なぜプーチンは右手に時計をしているのか

Ramil Sitdikov/Sputnik
 プーチンは左利きなのか、両利きなのか、教理に忠実な柔道家なのか、それとも単にそうなったのか。多くの人が気にしている「プーチン時計問題」の真相を解き明かそう。

 とても注意深い人ならば、ロシア大統領がいつも右手首に時計をしているのに気付いたはずだ。これはなぜだろうか。

左利き?

 まず思い浮かぶのがこの説だろう。右手に時計をするのは左利きだけだと考えられている。左手で書くのに左手に時計があると邪魔だからだ。だがこの説はあっさりと反証される。プーチンは右手で書いているのだ。

 もっとも、大部分のことは右手で済ますが、何気ない動作には無意識に左手を使うという「隠れ左利き」も存在する。プーチンがこれに該当するのか、断定は難しい。

 彼が両利きだという説もある。つまり両手を同じくらい器用に操れるということだ。「両利きの人は脳の両半球を同時に使う。彼らは優れた直感力と論理力とを併せ持つ。コンピューターで言えば、2つのOSが同時にインストールされている状態だ。しかも両方同時に駆使できるのだ。現在50歳の人で両利きの人は一万人に一人、30 歳〜40歳の人では千人に一人だ。両利きがどんな人かを知りたければ、プーチン大統領を見れば良い。彼は両利きだ」と心理生理学が専門の医学博士候補、ウラジーミル・プガーチ氏は話す

気のツボ?

 別の説は柔道に関するものだ。柔道とサンボの達人であるウラジーミル・プーチンは、東洋医学において体にあるとされる重要なツボ(経穴)について何か耳にしたのだろう。東洋の格闘技に熱心に取り組む人の多くがこの医術を実践している。男性の左手首には心臓の働きに関わるものを含め、3つの最も大事なツボがある。時計のベルトがこれらのツボを塞いでしまうのだとすれば、右手に時計を付けるのは理に適っている。こうした教えがプーチンの行動原理になっていることは、2000年代にロシアのメディアが盛んに報じた通りだ

ネジ

 しかし残念ながら、こうした素敵な説の支持者をがっかりさせねばならない。右手に時計をしている理由を、プーチン自身がすでに語っているのだ。この謎について彼に最初に質問が出たのは2002年に生放送された2時間にわたる国民との対話の際だった。

 「私が右手に時計をしているのは、こうすると竜頭[ネジの頭]が手首と擦れないからだ。それだけのことだ」とプーチンは答えた

 その後人々は皆このことを忘れてしまったらしく、2018年にまた同じ質問が出た。プーチンの答えは従来通りだった。「左手に時計をはめると竜頭が回って不快で痛い。だからこちらにはめることにしたのだ」。

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