その際、サハ共和国政府とルスギドロ社が、送電線を含め、システムの基礎をなすインフラを建設する責務を負っている。

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