「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」。これは、もっとも感動的でもっとも多く上映されたロシアの古典的作品のひとつである、レフ・トルストイの長編小説の冒頭の言葉だ。『アンナ・カレーニナ』は、ハリウッドの古典的なシナリオによって書かれたようにも見える。30歳の美しい女性が、愛のために、社会的な禁忌を犯し望みを叶えようとするのだが、最終的には、自分の命で贖うことになる。この小説は、ロシアや諸外国の映画監督らによって何度も映画化された。ソフィー・マルソーが主演した1997年の作品は、大部がサンクトペテルブルクで撮影され、一部をメル・ギブソン・カンパニーが製作している。いくつかの場面は、モスクワでも撮影が行われた。例えば、ノヴォデヴィチ修道院での中世モスクワの壮大な建築物などがある。
『戦争と平和』は、1913年以降、何度か映画化されてきた叙事的な長編小説である。この作品は、ナポレオンのロシア侵攻前、侵攻中、そして侵攻後にわたる四つの貴族家庭の物語を描いたものだ。1956年にはオードリー・ヘプバーンがナターシャ・ロストヴァ役を演じ、すぐさまハリウッド映画で必見のもののひとつになった。
アレクサンドル・プーシキンによって執筆されたロシアの古典作品を元に創作されたこの映画は、サンクトペテルブルクで撮影された。映画のプロットは、原作のストーリーとはかなり異なっており、評価は賛否両論だ。しかし、オネーギン役のレイフ・ファインズとタチヤーナ役のリヴ・タイラーの注目の演技、とりわけ、凍ったネヴァ川で二人がスケートをするシーンを思い出す人もいるかもしれない。
この映画はフョードル・ドストエフスキーの小説を元にしたもので、19世紀末を舞台にカラマーゾフ家の緊迫した人間関係が描き出されている。家長のフョードルが遺産の相続人を決めようとし、息子たちの間に葛藤が生じる。暴力行為が、名誉や良心、赦し、贖いの試練といった結末をもたらすことになる。
フョードル・ドストエフスキーの短編『百夜』にインスパイアされた、やさしくて感動的なこの映画は、隣の部屋に住む女の子に恋してしまう若者の物語だ。だが、両親は息子を別の女性と結婚させたいと思っており、そのために主人公は、両親と真実の愛のどちらに誠実であるべきか苦悩するのである。
この壮大なロマンスは、ロシア革命の時代を舞台としている。デビッド・リーン監督の『ドクトル・ジバゴ』(1965年)は、オマー・シャリフとイギリスを象徴する女優ジュリー・クリスティが出演し、映画史上最大のラブストーリーのひとつとなった。アカデミー賞5部門で受賞している。
医学生のユーリー・ジバゴは、美しいラーラと出会い、人生を変える運命的な恋愛へと突き動かされる。『ドクトル・ジバゴ』は、旧体制や革命後の国内戦の様々な策略によって生じた、極めて人間的で情熱的な関係を描き出している。
伝説の監督スタンリー・キューブリックによって撮られたこのモノクロ映画は、ウラジーミル・ナボコフの小説を元にしているのだが、実のところ、ナボコフは脚本家でもあったのだ。作品は、中年の教授と未成年の少女の関係をめぐる物語だ。キューブリックは、原作の中の問題を孕む部分はいくつか設定を変えている。例えば、少女の年齢は12歳から15歳に引き上げている。さらにキューブリックは、出来事の順序もいくつか変更を加えた。
ヘンリー・コスター監督のこのミュージカル・コメディーは、ニコライ・ゴーゴリの戯曲を元にしている。若い行商の男が腐敗まみれの町にやってくる。市長とその一派は、この訪問者は検察官で、賄賂をもらおうとしているのだと信じこんでしまう。ラストではすべてが明らかになる。
この映画は、外国で制作されたアントン・チェーホフの戯曲の中で最も優れたものと評価されている。物語は複雑だ。メドヴェージェンコはマーシャを愛しているが、マーシャはトレープレフを、トレープレフはニーナを、ニーナはトリゴーリンを愛しているのだが、トリゴーリンは誰も愛してはいない。世界的に有名なこの作品は、人間的な魂の無関心、崩壊、そして愛の物語である。
キルステン・ダンスト主演の恋愛物語は、イワン・トゥルゲーネフの小説『初恋』とアントン・チェーホフの『女房ども』を元にしている。若者が隣の部屋の女の子を好きになるのだが、彼女のほうは彼の父親に恋してしまう。この映画は、カメラマンのデヴィッド・ワトキンの遺作となった。
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