極東のシェフがオススメするタイガ料理5選

Pacific Russia Food
 エキゾチックなシダ類、マタタビ、森の木の実やキノコなど、多くの自然の恵みが、地元のシェフたちの手によっておいしい料理に変わる。

 ロシア極東では毎年秋になると、タイガフェストと呼ばれるフェスティヴァルが開かれ、ウスリースクのタイガ(極東南部の森林)で獲れる自然の恵みで作られた料理を試食することができる。今年のフェスティヴァルの参加者らが、ロシア・ビヨンドに珍しい料理のレシピを教えてくれた。

1. 白キノコを添えたウサギの足、クランベリーソースがけ

 ウラジオストクにあるレストラン「ミリオンカ」のシェフ、アレクサンドル・カザケーヴィチさんのレシピは、ウサギの柔らかい肉とタイガの森の白キノコと酸っぱいクランベリーと松の実が、理想的な形で組み合わされている。

材料:ウサギの足300g、白ワイン100ml、タイム10g、植物油50ml、ジャガイモ50g、ニンジン50g、グリーンピース50g、ブラックペッパー5g、生クリーム60g、スルグニチーズ30g、松の実10g、クランベリーまたはコケモモ50g、砂糖30g、ローズマリー5g、白キノコ50g、ハチミツ20g、生クリーム20g

作り方:下準備する。白ワイン、タイム、塩、ブラックペッパー、植物油を混ぜたものにウサギの足を入れ、8〜10時間漬ける。

 付け合わせを作る。ジャガイモ、ニンジンは皮をむいて一口大に切り、下茹でして、氷水につけておく。熱したフライパンに植物油をひき、ジャガイモとニンジンを入れたら、焼き色がつくまで炒める。グリーンピースと白キノコを加え、炒めたら、火を弱める。生クリーム、ブラックペッパー、白ワインを加える。野菜が柔らかくなるまで煮る。

ソース:鍋にクランベリー、砂糖、ローズマリー、水(100ml)を入れ、沸騰したら火を弱め、分量が2分の1くらいになるまで煮詰める。

 ハチミツとバターを混ぜたものをウサギの足に塗り、140℃のオーブンで20分焼く。耐熱容器に付け合わせとウサギ肉を入れたら、180℃のオーブンで5分焼く。一旦オーブンから取り出し、スルグニチーズをおろしたものをふりかけたら再びオーブンに戻し、チーズが焼けるまで焼く。松の実とクランベリーソース、タイムで飾る。

2. シダと松の実とベリー入りのビーツサラダ

 極東には食用のシダ植物であるワラビが生育している。5月から6月にかけて採取し、1年後に食べられるよう保存食にするほか、乾燥させたり、マリネにしたり、塩漬けにする。ここでは、カフェ「スタジオ」のブランドシェフ、タチヤナ・ルトフラエワさんが教えてくれた、「恐竜の親戚」と呼ばれるシダにビーツと森のベリーを合わせたサラダのレシピを紹介する。

材料:シダ100g、ニンジン30g、ビーツ30g、タマネギ30g、植物油20ml、しょう油20ml、ニンニク5g、ごま油20ml、砂糖5g、リンゴ酢10ml、コケモモ15g、松の実5g、ブルーベリー6g、ハーブ2g

作り方:ビーツは皮がついたまま柔らかくなるまで茹で、冷まして、皮をむき、千切りにする。シダは35分茹で、長さ5センチにカットする。ニンジンも千切り、タマネギは薄切りにし、植物油で炒め、シダと合わせる。みじん切りしたニンニクとしょう油を加える。粗熱をとる。シダが塩辛い場合は、水を換えながら6時間水に浸ける。

 ドレッシングを作る。しょう油とごま油を合わせ、砂糖、リンゴ酢を加えて混ぜる。千切りにしたビーツとシダにかける。お皿の上に盛り付け、松の実、コケモモ、ブルーベリーをふりかける。(ベリーは他のものでも代用できる)。最後にハーブを飾る。

