モスクワとペテルブルグ以外のロシアのどの都市に行くべきか?

Legion Media
 どこで何を見るべきか、どの時期に行くべきか、そしてインスタグラムに投稿する理想的な写真はどこで撮れるのか?

 もうモスクワとペテルブルグにはすでに行ったことがあるという方には、ロシアのもっと奥深くを知り、信じられないほど美しい自然を見られる場所、伝説の聖人が住んだ場所、そして大々的な戦闘が繰り広げられた場所を見ることをお勧めしたい。

1.スーズダリ

 モスクワから数時間の移動で、古代ルーシの雰囲気に浸ることができる。小さい通りに木造の家、すべてが驚くほど心地よく、愛情を感じずにはいられない。あちこちに木造の教会があるこの町は端から端まで歩いて周れる。スーズダリはモスクワ北西部に位置する豊かな歴史を誇る小さな都市をつなぐ観光ルート「黄金の環」に含まれる都市である。もしさらに時間があるのであれば、ヤロスラヴリコストロマウグリチウラジーミルセルギエフ・ポサードロストフ・ヴェリーキー(ロストフ・ナ・ドヌーと間違えないように)、ペレスラヴリ–ザレスキー

も訪れるとよい。

 理想的な写真:

スズダリのクレムリン

 アクセス:モスクワからウラジーミルまで列車で、そこからは乗合バスで

 旅行に適した時期:冬がよい。新年の前かマースレニツァ(バター祭り、2020年のマースレニツァは224日から31日にかけて)の時期。こうした祝祭日のときには、移動遊園地が作られ、市が立ち、ダンスが見られたり、食べ物の屋台が出たりする。ブリヌィ(ロシアのクレープ)を食べるのを忘れずに!暖かい服装で行くことをお勧めするが、もし凍えてしまったら、アルコール度の低いロシアの飲み物メドヴーハを勧められることだろう。お酒は飲まないという人は、ハーブのスビテンか紅茶をどうぞ。

 旅行に適さない時期:11日から10日までと51日から10日まで(この期間、ロシアでは国民の休日となっており、どのホテルでも宿泊費が高くなる)。

 見どころ:木造建築博物館、スズダリのクレムリン、商店街、ヴォスクレセンスカヤ広場、スパソ・エフフィミエフ修道院

 オススメの宿泊施設:イズバと呼ばれる個人の木造住宅、ホテル「プシカルスカヤ・スロボダ」

 オススメのレストラン:レストラン「ウレイ」(要予約)

2.ニジニ・ノヴゴロド 

 オカ川とヴォルガ川の合流点に立つ風光明媚な街ストレルカは、少し傾いた小さな木造住宅の古い景色とおしゃれなバーやレストラン、新しい建物などの現代的な風景を兼ね備えている。ちなみにニジニ・ノヴゴロドは作家マクシム・ゴーリキーの故郷であり、ここにはゴーリキーにちなんだ博物館が3つある。

 理想的な写真:

ストレルカを望む

 アクセス:モスクワのクールスキー鉄道駅から高速列車「ラーストチカ」か「ストリージュ」で

 旅行に適した時期:4月から10

 見どころ:ニジニ・ノヴゴロドのクレムリン(それとクレムリン内部の近代兵器博物館)、チカロフ階段、ニジネヴォルスカヤ河岸、歩行者天国のロジェストヴェンスカヤ通りとボリシャヤ・ポクロフスカヤ通り、ヴォルガ川に架かるロープウェイ、夏季ならグレブノイ運河のビーチ

 オススメの宿泊施設:ホテル「ポクロフスキー・ポサード」などクレムリン周辺のホテル

 オススメのレストラン:ガストロパブ「ゴーリコフスカヤ・ピヴォヴァルニャ」

3.カザン 

 ロシアは多民族、多宗教の国である。そんなロシアにおいて、タタールスタン共和国は、東洋の雰囲気が楽しめる素晴らしい場所である。

 理想的な写真:

