ロシア語を習得すべき5つの理由

ロシア語
アレクサンドラ・グゼワ
 ロシア語はとても難解で、習得するのはほとんど不可能にさえ思える。しかし、強い動機を持つことさえができれば、より容易にすべての困難を克服することが出来る。ロシア語を始める良い理由になるものをここにいくつかご紹介しよう。

1.ロシアを大旅行する

 もしモスクワとサンクトペテルブルクに数日間旅行するだけなら、ロシア語の複雑な格変化を数年かけて学ぶ必要はないだろう。しかし、「シベリア横断鉄道」に乗ってバイカル湖に行くとか、カムチャツカ半島のようなロシア極東部に行くという場合には、言葉という点ではより大きな困難にぶつかることになるだろう。いくつかの言葉を覚えておいた方が役に立つ! 

 「長期にわたってロシアに滞在する予定なら、ロシア語を知っていれば本当に便利です」とロシア・ビヨンドの読者、キャロライン・クーパーさんは言う。「英語が通じるのはホテルくらい。ロシア人もいくらかは英語が話せるかもしれないが、それを街中で耳にすることはありません」。

2. ロシアでビジネスをする

 ロシアは多くの外国人にとって、魅力的な働き場所である。もちろん、ロシアの国際的企業で働くとか、最初から英語の専門家として雇われたのなら、慌ててロシア語を習得する必要はない。しかし、1で触れたように、特に首都でなく地方に住むとなると、仕事以外の日常生活において、言葉を知っているととても役立つ。

 しかし、ロシアで自分で会社を作ってビジネスを始めるとなると、ロシア語が話せることはとても重要になる。まず第一に、ロシア語でしか書かれていないロシアの法律と格闘しなくてはならないし、その次には、ロシア人を雇ったり、ビジネスパートナーを探さなければならないからだ。

 リトアニア出身のビジネスマン、ヨランタさんは、「ロシアにいようと、他のどの国にいようと、言葉が分からないと、何も出来ません。そこの言葉で客と話をしなくてはなりませんから」と言う。

 ロシア人パートナーとの「初めてのデート」を成功させる方法と、ロシア企業での面接に役立つ10の秘訣もご参考に。

3.ロシアの偉大な文学を原語で読む

 どんな翻訳も、たとえそれが批評家や学者によって称賛されていたとしても、しょせん翻訳である。アメリカの詩人で、ロシアの偉大な詩人アレクサンドル・プーシキンの翻訳家でもあるジュリアン・ローウェンフェルド氏が指摘するには、ロシア語ある、言葉の意味の感情的な陰影を表すため多数の単語が、英語にはそれほどない。たとえば、「brother(兄弟)」という言葉であるが、ロシア語には、brat、 bratok、bratishka、bratukhaという表現があり―すべて違った文脈で使われ、その感情を表す。 

 ロシア文学を読むと、気分が滅入っているときや人生最悪のときであっても、救われることが多い。メリー・ホブソンというある女性は、夫が死の床についているときトルストイを読んだ。そして56歳のときロシア語を学ぼうと決意し、94歳の今では数冊ものロシア語の書籍を翻訳するまでになった。

 ロシアの散文、とりわけ詩はあなたの前に新しい世界を開き、人生の意味を求める永遠の旅へと誘い、そして、人間の性の探求への糸口を与えてくれる。人生の意味を探すのに役立つロシア語の本8選をこちら。 

4.自分自身の中に新しい何かを発見する

 第一に、ロシア語の学習は頭の体操に最適であり、また忍耐力が試される。試練は長く続くが、果てしない規則や翻訳不可能な言葉、奇妙な音はあなたを決して飽きさせてはくれない。しかし、それ以上に、ロシアの人々の独特な精神(おそらく自分とはまったく違う)について知ることが出来、ミステリアスなロシア人の魂を理解するチャンスなのである。それがこれまで隠されて見えなかった自分自身の特性をもあらわにしてくれることになる。

 英国人俳優アンドルー・バイロンさんは、ロシア語を話すだけでほとんど別人格になってしまうと打ち明け、「英国人アンドルー・バイロンは、とても慎重で、シャイ。しかし、彼の中にはロシアの人格である「アンドレイ」が別に存在していて、こちらはより積極的で、おしゃべり好きで、冒険好きなのです。英国人の時はとても用心深く、”うーん、どうしよう・・・”となるのに、ロシア人になった途端、”よし、やってみよう!”となるのです」と話す。

5.友人を驚かせる(強盗も!)

 信じてほしいのだが、ロシア語で罵ることが出来れば、どの集まりにおいても輪の中心になれ、友人たちを楽しませ続けることが出来る。どんな原語で罵ってもいいと言っているわけではないが、これは事実である。

 また、ロシア語をいくつか知っていると、強盗から身を守ることも出来る。舞台コメディアンであるダン・ソダーさんが言うには、夜間に外出するのは嫌だったが、ある術を覚えた。それは、危険そうな人物を見ると、いんちきなロシア訛りで話しかけるというものなのだそうだ。

 本物のロシア語を話せばどんな効果があるか想像してみて!

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