3. 牛肉のシダとシイタケ添え

 極東にある有名なアジア料理レストラン「Zuma」のブランドシェフ、エゴール・アニシモフさんが紹介してくれたこのレシピは、先住民族の伝統とアジアの隣国の伝統を融合させたものである。牛肉は韓国のカルビソースに漬け、かつて中国や日本の皇帝の食卓に上っていたという東南アジアで人気のキノコ、しいたけを添えて出す。

材料:牛肉(ブリスケット)600g、カルビソース100g、しいたけ125g、シダ300g、赤タマネギ100g、ネギ30g、パプリカ(赤)100g、パプリカ(黄)100g、松の実25g、植物油100g、エビしょう油500g、塩5g、砂糖15g、水2l

作り方:牛肉のブリスケットは厚さ2mm、幅23センチにカットし、カルビソースに30分漬ける。

 乾燥しいたけは30分水に浸けたあと、エビしょう油、塩、砂糖を入れた水に入れ、弱火で60分煮る。

 パプリカ、ニンニク、赤タマネギは薄切りにする。もどしたシイタケも薄くスライスする。野菜は焼き色がつくまで植物油で炒める。シイタケも炒めて、野菜と一緒にザルにあげる。

 カルビソースに漬けた牛肉を焼き(直火焼きでもよい)、野菜と合わせる。次にシダを炒め、そこにすべての材料を混ぜ合わせ、塩で味を調える。

 松の実で飾り、サーブする。

4. スーヴィード鶏肉とアンズダケとスグリソースのブルスケッタ

 チェーンレストラン「トーキョー」のブランドシェフ、セルゲイ・トツキーさんは、タイガの森の朝にぴったりな朝食として、カリカリのパン(竃から取り出したばかりのような)とみずみずしいアンズダケと柔らかいクリームチーズ、そして鶏の胸肉のブルスケッタをオススメしてくれた。赤スグリとスグリのソースが森の香りを一層深めてくれる。

材料: チャバタ70g、クリームチーズ40g、スーヴィード鶏胸肉50g、赤タマネギ10g、アンズタケ50g、トリュフオイル1.5g、赤スグリ100g、水100g、砂糖15g、塩少々、バター20g

作り方: チャバタは中くらいの大きさに切り、両面を焼く。クリームチーズを塗り、上に薄く切った鶏肉を乗せ、その上にニンニクとトリュフオイルで炒めたアンズタケを乗せる。スグリのソースをかけ、新鮮なスグリを飾る。

スグリソースの作り方:スグリを水と砂糖と一緒に煮て、塩少々とバターを加える。

5. アボカドのクリーム、アスパラガスとマタタビ添え

 みずみずしく、インパクトのあるこの料理は、とても体に良い極東のマタタビの実を使って作る。ブドウのような甘さと、皮のないキウィのような外見とビタミンCの豊富さから、「キシミシ」と呼ばれている。ガストロバー「Gusto」のブランドシェフ、エゴール・ニコラエフさんは、このマタタビをおしゃれな野菜であるアスパラガス、アボカド、エダマメと合わせた一品を紹介してくれた。

材料: アボカド50g、皮をむいた枝豆20g、アスパラガス20g、極東マタタビ20g、チキンブイヨン50g、バター20g、塩1g、タイム1g、大豆油10g、バジリコ1g、レモン汁4g、グルコース3g

作り方:アボカドのクリームを作る。アボカドは皮と種を取り除き、レモン汁とグルコースと合わせ、ブレンダーでなめらかにする。ブレンダーにかけたものを濾し器で濾す。

 アスパラガスソースを作る。アスパラガスは23センチにカットし、大豆油で焼き色がつくまで焼く。枝豆、チキンブイヨン、塩、バターを加える。どろっとするまで中火で煮る。

 アボカドのクリームをお皿に置き、上にアスパラガスソースを乗せる。マタタビは輪切りにし、ソースの上に置く。タイムと大豆油を混ぜ、上からかける。バジリコの葉を飾る。

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