1. ヴィクトルさん、ドキュメンタリー映画製作者、アメリカ・ニューヨーク在住
私はモスクワの地下鉄が大好きです。美しく清潔で、時間通りに来ます。駅のいくつかはヴェルサイユ宮殿みたいで、本当の歴史的記念碑でもあれば美術館でもあります。スペースがあり、十分な余裕があります。次の列車が1〜2分で来ると当てにできるし、週末も、各路線は正常に運行しています。
残念ながら、このタイプの「贅沢な」公共交通機関は、ニューヨークでは利用できません。地下鉄の遅れは最悪で、常に工事中。どの日も、ちゃんと動くかどうか分かりません。おかげで、私はどこへ行くときも遅刻しています。ゴミに覆われた汚く狭いプラットフォームで30分も待っていると、みじめな気持ちになることがあります。
2. イリーナさん、マネージャー、イスラエル・ハイファ
イスラエルにいて懐かしいのは、モスクワの24時間営業の店、映画館、素敵な服装をした人、面白い装飾のある、独自のコンセプトで造られた建物や道路などです。でも、ここにも長所があります。いつでも夏ですから!
あと、モスクワでは、幼い子供たちは、建物の中庭でさえ、いつでも大人がついていなければなりませんが、ここでは、私の小さな娘を仲間たちだけで散歩させることができます。
3. ユーリアさん、ドクターコースの大学院生、ベルギー・アントワープ
これまで私が暮らした国ではどこでも、ロシアの店を見つけたので、食べ物については問題ありません。でも私は、まだお母さんのボルシチがとても恋しい!本物のビーツを見つけるのはほとんど不可能です。
あと私は、本を買うこと、ロシア語の印刷された本を読むのが好きです。それが難しいのでとても寂しい。で私は、ロシアの書籍や雑誌を友人に持って来てもらうように頼んでいます。
4. オリガさん、PRコンサルタント、ドイツ・ベルリン
何よりも私は、友人と会えないこと、恋人とおしゃべりができないこと、“勝手気ままさ”が欠けているので寂しい!ドイツでは、ロシア人でさえ、期限を切って、プライベートライフを組み立てています。予定を立てずに、カフェでいきなり友達と出会っておしゃべりなんてことはまずありません。
私はまた、とくにサービスの分野でのロシア人の“柔軟性”が懐かしくなります。「私たちはこれをこのようなやり方でやります。他の方法ではしません」とドイツではよく言われます。
5. マーシャさん、ジャーナリスト、オーストラリア・シドニー
私がモスクワで一番懐かしく思うのは、その公園、とくにゴーキーパークです。世界中のどこにも、このような公園を見たことがありません。モスクワの公園の大部分は、「文化とレジャー」の公園と呼ばれていますが、実際その通りで、広大な公園を楽しむだけでなく、屋外の映画館で映画を観たり、タンゴクラスに参加したり、美術展を見たり、素晴らしい建築に見とれたり、コンサートを聴いたり、マスタークラスに参加したり、素敵なレストランでエネルギーを補給したりできます(あるいは屋外の売店でストリートフードを食べたり)。その他いろんなアクティビティを夏も冬も楽しめるんです。
私が住んでいた他のほとんどの都市では、公園は、きれいな芝生の屋外エリアですが、エキサイティングな楽しいものは、あまりありませんでした。
私は、ロシアの大都市の中心にある広い大通りが恋しい。それは、余裕と広大さの感覚を与えてくれます。それから、いくつかの食べ物も懐かしいのは確かです。
そして、特別に恋しいのが、私の可愛いフランスのブルドッグ「ピエール」です。
6. アレクサンドラさん、PRコンサルタント、シドニー
私は本当に、私の街モスクワ特有の匂いが懐かしいです。自分のコネのおかげですべてがすぐに片付いてしまう、モスクワのルーティンを懐かしんでいます。私の厳しい母と慣れ親しんだ社会環境が懐かしい。
私は夜通しのパーティーも恋しいとは言いませんが、それが絶対にできないこと、いつでも友だちに会うわけにはいかないことは、やはり辛いです。奇妙に聞こえるかもしれませんが、ありふれたロシア語のざわめきが懐かしい気がします。
私の新しい移民としての地位で、もう一つの重要なのは、週末にどこかに出かけようとするとあまり自由が利かないことです。距離と法外な税金と物価のせいです。モスクワに比べて、シドニーでは、スピード、アイデンティティ、そしてスタイルがより必要なようです。でも、オーストラリア人が言うように、「心配しないで!」
7. ナタリアさん、ジャーナリスト、東京
私は冬のセントラルヒーティングが懐かしいです!日本のアパートは寒いくらい。ロシア人は家が暖かいのにすっかり慣れていて、夜は窓を開けて寝るほどです。
それから、最初の頃はロシア料理が恋しかった。黒パンとかキュウリのピクルスとか清涼飲料水のクワスとか。でも今は、それなしで済ますのに慣れてしまったので、もうだいじょうぶですけど。
8. エヴゲニーさん、マーケティング専門家、ロンドン
私は何よりも友だちが懐かしい。世界のどこでも友だちはつくれるけど、ロシア人の親友はいつでもユニークです。お互いの理解の仕方、ユーモアのセンス、一口話やジョークなど、何でもどこか特別なものがあります。
9. アルトゥールさん、アート・コンサルタント、オランダ・アイントホーフェン
海外在住のロシア人は、ロシア語を懐かしんでいます。帰国すると、周りの誰もがロシア語を話している、その快感にすっぽり包まれ、あらゆるディテールのニュアンス、色合いと濃淡がはっきりしてきます。
あらゆる新しいスラングの言葉や言い回し、時に繊細にさえ感じられるマート(卑猥なののしり言葉)、忘れられた、あるいは新しいアネグドート(小話)、時ならぬ大げさな詩や乾杯の辞、そしてロシアのフォークソング…これらすべてが嬉しくてたまりません。
同胞たちとのエモーショナルな会話、激しい感情、メランコリーの“発作”、陰険な陰謀、思い切り傲慢なインテリたちなど、西欧のストレートさとは対照的に、“行間を読む”必要があるんです。
10. カーチャさん、デジタルストラテジスト、パリ
私はあの特別なモスクワの雰囲気、その空気、通りの騒音、そして私の人生最初の21年間と結びついている大通りが懐かしいです。
私はまた、モスクワの冬と午後3時になると街に満ちてくる黄昏が恋しい。霜でピリピリする空気と明るい街灯が、地下鉄に急ぎ足で向かう人々が、スカーフで頭を包みトラムを待っている女性たちが懐かしい。
そしてもちろん、雪が――モスクワの冬のぬかるみでさえ――懐かしい。冬のスポーツも、リンクでのスケートや公園でのスキーを思い出します。
あまり詩的ではないものとしては、トヴォローグ(カッテージチーズ)とスメタナ(サワークリーム)が懐かしいです。それで家に帰ると、スィルニキやヴァトルーシキなど、あらゆるロシアのチーズ製品に夢中で飛びつくんです。
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