ロシア人パートナーとの「初めてのデート」を成功させる方法

画像:ナタリア・ノソワ
 ロシア人たちは、非常に迅速かつ率直な議論を求めてくることが多い。その方が、この取引関係が時間を割く価値があるものなのかどうかが分かるからだ。ロシアに暮らしながらビジネス交渉人の経験を持つアンディ・フレッカが教えてくれる。

 もう19年間も、ロシアを「我が家」と呼んでいるアメリカ人として、ロシアのビジネスの代理として、私は、欧米の取引先と交渉するのがとても好きだ。

 最近まで私は、しばしば会議が始まって15分もしないうちに「彼らはお金を持っているのか?」という質問が行われることに、特別な注意を払っていた。この質問は、「彼らはサインする気があるのか?」とか「なぜわれわれが会っているのか彼らは理解しているのか?」という別の表現をとることもあるが、要点は同じだ。ロシアのビジネスマンは、その取引先が時間を割く価値のあるところなのかどうかを早く知りたいと思っているのだ。

 私がよく知らないだけかもしれないが、初めてのデートで女の子にプロポーズをするというのは、普通はいい考えだとはいえないということはわかるよ。だから、私はよく、ロシアの友人たちに、物事を急かさずに、単にプロセスを楽しむようにと奨めるんだ。

 残念なことに、初めてのデートで早々に誤解が生じると、素晴らしいロマンティックな関係になったかもしれないものを、終わらせることになりかねない。ビジネスでも同じなんだ。

 初めて会ったときに、「彼らはお金を持っているのか?」と質問することに始まって、私がロシアのビジネスのために働いてきた中で学んだ矛盾が二つある。

1. ロシア人は、時間を守るほうではないが、一端、会議が始まると、早く先に進めようとしたがる

 ロシア人たちは、非常に迅速かつ率直な議論を求めてくることが多い。その方が、その取引関係が時間を割く価値があるものなのかどうか分かるからだ。一方で、アメリカ人は通常、時間通りに打ち合わせに現れるが、信頼を築くプロセスを作ろうとする、それがロシア人に非常に不可解なほどに長く感じられる。問題は、ロシア人たちが、このプロセスを、欧米のパートナーたちの無関心のしるしと理解することだ。

2. ロシア人は官僚主義だということでよく知られているが、欧米諸国の取引先よりも自発的である

 さきほど挙げた要点に関して、欧米の人たちがこの協力関係に関心をもっていないなと理解した場合、ロシア人たちは、そのプロセスが終わるのを待たずに他のパートナー探しを始めることが多い。ロシアは世界を相手にしなければならないのだから、このことはひどく残念に思う。こういうわけで、私は、欧米の人たちとの関係の築き方をもっとよく理解するために、ロシア人との仕事にますます時間をかけているのだ。

 じゃあ、もしロシアの取引先とのタイミングが噛み合わないとしたら、何ができると思うか?初めてのデートが終わるいなや、判断を下したり、手を引いたりせずに、以下の点を考えてみてください。

欧米の観点もロシアの観点もどちらも、信じられないほど実利的…それも自分の流儀で

 あなたは透明性を求めている、かたやロシア側は仕事をゲットし、代金を支払ってもらえることを確認したいと思っている。幸いにも、この2点は互いに矛盾しないよね。

ロシア人は透明性よりも権限を重視する

 相手がどんな人物なのかをつかむための「世間話」をするよりはむしろ、こちらは何ができるのかを示して会議を開始するほうが、ロシア人たちを安心させることができる。「世間話」は、たいていはもっと後でするものだが、もしそれを交渉のきっかけに使ったとすると、ロシア人たちは困惑することも多いのだ。(逆に、欧米の人たちには、それが交渉を始めるやり方で、会議の始めには世間話を楽しんでリラックスしてもらうようにするものなのだとロシア人たちには教えている。)

ストーリー仕立てにして自社のプロセスを説明する

 私は最近、アメリカの会社とパートナーシップ交渉をしていたロシアの会社のために仕事をしていた。交渉に来たアメリカ人は、自分の会社がすでに中国とも同様の取り決めを成立させたことを、見事に説明してみせた。彼らが協力関係を築いていったプロセスを見せてくれて、それがすでに稼働していること、さらに、そのプロセスの長さがわれわれにもよく理解できるようにしてくれた。

そのプロセスを通過しロシアの取引先との関係を維持する

 もしあなたが黙ったままだったとしたら、ロシア人はあなたが興味を持っていないと理解し、他に可能性のあるパートナーを探すかもしれない。そうしたら、素晴らしい取引を失いかねない。

 ロシアはもちろん、天然資源、製造、技術を多く世界に提供している。さらに私は最近、ロシアには、教育システムや芸術、極めて刺激的な観光地があることにも興味をそそられている。

 だから、初めてのデートのときのささいな誤解のせいで、ビジネスにとって数年間も互いに有益な関係になる可能性をみすみす逃してはいけないのだ。

著者について

 アンディ・フレッカは、アメリカのオハイオ州で生まれ育ったが、この19年間、ロシアを「我が家」と呼んでいることを誇りに思っている。彼は、モスクワの不動産代理店Expat Flatの創業者でマーケティング部長であり、ここ数年は、ロシアと欧米の様々なビジネスを交渉する仕事を楽しんでいる。アンディは、ロシア語のブログ「アメリカ人」も運営しており、外国とのビジネス関係について頻繁に語っている。また『マトリョーシカ:外国人とのビジネス法』の著者でもある。

 

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