ロシア民族舞踊のガイド:あなたも自宅でトライしてみよう――ただし家具を移動して

Vladimir Vyatkin/Sputnik
 それは、実に陽気で壮観で、元気をくれる。それを見る人はただもう見惚れるだけだろう。ロシアの代表的なダンスは何か、なぜ人々は踊るのか、そしてどうすればマスターできるのか?

 それは、実に陽気で壮観で、元気をくれる。それを見る人はただもう見惚れるだけだろう。ロシアの代表的なダンスは何か、なぜ人々は踊るのか、そしてどうすればマスターできるのか? 

 「疾走する乗り物を好まぬロシア人がいるだろうか?」。19世紀の小説家ニコライ・ゴーゴリは長編『死せる魂』にこう書いている。これにこう付け加えてもいいだろう。「速い乗り物と賑やかなダンスが好きでないロシア人がいるだろうか!」

 歌とエネルギッシュなダンス抜きには、陽気なロシアの宴席やパーティーは想像できない。なるほど、この傾向は最近ではあまり目立たないが、ロシア人の血の中には依然それがある。

ロシアの代表的フォークダンス

 これらの踊りのパフォーマンスと動きは、地域によって異なるが、いくつかの基本的なタイプがある。そして、それらがロシア中に広がってから何世紀にもなる。

  最も有名なロシアの踊りの一つがホロヴォード(輪舞)だ。人々は手をつないで、輪になってぐるぐる回る。この踊りは、すべての東スラヴ諸国に共通しており、ふつうスラヴ(および異教)の祝祭に捧げられていて、儀式的な意味がある。

 今日では、ホロヴォードの改良版「ルチェヨーク」も、ロシア人の間で人気がある。これは一種の「ゲーム」だ。人々が2列になって、手を挙げてアーチを形作り、そこをペアの踊り手が駆け抜ける。

 ホロヴォードは今でも人気があり、例えば、新年のツリーの周りで子供たちが踊る。

 プリャースカと呼ばれる、文字通り「ダンス」を意味する、さまざまな即興ダンスもある。人々は大抵これを、お祭りの機会や大規模な市場のイベントなどで踊った。しゃがんだり、手拍子したり、足踏みしたりするのが主な動きだ。男性と女性は、お互いに触れずに踊り、他の人は見物して拍手したり、歌ったりする。

 女性はハンカチを持って、白鳥のようにスムーズに動くことが多く、一方、男性は、大きな動作と跳躍を織り交ぜながら、熱狂的に踊りまくる。

 一部の民族、社会集団には、独自のプリャースカがあった。例えば、コサックは、陽気で威勢のいいコザチョークを踊った。

 水兵には、ヤブロチコという踊りがある。それは主に、しゃがむのと(スクワットの動作と)、足をまっすぐ突き出す動作とで構成されている。これらの要素は、戦いのある面を象徴している。

 19世紀には、踊りと歌の「革新」が行われて、人気が高まり、いわば「フォーク」とみなされるようになった。例えば、男性は、ミハイル・グリンカ作曲の「カマリンスカヤ」でよく踊った。そのため、このタイプのいわゆるスクワットダンスが、カマリンスカヤと呼ばれるようになる。

 バールイニャ(女主人を意味する)も面白いダンスだ。これは、もともとは、女地主と農奴の対立関係のパロディーで、陽気な踊りである。長年の間に、エネルギッシュで楽しいダンスになり、ふつうはアコーディオンで伴奏した。1911年の実録の動画に、そのようすを見ることができる。

 ロシアのカドリールについて触れないのは、もちろん不公平だろう。これは、フランスの宮廷にルーツを持つダンスだ。ピョートル大帝の改革にともない、18世紀初めにロシアに入ってきた。ピョートルは、ヨーロッパの衣装、マナー、宮廷の儀式をまとめて一気に採り入れている。

 しかしその後、このダンスは下層階級にも広がり、フォークダンスに変わった。この庶民版カドリールは、ペアで行われることが多く、パートナーを次々に変えて、広場を移動していく。

ロシア古来の民族舞踏をソ連はいかに受容したか

 農民は、異教時代から20世紀半ばにいたるまで、自分の村で踊っていた。しかし、1930年代にフォークダンスは変容する。それ以前の民族舞踏は、いろんな要素が雑然としており、農民の日常生活の一部だった。だが、ソビエト当局はアマチュアのダンスを変革して、極めて高いレベルに引き上げ、西側での公式イベントにおける、ソ連の主なコーリングカードの一つにした。 

 最初のプロの民族舞踊団は、伝説的なダンサー兼振付師のイーゴリ・モイセーエフによって1937年に設立された。現在、この団体は、イーゴリ・モイセーエフ・バレエと呼ばれ、海外ツアーの過密さでロシア有数の団体になっている。

 彼らは、ロシアの踊りだけでなく、ソ連のあらゆる民族舞踊、さらには、シシリアン・タランテラやアルゼンチンの羊飼いの「ガウチョの踊り」など、世界中のフォークダンスにも焦点を当てている。

現代のフォークダンス

 イーゴリ・モイセーエフ・バレエのほか、有名な民族舞踊団としては、ベリョースカ(白樺)グジェリ、ロシア連邦軍の公式音楽団「アレクサンドロフ・アンサンブル」などがある。彼らは、ロシアの檜舞台で、管弦楽の伴奏でパフォーマンスを披露する。

 これらのフォークダンスの修業は、バレエ学校のそれに匹敵する。ただ、バレエダンサーは、柔らかい靴とトウシューズを履いてバレエを習うが、ロシアのフォークダンサーは、タップダンスで使われるのと同じ特別なブーツで訓練する。

 これらのプロの民族舞踊は、信じられないほど複雑であり、強靭な体と制御能力、そして完璧に正確な動きが必要だ。しかも、それはチームワークを含んでいる。つまり、自分の周りだけでなく背後にも目を配り、他の人の動作を確かめ、何十人ものダンサーが信じ難い動きをしている間、それにピタリと合わせなければならない。

 プロのフォークダンサーになるには、幼い頃からダンスを始め、ダンススクールで学び、演劇学校のダンス科や振付科で学ぶ必要がある。そして最高のパフォーマンスを発揮する団体に入るには、サッカーのプロに匹敵するような最高レベルに達しなければならない。

 もちろん、あなたは自宅で踊ることもできる。でも、テーブルその他の家具を移動することを忘れないで!

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