ロシアのG8復活はあるのか

ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイアー外相=

ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイアー外相=

ロイター通信
 G7(主要7ヶ国)首脳会議が5月に開催されるが、今回もロシア抜きである。とはいえ、この「エリート・クラブ」への復活をめぐる会話の声は大きくなっている。ドイツの外相は、復活の条件をあげた。ロシアはこれに興味を示しているのだろうか。ロシアNOWが専門家に取材を行った。

 「G7」の議題に再びロシアがあがっている。5月のサミットを控え、ロシアの復帰について話を始めたのは、ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイアー外相。「重大な国際紛争のどれも、ロシアの参加なしに解決することができないのは明白」と、「ドイツ通信社」に話し、条件を提示した。第一に、ロシアはウクライナ情勢の政治的解決を実現するために努力する、第二に、シリアで平和を確立するために建設的な役割を果たす。

 除外されてから1年半~2年後にはロシアが再び招かれると、専門家の多くが予測していた。もう呼ばれているのだろうか。国際関係大学分析センターのレオニド・グセフ上級研究員は、ロシアNOWの取材に対し、シュタインマイアー外相がドイツ社会民主党の党員であることに言及した。ドイツ社会民主党はゲアハルト・シュレーダー元首相を始めとする指導者が、歴史的にロシアに対してかなり肯定的に接してきた党である。また、ドイツ社会民主党は現在、政権与党ではなく、キリスト教民主主義派およびキリスト教社会主義派とともに活動している。「そのため、これはドイツの調整かつ統一された立場ではない。最終的な決定は、アンゲラ・メルケル首相、内閣全体にかかっている。しかも、これはドイツ一国の話」

 とはいえ、一部の専門家は、これを単なる気まぐれではなく、自然かつ時宜に合ったロシアに向けたシグナルだと評価している。

 

ドイツ以外の国は

ドイツ以外に、この「エリート・クラブ」の会員券を持っているのは、アメリカ、フランス、イタリア、カナダ、イギリス、日本。ロシアは2014年、ウクライナ情勢およびクリミア再編入に関連して、クラブを去ることになった。現在、ロシアの復活を支持するであろう国はドイツだけではない。「G7のほぼすべての国が、程度の差こそあれ、ロシアとの相互関係を重要とみなしている。アメリカとの状況は難しいかもしれない。オバマ大統領の任期が終わりに近づいており、来年どうなるのかが、現時点でよくわからない。退任前にお印程度の何かをしたいという希望がでてきても不思議ではない」と、ロシア科学アカデミー情勢分析センター戦略評価部のセルゲイ・ウトキン部長は話す。最もロシアに接近する用意のある国はイタリアとフランスだという。

 とはいえ、今は性急な動きをする理由がないため、どの国もそんなことはしないという。ロシアを除外する条件にもなったウクライナ問題で、目に見える進展が必要である。専門家の一部は、一定の希望として、ウクライナの新政府をあげる。ウクライナ南東部の紛争地帯を本気かつ速やかに取り除く姿勢をとるかもしれない。また、ロシアを欧米とのさまざまな協議に戻そうという現実的な試みが見られる。「すでに、ロシアとNATO(北大西洋条約機構)の大使レベルの会議の実施に関する話し合いが、実質的に進んでいる」とウトキン部長。このような協力も2014年に凍結されていた。「この会議自体はいかなる突破口も開くものではないが、協議のプラットフォームを維持しようという傾向は明らか」ウトキン部長。

 

「追いかけるのはロシアのスタイルじゃない」

 さて、ロシアは「G7」に実際に招待されたら、どうするのだろうか。今のところ、予測は難しい。いくつかの出方が考えられる。

 「ヨーロッパは、ロシアにどうして『G8』が必要なのか、納得させなくてはならなくなる。対ロシア経済制裁は、何よりも将来について考えることをロシアに学ばせた。ロシアは自ら、自国をヨーロッパに依存させた。これから検討することになるが、独自の形式を発展させる可能性もある」と、ロシア下院(国家会議)国際問題委員会のロマン・フジャコフ委員はロシアNOWに話した。

  とはいえ、グセフ上級研究員は、これをあまり現実的ではないと考える。ロシアはそれなりの期間、G8に属していたし、完全に手を離したこともなかった。また、G7やG8はもう終わりだという話が出ていたものの、ステータスは変わっていない。「クラブ」を追いかけるようなことは、むろん誰もしない。「追いかけるのはロシアのスタイルではない」とウトキン部長も話す。だが、より排他的な形式を維持したがっているのは明らかだ。ロシアとウクライナの問題が発生するまで、G20がG8に代わるとひんぱんに言われていた。中国とその世界第2位の経済、インド、その他の重要な市場がある。だが今のところ、どちらにも独自の領域がある。「G20は実質的に国際安全保障の問題に取り組んでおらず、G8の担当になっている」とウトキン部長。