シリア停戦合意の7つの疑問

シリアのアレッポ=

シリアのアレッポ=

イリア・ピタレフ撮影/ロシア通信
 ロシアとアメリカの大統領は22日、シリアの停戦計画で合意した。具体的にどのような計画なのだろうか、合意は機能するのだろうか。ロシアNOWが特集する。

誰を対象とした合意か

 この合意はシリア政府軍、その同盟軍、反体制派の間の停戦を定めている。ウラジーミル・プーチン大統領によると、停戦は「イスラム国(IS)」、「アル・ヌスラ戦線」、その他国連安保理によってテロリストと認められた組織を対象としていない。

いつ停戦入りか

 2月27日に停戦しなければならない。前日の26日正午までにシリア内戦の当事者すべてが、「ロシアまたはアメリカに自分たちの停戦への忠実性を確証する」必要がある。その後、停戦を表明した集団の支配する領域が示された地図が作成される。これらの領域が停戦地域になる。

誰が合意の履行を管理するか

 国連のもとで結成された停戦団が管理する。停戦団の共同議長国はロシアとアメリカ。ロシア政府とアメリカ政府の間で情報交換を行うため、特別なホットラインと「必要に応じて」作業部会が開設される見込み。

 シリアのロシア空軍基地「フメイミム」にはすでに、当事者和平調整センターが創設された。ロシア国防省によると、停戦を決めた反体制派は、シリア政府との連絡の支援窓口としてセンターを利用できる。

当事者の合意への反応は

 サウジアラビアの首都リヤドに創設されたシリア反体制派の組織「高等交渉委員会(HNC)」は22日、「国際的な停戦への取り組みを受け入れる」と表明。だがロシアによる空爆の停止、シリアのバシャール・アサド大統領の退陣など、いくつもの条件を提示している。

 アサド大統領は24日にプーチン大統領と電話会談し、シリア政府には「停戦樹立に協力する」用意があることを伝えた。同時に、両大統領はIS、アル・ヌスラ戦線、その他のテロ組織との「妥協なき戦い」の重要性を確認しあった。

合意の実施をはばむもの

 反体制派の穏健派と過激派をわけようとすると大変だと、中東・中亜諸国研究所のセミョン・バグダサロフ所長はロシアNOWに説明する。「アルカイダ」支部のアル・ヌスラ戦線の戦闘員は、反体制派である自由シリア軍の一部の部隊と密に協力して戦っており、これらの集団を何らかの形で分割するのは無理だという。

 シリアの反体制派自体は、一つの打開策しか見いだしていない。国連によってテロリストと認められたアル・ヌスラ戦線の戦闘員に対する攻撃をやめるよう、シリア政府軍とロシア空軍に要求している。

うまくいく確率はいかほどか

 この合意が履行される可能性は、これまでのシリアをめぐる合意すべてよりも高いと、アメリカ・カナダ研究所中東紛争分析センターのアレクサンドル・シュミリン・センター長は考える。その担保となるのは、ロシアとアメリカの首脳が合意を支持していることだという。

アメリカには「B計画」があるのか

 アメリカ国防総省とCIAは楽観していない。ロシアが停戦に協力するとは信じておらず、バラク・オバマ大統領にはその時のために「B計画」を仕上げるよう提案している。B計画は、反アサド派にもっと強力な兵器を提供することを定めており、ウクライナ情勢をめぐってそうであったように、対ロシア経済制裁を発動する可能性もある。ロシアの専門家は、この道筋の行き詰まりも指摘しつつ、このような展開を十分あり得ると考えている。バグダサロフ所長によると、このような計画はすでに完成していて、反体制派への兵器供給が実施済みであることも仮定可能だという。アメリカ製の対戦車ミサイルが反体制派に送られたとの報道がかつてあったことに、バグダサロフ所長は言及した。

 

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