国際関係が無統制であってはならない

喫緊の国際問題を解決するためのロシア側の提案は、セルゲイ・ラブロフ外相が総会で発表する。=AP通信撮影

喫緊の国際問題を解決するためのロシア側の提案は、セルゲイ・ラブロフ外相が総会で発表する。=AP通信撮影

 第68回国連総会が9月17日、ジョン・アッシュ新議長のもとで開会した。シリアを巡る対立で、ピリピリとした空気がただよいそうだ。

 カリブ海の島国アンティグア・バーブーダの国連大使を長期間務めていた、エネルギッシュで雄弁なアッシュ新議長は、かじ取り役をしっかりと果たすことを約束。自身の主な課題を、人間と環境の相互作用に影響を及ぼし得る、2015年以降の世界的な開発課題を作成することと考えている。

 政治会議が行われる9月24日から10月1日までの期間、ニューヨークの国連本部は熱きディベートの場に変わる。各国の大統領70人、副大統領および首相42人が参加すると考えられている。

 総会の優先課題は、現代の脅威に対する集団的反応だけでなく、その予防における国連の役割だ。そしてシリアを筆頭とした中東の情勢に注目が集まるだろう。国連向けの報告によれば、シリア内戦の死者数は11万人超。難民の数は約200万人。

 シリア問題をめぐるロシアとアメリカの意見の相違を考えれば、国連安保理の閣僚級会合でもこれが議題となるだろう。国連ロシア政府代表部の関係筋がロシアNOWに伝えたところによると、閣僚級会合は、5月から期待されていたシリアを巡る国際和平会議「ジュネーブ2」の前哨戦になり得るという。ロシア政府はシリアへの国際的な軍事介入を不当だと考えており、国際社会が特定の国にどのような政府が必要かを判断すべきではないとしている。

 化学兵器を使用したのが誰かという客観的な情報を得られたあかつきには、ロシアは原則的な立場を取ると、プーチン大統領は述べた。「大量破壊兵器の使用は犯罪」という考えにもとづく立場だ。「この問題の深淵(しんえん)な主題調査だけが我々を納得させる。そして誰がどのような兵器を使ったのかを示す判然たる証拠が必要。それを確認できれば、極めて決定的かつ真剣な行動をとれる」。

 ただし、いかなる証拠も国連安保理に提出されなければならない。「噂や特殊機関が何らかの盗聴や会話から得た情報をもとにした証拠であってはいけない」とプーチン大統領は説明する。シリアの反体制派が「軍事介入の口実を支持者に与えるために」、わざと挑発したと考える専門家もアメリカにはいる。

 ロシアはバシャール・アサド大統領ではなく、国際法の規定と原則、そして国連安保理のみが軍事行動の可否を決定できるという、現代の世界秩序を守っていると、ロシア政府と外務省は何度もくり返してきた。これが守られなければ、「あらゆる相手に対し、好きな理由にもとづいて、このような違法な決定がなされてしまう危険性が生じる」とプーチン大統領は述べた。

 国連総会のロシア代表団の一員となる、ロシア大統領中東特使、またロシア上院(連邦会議)国際問題委員会議長のミハイル・マルレゴフ氏は、ロシアNOWにこう話した。「サダム・フセインが大量破壊兵器を持っていないと嘘をついたとして、アメリカはイラクを攻撃した。今回も根拠不明のまま対シリアの3ヶ月作戦の準備をしている。国際法に違反してやいないか。ロシアの外交政策の軸となるのは、この国際法の遵奉。すなわち国連安保理を迂回(うかい)してはならないということ。アメリカの軍事介入によって、イラクやアフガニスタンなどの被介入国に平和や民主主義がもたらされた例は、昨今の歴史において一つもない」。

 喫緊の国際問題を解決するためのロシア側の提案は、セルゲイ・ラブロフ外相が総会で発表する。193ヶ国の国連加盟国の代表に、良識ある政治家や国際関係分野の専門家が、国連を無効化することなどないと訴えるだろう。国連が時宜にかなった効果的な対応ができない、過去の機関となっていることをほのめかしつつ、パートナーの意見を無視し、自分たちのルールで世界の政治を動かしている国々の連携を解こうとしている。

 第68回国連総会はかつてないほど緊張したものになる。アッシュ新議長が約束し、シリア紛争の早期解決を望む当事国すべてが期待している通りに、総会の結論を説得力あるものとすることが何よりも重要だ。