モスクワ、2月9日から18日まで
射的や橇滑りをする
コロメンスコエ公園には、ルーシの伝統的な防御施設である要塞集落が建てられます。これは高さ9㍍ほどの木の要塞で、10日間、周囲や内部で射的ができる。
コロメンスコエ公園ではしばらくの間、橇滑り用のトラックも開設される。主催者側は“本物の”橇を約束してくれる。よもやスリコフの絵画『モロゾワ貴族夫人』に描かれたようなものは出てこないが、それに近いものを期待できる。
橇滑りの代案はクルジャーロだ。これは木製のメリーゴーランドの原型で、大きなブランコかミニ観覧車のようだ。
ロマノフ家の時代に飛んでクロケーで遊ぶ
革命広場では皇帝アレクサンドル1世の統治時代が再現される。まさに彼の治世、1812年のナポレオン戦争での勝利後に、マースレニツァ祭は現在の形になったのだ。
プログラムにはクロッケー(そう、不思議の国でアリスがプレーしたあのゲームだ)やセルソーという、輪を宙に投げ、専用の棒で取るゲームがある。ところで、同じ広場で19世紀の作法学校も開かれる。理想的なお辞儀を披露するチャンスだ。
参加型の劇場の一員になる
観客参加型の演劇、“皇帝のマースレニツァ”がマネージナヤ広場で行われる。この広場が大きな公開舞台に一変するのだ。煌びやかな舞台になるだろうとの話だ。監督と演出を務めるのは、2009年に『実験』というノミネート作品で“黄金のマスク”(ロシアで最も権威ある賞の一つ)を受賞した“リキッド・シアター”のメンバーで、この劇団の創設者でもあるヴィタリー・ボロヴィクさんだ。
昔の手工業の体験教室を受講する
“何かルーシ的なもの”を自分の手で作れる、またとない機会だ。トヴェルスカヤ広場では木製の食器への模様を描き付け方(まさに“ホフロマ”を描く)の教室や、金糸の刺繍の講習が開かれ、また陶芸職人が飾りタイル(ルーシでは暖炉やファサードの外装に陶器や粘土の板を用いた)の作り方を教えてくれる。
トヴェルスカヤ並木道では糸人形の作り方、春の象徴である雲雀パンの焼き方、木彫りの鳥の作り方を教えてくれる。
ノーヴイ・アルバート通ではブリタンスカヤ・デザイン学校の卒業生たちによる、カーニバルのお面とアクセサリー作り(ちなみにルーシのものだけではない。チェコ伝統の熊や馬のお面、ドイツやヴェネツィアのカーニバルのアクセサリーもあります)の体験教室が開かれる。
けんかする
伝統的な娯楽としての殴り合いには何世紀もの歴史がある。ロシア人の男性にとって適度で良質なけんかほど楽しいものはないからだ。
ご心配なく。大規模に、全国規模でこのことを思い出すのはマースレニツァのお祭りの時だけ、しかも人道的なけんかだ。トヴェルスキー並木道に、袋合戦用の丸太が置かれる。他の力比べには、チャンバラ対決(その名も“チャンバラ”という練習用の柔らかい刀を使う)や綱引きなどがある。
サンクトペテルブルグ、2月12日~18日
マリンスキー劇場へ行く
マースレニツァはマリンスキー劇場を訪れる立派な口実の一つだ。毎年この劇場は“歌うマースレニツァ”という国際合唱祭の場となる(こちらがそのプログラム)。合唱祭は2月12日にプラハ・フィルハーモニー合唱団の合唱で幕を開け、2月15日にはロシア語・英語字幕付きの4時間の演劇“スネグーロチカ(雪姫)”が披露される。
氷の丘を滑る
ロシアの丘は古典的なエンターテインメントで、丘を前にすれば、老いも若きも、大都市も村も、皆平等だ。マースレニツァの一週間は、うさぎ島のペトロパブロフスク要塞のそばで、人々が丘から滑り降りる。ところで、防水ズボンを持って行って無駄にはならないだろう・・・。それから屋台に寄って、温かいお茶と一緒にブリヌイをどうぞ。
かかしを焼く
マースレニツァ祭の最終日は一番楽しい日だ。この日に、冬を象徴する大きな麦わらのかかしを焼く。この日を逃してはならないのは、まさにこの日にあらゆる面白いことが起きるからだ。かかしはまさにクライマックスだ。サンクトペテルブルクで最も見ごたえのあるかかし焼きは、うさぎ島とエラーギン島で行われる。
最後に一言。どこへ行くにしても、腹ペコでお越しください! 一つのお祭りに7日間というのは、毎日やることが決まっているなら、決して長いものではない。それから、ご自分でビール味のブリヌイを作ってみてはいかが?