街のシンボルであるドラゴン「ジラント」とクレムリンを望む風景

 アクセス:飛行機で2時間またはモスクワのカザンスキー鉄道駅から列車で14時間

 旅行に適した時期:4月から10

 見どころ:カザンのクレムリン(その中にあるクル・シャリフの剣)、クレムリン河岸、博物館「タタールのスロボダ(集落)」、歩行者天国バウマン通り、ブラク河岸

 オススメの宿泊施設:ホテル「スタジアム・カザンアレーナ」

 オススメのレストラン:民族料理が楽しめる店を選ぶとよい。チャクチャクというお菓子をぜひお試しあれ。

4.ヴォルゴグラード

 この街の旧称はスターリングラード。おそらくあなたも聞いたことがあるだろう。戦いの栄光を誇る都市で、第二次世界大戦中の激戦の一つを耐え抜いた。ママエフの丘に行って、記念像「母なる祖国像」をひと目見よう。

 旅行に出発する前に、ジュード・ロー主演の映画「スターリングラード」と同タイトルのロシア映画「スターリングラード」を見ておくことをお勧めする。

 理想的な写真:

母なる祖国像

 アクセス:モスクワから飛行機で

 旅行に適さない時期:59日(戦勝記念日)。ヴォルゴグラードではこの日を通りで大々的に祝うため、かなり混雑する。また夏は非常に暑くなることを忘れずに。

 見どころ:ママエフの丘と記念像「母なる祖国像」、パノラマ博物館「スターリングラードの戦い」、パヴロフの家、ヴォルガ河岸

 オススメの宿泊施設:ホテル「ヴォルゴグラード」

 オススメのレストラン:レストラン「マルーシャ」、クニャギンスキー・ドヴォール、クリナリヤシャースチエ・イェスチ」

5.エカテリンブルグ 

 ヨーロッパとアジアの境界線とされる場所に立っているオベリスク「ヨーロッパ–アジア」を見ることができる。ただし多くの研究者らの間では、その場所が実際に境界線にあるのかについてまだ議論されている。街には面白い建築があり、ソ連構成主義、折衷主義、バロック様式などさまざまなスタイルの建築物を楽しむことができる。しかしエカテリンブルグといえば、何より1918年にニコライ2世とその家族が銃殺された場所として有名である。

 理想的な写真:

セバスチャノフ・ハウス

 アクセス:モスクワから飛行機でペルミへ。ペルミからはバスまたは列車で

 旅行に適した時期:5月から9

 見どころ:血の上の教会、イパチエフ館、エリツィン・センター、セバスチャノフ・ハウス、リテラトゥールヌィ・クワルタール(文学地区)公園、チェキスト(秘密警察チェーカーの要員)村の構成主義建築物、ガニン・ヤマ修道院

 オススメの宿泊施設:ホテル「ヴィソツキー」

 オススメのレストラン:トロエクーロフ、ストロガノフ・グリル、パシテット

6.ペルミ

 この10年でペルミはウラルの文化首都の地位を獲得した。ここには有名なギャラリストであるマラート・ゲリマンが創設した現代芸術美術館PERMMがある。劇場では、現代の実験的なお芝居が上演されている。街のスローガンは「幸せは山の向こう側ではない」。カマ川の岸に、この言葉が刻まれたアート作品が飾られている。

 理想的な写真:

幸せは山の向こう側ではない

 アクセス:飛行機、またはエカテリンブルグからバスまたは列車で

 旅行に適した時期:5月から9

 見どころ:カマ河岸、美術館「PERMM」、ペルミ古代博物館、政治抑圧博物館「ペルミ36」、ソボルナヤモスク、トロイツキー寺院、ペルミスカヤ通り、しょっぱい耳の記念碑

 オススメの宿泊施設:ホテル「マルメラード」、プリカミエ

 オススメのレストラン:ペリメンナヤNo.2、ペルムスカヤ・クーフニャ。ペリメニ、ポシクンチキ、ビーフストロガノフがオススメ。

7.クラスノヤルスク 

 シベリアの力強さを感じることができる街である。広大な土地、驚異的な大きさを誇る堂々たるエニセイ川、目を見張る大自然。冬、ここの気温はマイナス30℃、あるいはそれ以下まで下がるが、空気はとても乾燥しているため、マイナス20℃のモスクワやペテルブルグよりはまだ耐えられる。街の中心部では暖かいミトンや靴下を売っている露店があるので、覗いて見るといい。

 理想的な写真:

