初の合同軍事演習の実施で合意

ロイター通信撮影

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今日、東京で、露日の外務防衛担当閣僚による両国関係史上初の「2プラス2」協議が、一連の重要な戦略的決定の採択をもって終了した。

海賊行為およびテロの取り締まり 

 協議の結果、双方は、海上の安全保障およびテロ対策の分野における二国間協力を深め、アデン湾における両国の船舶の協力を強めることで合意した。ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、次のように述べた。

 「ロシアの海軍は、その海域で、情報交換や相互支援のための合同演習を実施できる。これは、両国間そして両防衛担当省間の信頼を高める基本的なツールの一つ。協議の過程で、ロシア側は、国連の枠組みでの平和維持活動への参加を拡大する日本のプランに興味深く接した」

 

初の合同軍事演習

 また、両国は、海賊行為およびテロを取り締まるための初の合同軍事演習を実施する意向を確認した。これまで、両国は、海難救助訓練のみを実施しており、それは、すでに13回を数えている。

 記者会見で、日本の岸田文雄外相はこう述べた。「海洋大国である日本には、海上およびアジア太平洋地域全体における安全の保障が極めて重要だ。ロシアとの協力は、第三国に対抗するものではない」

 ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相も、「2プラス2」協議が日本と米国その他の国との関係を損ねるものではない点を指摘するとともに、日米関係がロシアにとっての懸念材料とならぬよう希望を表明したうえで、こう述べた。

 「ロシアは、原則として、どこかの国に敵対してどこかの国と親しくすることはけっしてない。ロシアは、外交の優先事項の一つとして、どこかの国が不快にならず自国の安全へのリスクを感じないことを念頭に置いている」。

 軍事分野における協力について言えば、セルゲイ・ショイグ国防相と小野寺五典防衛相は、ロシア軍と日本の自衛隊の指導部間のコンタクトを拡大する決定を行った。

 また、ロシア軍と日本の自衛隊の演習へオブザーバーを派遣することで合意した。小野寺防衛相はこう述べた。「我々は、防衛担当相の相互訪問や軍事演習へのオブザーバーの相互派遣を定期的に実施することで合意した。安全保障問題に関する合同の取り組みを通して両国間の信頼を深めたいと思っている」。

 

ミサイル防衛および「積極的平和主義」に関する協議

 会議の成果をまとめる記者会見では、ロシアの国防相と日本の防衛相がミサイル防衛に関する協議を行うことが明らかとなった。これに関連して、ショイグ国防相はこう述べた。 

 「我々は、日本も参加する米国のグローバルなミサイル防衛システムの創出が、何よりもアジア太平洋地域における戦略的なパワーバランスを崩しかねないことから、ロシアの深刻な懸念を呼び起こしていることを、隠してはこなかった。ミサイル防衛をテーマとした今後の協議の過程で、我々の評価や結論を述べていく」。

 また、両国は、サイバーテロに関する協議を開始する必要性があるという点で一致し、岸田文雄外相はこう述べた。「会議において、我々はまた、安全保障および防衛の分野におけるコンタクトの強化による相互の信頼の醸成という観点から、有益な意見交換を行うことができた」

 同外相は、ロシア側は国際問題やアジア太平洋地域における安定の保障の面での日本の役割の向上を目指す日本政府の打ち出したいわゆる「積極的平和主義」の政策に対する理解を示したとして、こう述べた。

「我々はまた、APEC、アセアン安全保障フォーラム、東アジアサミットといった国際的な枠組みにおける協力の活発化および一連の問題に関する定期的な合同協議の実施に関して合意した」

 同外相は、シリア問題に関する会議「ジュネーブ-2」へ日本が参加する構想をロシアが支持したことに対し、感謝の念を表した。さらに、両国は、アジア太平洋地域におけるブロックに囚われない新たな安全保障構造の構築に関する対話をスタートさせることで合意。

 

来年のプラン

 初の露日協議「2プラス2」の開催に関する合意は、今年4月のロシアのウラジーミル・プーチン大統領と日本の安倍晋三首相の会談で達せられた。こうした形での協議の実施は、日本側によってロシアに提案された。次のこうした協議は、来年、モスクワで行われる。これまで、日本は、米国およびオーストラリアとのみ「2プラス2」対話を実施してきた。

 ラヴロフ外相は、次のように述べた。

 「我々は、プーチン大統領と安倍首相の委任に基づいて、本日、初めて『2プラス2』協議を行った。これは、双方の国益を考慮した安全保障問題へのアプローチを整えるべく国際舞台における協力を強める両国の意向を反映している。『2プラス2』は、有益な方向へ進むための好ましい土台だ。我々は、来年のモスクワでの『2プラス2』協議へ日本の閣僚をお招きした」

 

*元記事(露語)

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