航空ショーでステルス機初披露

ヴラジミル・ヴャトキン/ロシア通信撮影
 国際航空ショー「国際航空宇宙サロン2015(MAKS-2015)」が8月25~30日、モスクワ近郊のジュコフスキー空軍基地で行われる。ここに登場するのは第5世代ステルス戦闘機「MiG1.44MFI」。パクファ(PAK FA)プログラム実施後、量産のチャンスを失った。それでも、劇的な運命をたどるこの戦闘機への関心は衰えない。

 MiG1.44は、1999年にジャーナリストに軽く披露された時を除けば、まだ誰も目にしていない戦闘機。この飛ぶ姿をMAKS-2015で観客は見ることとなる。1999年の披露の際には、滑走路しか走っていなかった。

 多機能前線戦闘機に分類されたこの戦闘機に、ミコヤン設計局は超音速、超操縦性の巡航飛行、レーダー可視性および熱可視性の低減、短距離離着陸、機内レーダー機器の最新コンピュータ技術、新制御システムなどの可能性を採用した。これらの技術革新は、空中および地上の戦闘機のメンテナンスコストを増やさずに逆に削減するものでなくてはならなかった。

 

F-22のライバル

 ミコヤン設計局が戦闘機の概念設計および模型の段階に入ったのは1991年だったこともあり、あまり明るい未来も待っていなかった。ソ連崩壊後の財政的に困難だった1990年代、リストラを経て、モスクワ航空製造合同体「MiG」に変わり、後にスホイ設計局と合併。MiG1.44多機能前線戦闘機が飛行したのは2000年2月29日の1回だけである。MFIで飛行した唯一のテストパイロットで「ロシア連邦英雄」の称号をもつウラジーミル・ゴルブノフ氏は、大きな潜在性のある戦闘機だと評価した。

 だがチャンスは逃された。当時アメリカの戦闘機ロッキード・ボーイングF-22ラプターのライバルと目されていたミグ1.44MFIよりも、2002年に始まった新しいパクファ(PAK FA)プログラムが優先された。ジュコフスキー市のグロモフ飛行研究所にあったMiG1.44の唯一の飛行プロトタイプは2013年、格納庫に保管された。これがMAKS-2015に登場するのである。

 

技術が中国に?

 推力ベクトル制御のエンジンが搭載された優れた先尾翼機が跡形もなく葬られることはなかったが、MFI技術が中国に渡された可能性があるとの話が浮上し、物議をかもした。

 中国の第5世代戦闘機成都J-20が開発された際、MiG1.44の技術が使われた、という確固たる意見を持つ専門家もいる。「ロイター通信」は2011年8月、消息筋の話として、同じ情報を伝えた。ロシア航空機製造会社「MiG」のフョードロワ広報担当は2011年8月25日、憶測を否定し、「第5世代戦闘機成都J-20の開発のために中国に部品やアセンブリをロシアが供給したことはないし、していないし、今後することもない」と、「ロシア通信」に話した。

 それでも専門家の一部は、ミグ1.44の改良版であるミグ1.46戦闘機の技術と図面が中国に売却された可能性を主張し続けている。中露関係専門家である独立系アナリストのアディリ・ムカシェフ氏は、それが商業的な契約であったのではないかと考えている。「中国人はお金を支払ってミコヤンの個別の開発技術を取得した」と業界誌「バスティオン」に語った。

 いずれにせよ、MiG1.44MFIがもうすぐ一般公開される。これまでのようなトップシークレットではなくなり、完全にロシアでの量産のチャンスを失ったということを意味する。