コムナールヌィ橋

 アクセス:飛行機またはシベリア鉄道で

 旅行に適した時期:5月から9月。または山リゾートシェレゲシに行くなら、12月から4月。

 見どころ:コムナールヌィ橋、クラスノヤルスク郷土博物館、エニセイ河岸、ミール大通り、ミュージアムセンター「プローシャジ・ミーラ」。郊外ではクラスノヤルスク水力発電所、クラスノヤルスク国立自然保護区「ストルブ(柱)」

 オススメの宿泊施設:ホテル「オクチャブリスカヤ」、ホテル「シビーリ」

 オススメのレストラン:レストラン「ホジャイン・タイギ」、リヴェルバー「バルコン」

8.ウラジオストク

 地球の果てにいるように感じ、大洋を間近に見られるなんて非常に価値があることである。ウラジオストクはと最高に新鮮なシーフード、巨大な船、心を奪う橋であなたを迎えてくれる。ちなみに、通りの屋台、ピャンセというパンから、右ハンドルの自動車や溢れるほどの韓国製の化粧品など、この街がアジアが非常に近いことを感じさせてくれる。

 理想的な写真:

トカレフスキー灯台

 アクセス:飛行機またはシベリア鉄道で

 旅行に適した時期:5月から10

 見どころ:ゾロトイログ(金角)湾、スヴェトランスカヤ通り、ニコライ2世凱旋門、フォーキン提督通り、ユビレイヌィビーチ、トカレフスキー灯台、V.K.アルセーニエフ記念博物館、ルースキー島のオケアナリウム(水族館)

 オススメの宿泊施設:ホテル「アストリア」、「アジムート」ホテル

 オススメのレストラン:ズマ、ピャートゥィ・オケアン。カムチャツカのカニを試してみるといい。絶対にハズさない。

9.キスロヴォーツク

 ミネラルウォーターで健康を取り戻すことができる場所(一番有名な地元のミネラルウォーターといえばナルザン)。カフカスの山の小道を散策し、ソ連の雰囲気が残るサナトリウムで休憩しよう。キスロヴォーツクだけに留まらず、隣接するピャチゴルスク(ロシアの偉大な詩人ミハイル・レールモントフが決闘で命を落とした場所)やエセントゥキ(もう一つロシアで有名なミネラルウォーターの産地)を訪ねるのもいい。

 理想的な写真:

ナルザンナヤギャラリー

 アクセス:ミネラルヌィエ・ヴォードゥイまで飛行機で、そこからタクシーまたは列車で

 旅行に適した時期:6月から9

 見どころ:ナルザンナヤ・ギャラリー、クロルトヌィ並木道、ロープウェイ、カスケード階段、シャリャーピンのダーチャ、花のカレンダー、歩行者天国「テレンクールィ」

 オススメの宿泊先:いずれかのサナトリウム

 オススメのレストラン:カフカス料理をぜひ試してみること。シャシリク–マシリク、オゴニョク、バラーシカ

10.ソチ

 ソチは海と山、両方での休暇が楽しめるユニークな場所である。ただし同時にではない。ビーチは海沿いを数キロに渡って延びているので、街中に宿泊する必要はなく、トゥアプセ、またはラザレフスキーくらいまで離れた場所に滞在しても問題ない。

 理想的な写真:

ソチ・オリンピック・パーク

 アクセス:モスクワからアドレルまで飛行機または列車で。アドレルからは電車、タクシー、カーシェアでソチまたはクラースナヤ・ポリャーナへ

 旅行に適した時期:海なら5月から9月まで、山なら12月から3

 見どころ:オリンピック村、フォーミュラ1のレース会場、ロープウェイ、デンドラリー公園、スターリンのダーチャ、スカイパーク、ローザホール、ラヴァンダ河岸

 オススメの宿泊施設:ホテルツィトルス、ジェムチュージナ、スイスホテルカメリア

 オススメのレストラン:ここでは魚、バーベキュー肉、チェブレキなどのカフカス料理が一般的。プロメナード、レッド・ブフェット、クラースナヤ・ポリャーナカフェ、レストランヴィソタ2320

 ところでまだモスクワにもペテルブルグにも行ったことがないというあなたもご心配なく。おそらくこのいずれの場所に行くにも、まずはどちらかの都市に降り立つことになる。

 乗り換え時間の長い便を選んで、ロシア・ビヨンドのガイドに沿って、モスクワペテルブルグの主要な観光地をまわろう。

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