カザンでもっとも美しい建物と場所10選(写真特集)

Komsomolskaya Pravda/Global Look Press
 カザンはタタール共和国の首都で、正教会とイスラム教の文化が絡み合ったロシア全土の中でも、もっとも美しい都市のひとつだ。

1. カザンのクレムリン

 1552年にイワン雷帝がカザン・ハーン国を征服したとき、モスクワの赤の広場にある聖ワシリー寺院を設計した2人の建築家を呼び寄せ、昔からあったカザン・ハーンの城砦跡に城塞を作るように命じた。

 現在、この壮麗なカザン・クレムリンは主要な見どころとなっている。ヴォルガ川とカザンカ川を臨むこの地は、タタール共和国大統領の官邸にもなっている。

 2000年にこの歴史的なランドマークは世界歴史遺産に認定された。

2.クル・シャリーフ・モスク 

 この印象的なモスクは、カザン包囲戦の間に破壊されたが、2005年に再建され、当時はロシア最大のモスクであった(2008年にチェチェン共和国、グローズヌィにアフマド・カディロフ・モスクとしても知られる「チェチェンの心」モスクが建設され最大となった)。

 カザン・クレムリンと同じ敷地内にあるにもかかわらず、個別の見どころとされるのは、ユニークで目を奪う姿をしているからに他ならない。

3.生神女福音大聖堂

 カザン・ハーン国に勝利したイワン雷帝のもう1つの「子ども」である。初代ツァーリであるイワン雷帝は、彼の軍隊が町を占領したときにクレムリンの建造を始めた。当然、彼には新たに手にした土地でキリスト教を信仰するための教会が必要であった。

 モスクワにある聖ワシリー寺院の設計者が生神女福音大聖堂の建設に尽力し、教会はこの地域のみならず、遠く離れたシベリアにおいてもキリスト教信仰の中心となった。

 現在、この教会は町の文化的名所である。興味深いことに、この教会はカザン・クレムリンにあるクル・シャリフモスクと同じライム色に塗られている。

4.カザン国立大学

 ロシアでもっとも歴史ある大学のひとつ。1804年に皇帝アレクサンドル1世が設立に関する勅令に署名した。以来、大学は近隣の建物を取り込んだり、新たな建物を建てたりして、規模を拡大していった。最新の施設は2003年に建てられた。

 しかし、数ある建物の中で、一粒の真珠のように際立っているのは、1820年代に建築家ピョートル・ピャトニツキーによって設計された本館であることは間違いない。

 この大学からは、幾何学、数学、科学、物理学の分野で画期的な研究を行ったことで知られる多くの学者を輩出した。中でも、もっとも有名な卒業生はウラジーミル・レーニン。彼は1887年にここで学んでいたが、帝国政府に反抗する活動に参加したことにより、この年の終わりに追放された。 

5.1000年橋

 この変わった橋は2005年にカザンの1000周年を祝って建設された。「1000年」橋と名付けられ、この歴史ある都市の記念すべき年を記している。

 橋は、カザン最大の橋として完成した。橋の中ほどには、ミレニアム(1000年)の頭文字である「M」の字が飾られている。それは、高さ45㍍、幅64㍍の巨大なもので、どこにいても目にすることが出来る。 

6.農業宮殿 

 2010年に建てられた比較的新しいものだが、歴史ある建物が数多くあり、素晴らしい建築物が競い合っているカザンにおいて、たちまちもっとも象徴的な建物のひとつになった。クラシック建築様式と帝国建築様式を合わせた設計で、パリのプティ・パレにどことなく似ている。

 外観は非常に豪華であるが、内部はとても近代的で、タタール共和国農業省の本部となっている。 

7.全宗教寺院

 この特集で紹介しているカザンのもっとも美しい建築物の中でも間違いなく少し変わった建物である。この全宗教寺院は、名称とは異なり、実は宗教とは関係なく、地元の建築家イルダール・ハノフ設計による住居用マンションである。町の中心部、ヴォルガ川の畔に立っている。

 独特の名称がつけられたこの建物のデザインは、正教の教会、イスラム寺院やシナゴーグなどいろいろな種類の宗教建築を集め合わせたものである。住居用の建物であるにもかかわらず、建物は多くの観光客を集め、中では、社会教育的なイベントなどの講演会も催されている。

8.ハーンのモスクとして有名なスュユンビケ塔 

 スュユンビケ塔はカザンでもっとも知られたランドマークとも言える建築物である。クレムリンにある塔の1つであるが、この塔を有名にしているのは、ピサの斜塔のように塔が傾斜しているからである。現在、傾きは1.98㍍と推定されている。

 この塔がどの時代に建てられたのかについては歴史家の間でも議論がある。カザン・ハーン国(1438年から1552年の間にヴォルガ・ブルガール王国の領土であった土地占領した中世タタール・チュルクの国家)と同時代からあったと信じるものもいれば、18世紀に入ったばかりの頃だと主張するものもいる。地元に伝わる伝説によれば、カザン・ハーン国の摂政であったスュユンビケは、イワン雷帝の侵攻に反抗して自分の名を冠した塔から身を投げた

9.タタール共和国博物館

 ヴォルガ地方最大の歴史文化博物館であり、タタール共和国で最古の博物館でもある。建物は昔のゴスチーヌイ・ドヴォールー屋内市場や商人宿を意味する歴史的なロシア語のことば―である。今日では、コイン、写本、初期の印刷本などのコレクションに加え、タタール文化の貴重な品々が展示されている。

10.カザン・ファミリーセンター 

 新しく建設されたこの独特の建物は結婚式場である。カザンカ川の堤に2013年にオープンした。屋上には2階建ての観覧席があり、そこからは町を流れる2つの川、クレムリンや旧市街、新市街を見渡すことが出来る。

 「ジラント」(=ユラン)― 伝説上の獣で竜とワイバーンの中間的なものー と子連れのヒョウ(タタール共和国のシンボル)が尊い家族を守るために立てられている。ファミリーセンターはカザンのパノラマ写真を撮るには最高の場所となっている。

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