現代ロシアのユニークな時計5選

chaykin.ru; sturmanskie.ru; slava.su
 火星の時間を示す世界初の時計、ガガーリンが着用していたことで有名な「シュトゥルマンスキー」など、現代の時計産業が真に誇れる貴重な時計を紹介しよう。

1.「ジョーカー」、コンスタンチン・チャイキン

 さまざまな称号を持つ時計師コンスタンチン・チャイキンが作ったこのモデルは、世界でもよく知られている。チャイキン時計工場は作られてから18年経つが、この間に少なからぬ革命的な時計を生み出し、高級時計の世界への扉を開いた。チャイキンは現在、国際独立時計師アカデミーに名を連ねるロシア人で唯一の時計師である。

 「ジョーカー」は単なる時計ではなく、チャイキンの発明の1つである。文字盤が道化師の顔の形になっており、長い針と短い針は2つの丸い目の形で、それぞれがくるくると回る。また月の満ち欠けで、ジョーカーの微笑みを表している。このユニークな時計は国際的な評価を受けた。3年前に「ジョーカー」の別版である「クラウン」が、時計界のオスカーともいえるジュネーヴ・ウォッチ・グランプリの特別賞を授与された。ロシア出身の時計師がこの賞を受賞したのは初めてのことである。

 「ジョーカー」のすべての部品は手作りで、このモデルを購入するにはウェイティングリストに予約を入れる必要がある(チャイキンの工場は1点ものに特化しており、1年間に製造される時計は100個以下となっている)。

2.「マーズ・コンカラー」、コンスタンチン・チャイキン

 チャイキンの「マーズ・シリーズ」はすでに作られて数年経つ。イーロン・マスク氏が、まもなく人類は「火星」を植民地化すると発言したとき、チャイキンは火星の時間を示す時計を製作するというアイデアに夢中になっていた。試作に続き、2020年に正式な製品が作られた(このモデルは限定8個のみ)。

 チタン製の本体は宇宙船のドッキングパーツに似ている。文字盤には打ち上げロケットの形をした針がついている。もっとも大きな針は地球の時間を指し、6時の下の部分にもう1つの文字盤があり、同時に火星の時間を示している。時計には火星のカレンダーがダリアン暦で表示されている。この宇宙的な時計を作るため、時計師はこのユニークな技術に対し特許を取得した。

3. 「ラケタ」の「ポーラー」 

 ペテルゴフにある時計ブランド「ラケタ」は300年の歴史を誇る企業である。その企業を復活させたのはフランス人と長年のそしてロシアとの間で多義的な関係のあった貴族たち(たとえば、パレン伯爵家はパヴェル1世に対する陰謀に関与した)であった。生まれ変わった「ラケタ」は数年前、野心的な計画を思いついた。ソ連時代の時計はコレクターたちの間でも大人気を誇っていたことから、工場の新たな経営陣は今、同じような製品を作っても、西側でもまた国内でも、同じくらい人気が出るだろうと考えたのである。

 「ポーラー」は1970年代に作られた伝説的モデルのレプリカである。当時「ポーラー」は大量生産されたことはなかった(だからこそ、収集家の間でも人気が高い)。この時計は北極探検のために特別に作られたもので、標準的とは言えないどんな課題にも耐えうるものであった。南極ではいつが日中かわかりにくいため、時間は12時間ではなく24時間で表示されている。「ポーラー」は当時のオリジナルとはいくつかのディーテールに変更が加えられているのみで、またソ連時代の機械で作られている。「ポーラー」は2020年に限定販売された。

4.「ポレオット(またはパリョート)」のシュトルマンスキー

 「ポレオット」あるいはモスクワ第一時計工場は、ソ連で生産されていた時計の最大で3分の1を製造していた伝説の時計工場である。ペレストロイカの後、いくつかの小さな時計工場に解体され、有名なブランド時計も、新たに権利を有することになった様々なブランド名で販売された。ソ連の飛行士たちのために作られた「シュトルマンスキー」(1949年から大量生産されたが、航空部隊のためだけに製造され、販売はされなかった)は、現在、「シュトルマンスキー」というブランド名で製造されている。

 宇宙飛行士のガガーリンは、ほかでもないこのシュトゥルマンスキーを身につけて宇宙に飛び立った。いくつかのエディションがあるが、もっとも有名なのが「ガガーリン、レガシー」。量産され、1961年当時と同様、誰もが買えるもので、工場独自の開発による正確なポレオット2609手巻き式機械が採用されている。今年、ガガーリンの人類初の宇宙飛行から60周年を記念して、ガガーリンが装着していたのとまったく同じ記念の文字が彫られたリミットバージョンのアニバーサリーモデルが発売された。

5.「スラヴァ」の「ロシアン・ルーレット」

 時計工場「スラヴァ」は第二時計工場であったが、こちらも並ならぬ運命を辿った企業である。2000年代に、この工場は銀行の傘下にあったが、結局、銀行はこの工場を競売にかけた。遺産(設計図、ユニークな機械)は「ヴェルヌィ・ホード」という時計会社が引き継ぎ、その後、ブランド自体を買い上げた。現在、「ヴェルヌィ・ホード」は、かつてソ連中の人々が着けていた「スラヴァ」の過去のモデルを製造している。

 「ロシアン・ルーレット」はおそらく、もっとも現代においてもっとも不快なロシアの時計であろう。コンセプトは2017年に、ロシアの俳優イワン・オフロブィスチンとのコラボレーションによって生まれた。オフロブィスチンはデザインに、リボルバーに1発だけ弾が入ったピストルのイメージを提案した。デザインの考案には3年が費やされた。騎兵たちが楽しんでいたときのように、リボルバーを回して、運命を試す。当たりかハズレかは、文字盤の上にある窓を見て、知ることができる。幸運ならば、窓に銃弾が見える(銃弾には頭蓋骨と骨が彫られている)。リボルバーを動かし、銃弾を止めるメカニズムには16個の磁気が使われており、磁気ブレスレットと同様、血行の促進、血圧の調整など、健康にも良い影響があると開発者は語っている。

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