モスクワの公共交通機関はWiFi革命の最初の場所となった。今では地下鉄のすべての車両、バス、トラム、トロリーバス、多くの近郊列車、モスクワ中央環状線の駅と車両で無料のインターネットが利用できる。つまり、今やどんな乗り物に乗ってもインターネット回線があるというわけである。
しかし個人接続するには個人の認証が必要である。これはロシアの法で定められていることであり、どこで接続しようと同様である。ただし一度、認証すればその後はいくらでも好きなだけ使用することができる。
・初めてモスクワのネットワークMT_FREE(モスクワの交通機関)に接続しようとすると、自動的にロシアのWiFiのオフィシャルサイトwi-fi.ru.に繋がる。
・電話番号の国番号、続いて電話番号を入力する。
・すぐに携帯電話に4桁の番号を知らせるショートメッセージが届くので、その番号を入力する。
・認証終了後、ブラウザを開き、「接続する」をクリック。
・自分の電話番号を持っている必要がある(ロシアの番号でなくてもかまわない)。電話番号がないと無料回線には接続できない。
街中のWiFiももう一つの確実な選択肢である。第3環状道路の内側に1000を超えるWiFiスポットがある。通りはもちろん、ボリショイ・カーメンヌィ橋やボリショイ・モスクヴォレツキー橋にもある。つまり、モスクワの中心部のどこにいてもほぼその全域で無料回線に接続できるのである。
WiFiスポットをもっと簡単に見つけたいという場合は、公園のWiFiスポットの場所がわかるインタラクティヴマップや、通りのWiFiの場所がわかるマップを使って、住所や接続範囲を確認するといい。
こちらも無料。ロシアでインターネット料金を求める飲食店はほとんどない。ただし、店で何かオーダーする必要はある。いずれにしても、座って好きなだけネットを楽しむことができる。パスワードの入力が求められる店もあるが、その場合はレシートに書かれていることが多いのでチェックするか、店員に尋ねるといい。
数百万のモスクワっ子が毎日、この公共WiFiに接続しており、オペレーターはすべてのデータは守秘されているという。
しかし確実な安全などないことを我々は知っている。
何者かが有名なネットワークになりすまし(ネットワーク名をほんの少し変えた名称を使って)、知らずにそのネットワークに接続した人の情報を盗み取るという犯罪が横行している。そのほか、データベースの流出などの問題も多々ある。
サイバーセキュリティの専門家らは、こうした問題に巻き込まれないためには、怪しいネットワークは使わない(パニックを起こして、表示されるネットワークに片っ端から接続するなどということはしないように)、VPNサービス(ロシアでは禁止されていない)を利用しない、またできればモバイルのインターネットに接続しないようにと助言する。
もうひとつ、ロシアのSIMカードを誰かから買うのは絶対にやめた方がよい。SIMカードは携帯電話のショップでパスポートを基に登録しなければならない。主要な接続会社なら、ビーラインにも、MTSにも、メガフォンにもテレ2にも、格安でインターネットが使えるパケット通信サービスが色々ある。
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