ロシア最大の港湾都市10選

 ロシアには黒海やバルト海から太平洋、北極海まで、合わせて12の海と67の港がある。ロシアの石油、石炭、その他の貨物輸送の大部分を担う重要な港湾都市をご紹介しよう。

1. ノヴォロシースク

 黒海にある不凍のツメス湾に位置しているが、数世紀にわたり、トルコのオスマン帝国領であったが、露土戦争後の1829年、平和条約に基づき、ロシアに譲渡された。ロシア最大の港の一つで、取扱貨物量は年間1億4,000トン以上。ロシア海軍基地がある。

2. サンクトペテルブルク

 ここに初めて港が作られたのは、ペテルブルクが創建された1703年である。しかし、ペテルブルク近郊のフィンランド湾に細くて曲がりくねった岸があったため、時とともに大型の貨物船の航行が困難になってきた。そこで、19世紀後半、運河が作られ、それにより新たな港が建設された。「サンクトペテルブルクの大港」は沿岸線に沿って31キロの長さを持ち、およそ200の埠頭がある。

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3. ウラジオストク

 極東最大の港の一つで、ロシア太平洋艦隊の主要基地である。ウラジオストクは1860年に軍港として建設された街であり、その名前は「東方を征服せよ」という意味を持つ。19世紀末、ロシア帝国から大量の人々が移住してくるようになった。というのも、街はシベリア鉄道の終着駅だったからである。ソ連時代、ウラジオストクは政府から注目されない、小さな閉鎖都市であったが、1990年代に外国人の受け入れが始まり、2012年にAPEC(アジア太平洋経済協力)のサミットが開かれたあと、すっかり姿を変えた。現在は自由貿易圏となっている。

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4. ナホトカ

 伝説によれば、1859年の夏に軍艦「アメリカ」が見知らぬ湾に接近したとき、船員の1人が、「おお!これは掘り出し物だ!」と叫んだという。そして地図に現れた新たな場所は「掘り出し物」を意味する「ナホトカ」と名付けられたのである。最初は小さな村であったが、1930年代から1940年代にかけて、収容所群島の囚人たちの力によって港が建設され、街が生まれた。現在は極東の沿海州において、ウラジオストク、ウスリースクに次いで3番目に大きい居住区である。

5. ペトロパヴロフスク・カムチャツキー 

 ペトロパヴロフスカに居住区が作られたのは17世紀末、最初にこの離れた地が発見されたときである。19世紀になり、アヴァチャ湾が凍らないことから、ここに港が作られた。第2次世界大戦時に大規模な新たな港が建設され、20世紀を通して、発展してきた。ペトロパヴロフスク港は現在もさらなる発展を続けている。というのも、ロシアのヨーロッパ部から極東への最短ルートとなる北極海航路の重要な地点だからである。

6. ムルマンスク

 北極圏最大の都市に重要な不凍港がある。1915年の第一次世界大戦中に建設され、そのあと、街が創建された。ソ連時代、ムルマンスクは大々的に発展し、港は北方艦隊の艦船の整備や修理を行う場所であった。第二次世界大戦中、街は空爆により大きな被害を受けたが、ナチス・ドイツ軍は陸地で街を陥落させることはできなかった。現在もムールマンスク港は重要性を失っておらず、北極探検の基地として、また原子力潜水艦の前哨基地となっている。

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7. ソチ

 ソチ港の建物は1955年に建てられたスターリン様式の建築物で、街の主な名所の一つである。港は貨物輸送ではなく、旅客輸送を主に行っている。しかも、ソチ港には石油タンカーの入港が禁止されており、その代わりに大型のクルーズ船が航行している。この海辺にロシア人が訪れるようになったのは19世紀前半、ここに最初の要塞が作られてからである。1909年以降はカフカスの黒海沿岸の主要なリゾート地となっている。

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8. カリーニングラード

 1945年までケーニヒスベルクと呼ばれていたこの街は東プロイセンの中心都市であった。ここに最初の貿易港が作られたのは14世紀のことであるが、第二次世界大戦後、この地域の北側がソ連に移譲された。港は戦争で壊滅的な被害を受け、ソ連政府はロシア最西端の、そしてバルト海沿岸での唯一の不凍港であるカリーニングラードを建設した。カリーニングラードは貿易輸送と海産物の加工に使われている。ちなみに海産物加工はソ連時代になって行われるようになった。

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9. マハチカラ

 ダゲスタンの首都マハチカラはロシア北カフカス最大の都市で、カスピ海におけるロシアで唯一の不凍港である。港は19世紀後半に建設され、ここには大きな乾貨物用の港があり、また鉄道への積み替えやハイテクを使った近代的な石油積出も行われている。このほか、マハチカラにはロシア海軍のカスピ小艦隊の基地の一つが置かれている。

10. セヴァストーポリ

 現在のセヴァストーポリは、クリミアがロシア帝国に編入された直後の1783年にエカテリーナ2世の勅令によって創建された。セヴァストーポリは19世紀初頭にはロシア帝国の黒海の主要な港となった。いくつもの戦争に参加した軍事栄光都市であるセヴァストーポリにはロシア黒海艦隊の主要な海軍基地がある。また軍事基地のほか、セヴァストーポリの凍らない入江には、水産物、石油、鉄鋼などさまざまな製品の輸送を行っている大規模な港がある。

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