ロシアの硬貨ってどんなの?(写真特集)

Vladimir Trefilov/Sputnik
 ロシアでは現金を使う人はますます少なくなってきている。ロシアで硬貨のルーブルを見ることができるのは今が最後のチャンスなのかもしれない。

 ロシアで最初の硬貨が鋳造されたのは10世紀だが、これまでに何度そのデザインが変わってきたのかは想像することすら困難である。ソ連邦が崩壊し、新しいルーブル硬貨が発行されてからも、幾度となくそのデザインと額面は変更されてきた。現在の硬貨は、1997年にお目見えし、2000年代に入ってから数回再発行された。ここでは、2021年現在の硬貨をご紹介しよう。

コペイカ硬貨

 1ルーブルは100コペイカである。ロシアでは4種類のコペイカ硬貨が発行されている。1コペイカ、5コペイカ、10コペイカ、50コペイカである。コインの前側(表側)には額面と草花模様が描かれている。ところでソ連時代の硬貨にも草花模様が見られたが、それは葉ではなくソ連邦の国章に描かれていた麦の穂先であった。

 硬貨の裏面には竜を倒す聖ゲオルギーが描かれ、「ロシア銀行」という文字、そして発行年が記されている。ロシア人は、古い時代より聖ゲオルギーを崇拝しており、この図柄は15世紀のイコンからとったものである。竜を倒す聖ゲオルギーはモスクワの紋章にも描かれており、この国の首都のシンボルでもある。

 1コペイカ硬貨、5コペイカ硬貨はすでにほぼ見かけなくなった。これらの硬貨の額面の金額がつく商品はもうないからである。ユーロやドルに慣れた外国人は、ロシア人が1コペイカや5コペイカ硬貨がおつりで出てきても、それを受取ろうとしないことに驚いてしまう!それをもらっても使う機会がなく、ポケットの中で邪魔になり、重くなるだけだからだ(実際はこれらの硬貨はとても軽いのだが)。これらの灰色の硬貨は鋼鉄製でメルキオールでコーティングされている。

 10コペイカ硬貨と50コペイカ硬貨は1コペイカ硬貨や5コペイカ硬貨と比べると、いくぶん使われているが、色も違い、使われている素材も真鍮か、真鍮/ 赤真鍮でコーティングされた鋼鉄製となっている。そして額面が高くなるほど、硬貨の直径も大きくなる。

ルーブル硬貨

 ルーブル硬貨は、1ルーブル、2ルーブル、5ルーブル、10ルーブルの4種類ある。コペイカ硬貨と同様に草花模様と額面が表面に描かれている。裏面には、額面が文字で表され、「ロシア銀行」の文字および発行年がある。さらに、ロシア国章-双頭の鷲が描かれている。

 ロシアには昔から伝わる「オリョール・イ・レーシカ」と呼ばれる運だめしのゲームがある。これは基本的には「表か裏か」と同じである。レーシカとは、ロシア側硬貨の表側を指す言葉で、裏側はオリョールとよばれる。オリョールとは「鷲」の意味である。また、「オリョールとレーシカ」というテレビで人気の旅番組もある。この番組は2人の出演者が1枚の硬貨を番組の初めに投げ、その結果によってどちらかが予算無制限で週末を過ごすことができ、どちらかは100ドルしかもらえないというものである。

 1ルーブル硬貨と2ルーブル硬貨は銀色で銅ニッケル合金または鋼鉄製でニッケル電気メッキがされている。

 5ルーブル硬貨は、輝くの銀色にややピンクがかかった色で、銅にメルキオールコーティングがされているか、もしくはニッケルが電気メッキされた鋼鉄製である。

 「金」色の10ルーブル硬貨は鋼鉄に真鍮コーティングされている。

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