ロシア北部とプリモーリエ(沿海地方)の超衝撃的料理

Legion Media
 寒い地の果てでは人々は何を食べているのだろうか?実は、ロシアの少数民族は、かなり過激なものを食べている。この記事には、生々しい料理の描写と画像が含まれている。衝撃や不快感を与える可能性があるため、ご注意いただきたい。

モシ 魚のゼリー

釣りをするウデへ人

 魚がたくさん収穫できるところでは、魚でデザートまで作ってしまう。そんなわけで、魚の鱗と皮を使ったゼリーができるのも当然のことと言える。ウデへ人(2010年時点で人口1,500人)のゼリーの作り方は次のようなものである。サケの皮を乾燥させ、鱗をとり、牛乳を加え、弱火でゼリー状になるまで煮る。ゼリーはこれでほぼ完成なのだが、これを熱いまま器に入れ、ベリーや砕いたナッツやドングリを入れ、冷ましていただくのである。

キヴィアク 鳥を詰めたアザラシ

 少し心の準備はできただろうか?次に紹介するのはエスキモーたちのかなり独特なお祝いの料理である。これは珍味であるだけでなく、長い極夜の時期に生き延びる助けとなる北極圏の保存食である。

 作り方は次の通り。アザラシまたはセイウチの頭を落とし、体の中に小鳥を詰める。ちなみにアザラシも小鳥も内臓除去はしない(小鳥は羽根もついたまま)。アザラシの皮に切り目を入れて脂身を塗り、低温の穴に入れて、重石をし、半年から1年半「保存」する。この間に中に詰めた小鳥は、アザラシの腸の助けを借りて発酵する。 

 その後、アザラシを穴から掘り出し、鳥を取り出し、食卓で羽根をむしりながら、食べる。独特な強いにおいがあることから、外で食べるのが一般的だという。ちなみにアザラシ1頭に最大で400羽の小鳥が入るのだそうだ。

ヴィルムルィムート 発酵させた血 

 この発音しにくい北方の料理は、トナカイの臓物で作る濃厚な血のスープを指す。蹄、枝角、唇などをよく炒め、鍋に入れ、水を加えて、苦味が取れるまで3〜4日置いてから、火にかけ、柔らかく、どろっとするまで煮る。スープが冷めたら、細かく刻んだ肝臓や腎臓を入れ、新鮮な血を加えたら、革製の袋か鍋に入れて混ぜ、しっかりと蓋をして、暖かい場所に置いて発酵させる。スープは1ヶ月か1ヶ月半後に食べることができる。

カヌィガ トナカイの胃の内容物 

 チュクチやコリャーク、エスキモーの料理でカヌィガと呼ばれるものを手に入れることはきわめて難しい。カヌィガは実際、調理するものではなく、トナカイの胃の内容物を指す言葉なのである。 

 トナカイを殺した後、すぐに胃を取り出し、そっと切開し、まだ暖かい消化しきっていない草、ハナゴケ、キノコなど、トナカイが食べたばかりのものを取り出す。この胃液の中に入っているものこそがカヌィガと呼ばれるものである。そこにコケモモやブルーベリーを加えていただく。カヌィガは脂っこい食べ物や肉料理の消化によいとされているほか、ツンドラ地帯では手に入れにくいビタミンが豊富なのだという。 

ムヌィチェブケチ 発酵させた魚のお頭 

 ムヌィチェブケチあるいは発酵させた魚のお頭は、エヴェンキ人の伝統料理である。サケ科のどの魚からも作ることができる。目は取り、エラとアゴも取り除いたら、イクラと一緒に密閉容器に入れ、数日置いておく。食べたことのある人によれば、ザワークラウトのような香りがするとのこと。

クユクタ アブの幼虫

 これはおそらく、北方の先住民族たちが食するものの中でももっとも「強烈」なものであろう。クユクタはトナカイを苦しめ、トナカイに寄生するアブの幼虫のことである。アブのメスはトナカイの毛の中に卵を産みつける(卵は毛にしっかりと付着する)。そして数日後、卵は幼虫になり、皮の中に潜り込んで、数ヶ月そこで成長する。卵を産みつけられたトナカイは猛烈な痒みに襲われ、皮には喰われた穴が開き、組織が壊死したり、ひどいときには命を落とすこともある。そこで、幼虫を食べるというのは、トナカイの命を救うと同時に、タンパク質の補給もできることなのである。遊牧民たちは夏の半ばからクユクタを食べる。

アクタク エスキモーのアイスクリーム

 本物のエスキモーのアイスクリームは、チョコレートでコーティングされた棒付きのプロムビールではない。本物のエスキモーアイスは、トナカイ、セイウチ、アザラシの脂身にベリーやときに砂糖を加えて、泡だてたものである。「アクタク」という言葉は「混ぜたもの」という意味を持つ。

 アクタクのレシピを一つご紹介しよう。小さく刻んだトナカイの脂身を弱火にかける。そこにフイリアザラシの脂身を煮たものを加え、しっかり混ぜる。次に、フレッシュなベリーまたは冷凍ベリー(ホロムイイチゴ、ブルーベリー、クロウベリー)を加えてさらに混ぜ、そこに溶けかけた雪を入れて混ぜ、冷蔵庫に入れ、凍ったら出来上がり。

コパルヒン お腹を空かせた沼の中のトナカイ 

 もっとも危険の北方の珍味。余所から来た人たちが食べると、食中毒を起こしたり、死亡することもある。これは発酵させたトナカイ、アザラシ、セイウチの肉で、最低半年間、沼または永久凍土帯に埋めて作る。トナカイで作る場合(ネネツ人の伝統料理)、トナカイは、胃の中をきれいにするため、数日間食べ物を与えずに置いておく。それから、皮に傷を残さないため窒息死させ、沼に埋める。 

 この間にトナカイは分解しはじめ、微生物がつき、肉の成分を少しずつ変えていく。このときに有毒成分を出す。地元の人々は、幼い頃からコパルヒンを食べているため、この食べ物に対する耐性があるが、そうでない人たちは食べない方がよい。

*コパルヒンについてもっと詳しくはこちらからどうぞ

マンタク 鯨の皮

 これは単なる皮ではない。保存用に作られた、ピンク色の脂身の層がついた鯨の皮である。マンタクは生の状態で肉の中に詰めるか、茹でてから、イワンチャイの葉を入れた樽に入れ、水を入れておいて、冬に備える。マンタクは外で売られてはいない。食べられるとしたら、チュクチの人々にご馳走してもらうしかない。国際捕鯨取締条約に基づき、ロシアで鯨の捕獲は北方の民族が、個人で食べるためだけにしか許されていない。

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