カフカス地方は多くの人が100歳もしくはそれ以上長生きすることで知られている。そんな長寿の人々の中でよく知られるのがマゴメド・ラバザノフさん。ダゲスタン出身であり、2012年に122歳で亡くなった。
ロシアの長寿の人、マゴメド・ラバザノフさん。1890年3月1日に産まれた。
ロシア人の平均寿命が72歳程度であるのに対し、カフカス地方にある共和国(イングーシ、ダゲスタン、カバルディノ・バルカルなど)の平均寿命ははるかに高い。例えば、2017年の統計によれば、イングーシの人々は楽に80歳まで生きる。できるだけ長く活動的で元気でいるためにどうすればいいのか、その秘訣を彼らに学ぶ価値はあるだろう。
より長く、より健康で、より幸せな生活を送るのを助けてくれる食べ物をリストアップしていくことにしよう。
この地域の人々は何世紀にもわたって牛と羊を飼ってきていることから、牛乳や乳酸飲料は毎日口にする食品の一つである。
新鮮な牛乳、沸騰した牛乳、また乳酸飲料を飲む。牛乳にハチミツを加えておいしい飲み物を作るが、乳酸飲料の最大の秘訣は、アイラン、マツォーニ、ナリネといった特別な発酵体を使うことである。
おそらく、これが健康的な腸内細菌を作り出し、ガンのリスクを軽減するのである。
カフカス地方のチーズは、フランスのものほど種類は多くないが、それでも同等に誇れるものである。もっとも有名なのが塩味のスルグニ。サワーミルクチーズはアジカ(カフカス地方のスパイシーなディップ)とミントの葉、コリアンダーと混ぜることができる。
カフカスのチーズは何がそんなに特別なのか?それは脂肪分が20~30%しかなく、吸収しやすいのである。
カフカス地方の主食は水分少なめの粥である。ママルィガというのはトウモロコシの粉から作られたもので、パンと同じくらい一般的なものだ。ママルィガには油やサワーミルクチーズを加えることもある。
トウモロコシは大人や子どものデザートにもなるが、チュレクはハチミツで甘くしたり、チーズやクルミを詰めるトウモロコシ料理である。
トウモロコシは必須アミノ酸のトリプトファンが少ない。複数の研究によれば、トリプトファンの摂取が少ないと、若年層では死亡率を高める可能性もあるが、寿命を延ばすことができるとされている。
カフカス地方の人々は羊肉、牛肉をよく食べるのだが、ヒンカリというおもてなし料理がある。これは羊肉入りの小籠包のような料理である。その他の伝統的な料理といえばフライドチキンや鶏の串焼き、茹でた鶏肉にアジカをつけたもの、そしてハーブが入ったナッツソースの鶏肉シチューなどが有名だ。
カフカスの人々は野菜をたくさん食べ、豆、コールラビの葉、ビーツの葉、キャベツを使った料理を作る。サラダのドレッシングにはアジカやクルミ、それにコリアンダー、ディル、パセリなどが使われる。
アジカはテーブルによく用意されるスパイシーなソースで、赤唐辛子(1/4)、にんにく、塩、ハーブで出来ている。スパイシーな食べ物は血圧を正常にし、血液の循環をよくする作用がある。
地域を旅しているとたくさんのクルミの木を見かける。そこで地元の料理にクルミが広く使われているのも驚きではない。クルミはサラダに、肉料理に、ソースに、ケーキやパンに、乳製品に加えられ、クルミオイルも使われる。クルミは牛肉の7倍カロリーがあり、健康に必要なタンパク質、脂肪酸、炭水化物、アミノ酸を含んでいる。
カフカスを旅行したら、チュルチヘラをお土産に持ち帰る人が多い。これはナッツと小麦粉、それにブドウかザクロのジュースで出来たおいしいデザートだ。またカフカスの人々は加工されたお菓子よりも、ハチミツ、バクラヴァ(ナッツの入ったパイ菓子)、ハルヴァ(穀物、胡麻、野菜、または果物に油脂と砂糖を加えて作られる菓子)、そして甘いフルーツをよく食べる。
カフカス地方では多くの家庭で赤ワインが作られている。長生きするには毎日グラス3杯の赤ワインを飲まなければならないというジョークがあるくらいである。
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