モスクワで無料観光を試みる

=イリヤ・ワルラモフ撮影

=イリヤ・ワルラモフ撮影

モスクワは世界でもっとも高い街だ。「ロシアのアバンチュール」を考えている多くの旅行者は、これでちゅうちょしてしまう。だが、お金を使わないという課題を打ち立てれば、無料でたっぷりアバンチュールを楽しむことができる。もちろん、合法的にだ。

移動手段を探せ

 モスクワ市内のあらゆる交通機関を無料で使えるのは、ソ連やロシアの英雄、栄誉勲章保持者、7歳以下の児童だ。でもここに該当しなくても、モスクワ市内では自転車が無料でレンタルできる。現在は、ソコリニキ公園(Sokol'niki Park)、フィリ公園(Fili Park)、セヴェルノエ・トゥシノ公園(Severnoe Tushno Park)、ニエスクチヌイ庭園(Neskuchnyi Garden)、雀が丘(Sparrow Hills)の5ヶ所に駐輪場がある。レンタルするにはパスポートの提示が必要で、レンタル時間は2時間に制限されているものの、その条件は今年夏までで、その後はレンタル時間が大幅に延長される予定だ。駐輪場のある雀が丘では、無料の1時間の公園内エコツアーも用意されている。

 

浜辺でリラックス

 モスクワには4ヶ所の無料ビーチがある。子供との休息に適しているオチャコフカ川河岸のトロパリョワ浜辺(Troparevo Beach)、メシチェルスコエ湖(Mescherskoe Lake)の自然湖岸、ウォーター・アトラクション、卓球、ビリヤード、テーブル・ホッケーなどの設備のあるアカデミチェスキエ池(Akademicheskie Ponds)、ビーチ複合施設、ヌーディスト・ビーチのあるモスクワ川河岸のセレブリャヌィ森林(Serebryanyi Bor)だ。

 

お腹を満たす

 モスクワには、1コペイカも使わずに、お腹を満たせる方法がいくつかある。旧アルバート通り37番地では毎週火曜日と木曜日、ロシアのロック歌手であるヴィクトル・ツォイの記念壁のわきで、無料の紅茶、パン、ヨーグルトがふるまわれている。

また、完全に無料ではないものの、ロシア語で「アンチカフェ」と呼ばれる、飲食代の代わりに場所代(時間制)を払うカフェが3ヶ所ある。それは「ツィフェルブラト(Tsiferblat)」、「バボチキ(Babochki)」、「ローカル・タイム(Local Time)」だ。「アンチカフェ」の場所代は1分2円ほどで、無料の紅茶やパンを食べることができ、食べ物の持ち込みも可能だ。また、この3ヶ所のカフェには、無料Wi-Fiも完備されている。

 

博物館めぐり

 モスクワには年中無料の博物館がある。ロシアの偉大な作家ミハイル・ブルガーコフがかつて暮らしていた家を文学博物館としている、文化センター「ブルガーコフの家(Bulgakov House)」、モスクワ市立精神病院史博物館(Museum of History of Moscow City Psychiatric Hospital)、産業文化博物館(Industrial Culture Museum)、モスクワ地下鉄史博物館(Moscow Metro History Museum)だ。

また、「ナイト・ミュージアム」が開催される時は、モスクワ市内の博物館や美術館のほぼすべてが無料開放されるため、早めに行列に並べば入館が可能となる。モスクワ現代美術館(Museum of Modern Art)、宇宙飛行士記念博物館(Memorial Museum of Astronautics)、矯正労働収容所・奉仕労働収容所総局史博物館(GULAG History Museum)では、毎月第三日曜日の入館料が無料となっている。人形美術館(Museum of Unique Dolls)は、毎週木曜日と金曜日の10:00~12:00に無料開放している。国立郷土博物館「河岸通りの家」(Municipal Museum "House on the Embankment")は、毎月第三土曜日の入館料が無料だ。

 

劇場めぐり

 学生の劇団は、すべての演目を無料で公開している。ロシア演劇学校(Russian Theater School)は世界有数の学校で、多くの学生の演劇が、プロと変わらない質のものになっている。スケジュールは通常、各学校の公式ウェブサイトに掲載されている。

 それは、ロシア・アカデミー青年劇場(Russian Academic Youth Theater)、ボリス・シチュキン演劇大学(Boris Shchukin Theater Institute)、シチェプキン演劇大学(M.S. Schepkin Higher Theater School)、全ロシア映画大学(Gerasimov Institute of Cinematography)などだ。

 

ガイド付き市内観光

 モスクワの歴史的中心地を小さなグループで観光する場合、無料の英語ガイドを依頼できる。「モスクワ・フリー・ツアー(Moscow Free Tour)」という会社が、このような無料サービスや、モスクワ市内のホップ・オン・ホップ・オフ(Hop on – Hop off)バス・ツアーの30%OFFサービスを行っている。旅行サイト「来街(Vyhod v gorod)」は、モスクワ市のテーマ別観光、自転車観光を無料で行っている。ガイドはロシア語がメインだが、英語ガイドを見つけることも可能だ。

 

映画鑑賞

 モスクワには、新作映画、また普段映画館では上映されないクラシック映画や地下映画を無料で見ることのできる、映画クラブがたくさんある。中でも、もっともシリアスなクラブが、ドキュメンタリー映画センター(Documentary Film Center)で、ロシア語や英語で映画を上映し、その後意見交換なども行われる。

 所在地はモスクワ市ズボフスキー大通り4、ロシア通信マルチメディア・プレス・センター(RIA Novosti International Multimedia Press Center, 4 Zubovsky Boulevard, Moscow)。 入場無料だが、人気が高いため、ウェブサイトで事前予約した方がスムーズに入れる。ロドニャ・スタジオ(Rodnya Studio)は、モスクワ有数のおしゃれな映画クラブと考えられている。3室のうち2室は喫煙可能で、来場者には無料のアルコールやノンアルコール・カクテルなどがふるまわれる。芸術学者やジャーナリストといったおしゃれなキュレーターが、8~10本の映画をテーマ別に選定して無料上映している。所在地はモスクワ市ニジニャヤ・スィロミャトニチェスカヤ通り10-7、3階、アートプレイ・ロフト(Artplay Loft, 3F, 10-7 Nijnyaya Syromyatnicheskaya Street, Moscow)。

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