露軍が極東で大演習

演習は20日まで続く。=ロシア通信撮影

演習は20日まで続く。=ロシア通信撮影

東方軍管区でモスクワ時間14日午前0時、緊急即応態勢を調査する抜き打ち軍事演習が始まった。演習は20日まで続く。

 これは将校、准尉、契約兵士の休暇返上と、緊急即応部隊の兵士と軍曹の外出とを意味する。

 ロシア連邦国防省の広報部によると、兵士約16万人、戦車と装甲戦闘車両約1000両、長距離、軍用貨物、戦闘機、爆撃機、陸軍の航空機とヘリコプター約 130機、海軍の艦艇70隻が出動したという。

 最高総司令官であるウラジーミル・プーチン大統領の指令にもとづき、警報で演習が知らされた。プーチン大統 領はクルスク市に滞在中、ショイグ国防相に東方軍管区の抜き打ち軍事演習を命令していた。抜き打ち演習はこれまで、西方軍管区、南方軍管区、中央軍管区でも行われている。

 東方軍管区の一部や下部組織は、軍用貨物機、鉄道および海上の交通手段によって、3000キロメートルの距離を急派される。敵役を務めるのは中央軍管区(ボルガ川からバイカル湖まで)の下部組織。

 

東方軍管区

東方軍管区は、東西にバイカル湖から太平洋まで、南北に北朝鮮国境から北極海まで広がる、面積約700万平方キロメートルの広大な領域だ。

即応能力確かめる“抜き打ちテスト” 

 この演習は、ロシアが何らかの軍事的脅威を感じたからというわけではなく、公式に発表されたように、他国を想定したものでもない。シェレメチェボ国際空 港のトランジット・ゾーンに滞在しているアメリカ人、エドワード・スノーデン氏の問題とも無関係であるし、これからどこかと戦ったり、自国の軍事力を誇示したりしようとするものでもない。この演習については、隣国にも地球の反対に位置する国にも、しっかりと通知してある。

 軍管区や軍隊の抜き打ち演習は、報告されたものではない実際的な即応態勢や隊長の管理能力を検査し、想定外の軍事課題を解決する、もっとも効果的な手段のひとつなのである。

 

20年ぶりの抜き打ち演習で露呈した問題 

 国防省の指示によって今年2月に約20年ぶりに行われた、中央軍管区と空挺部隊の一部の抜き打ち演習は、保管されている戦闘車両を下部組織すべてが使えるわけではないという事情を浮き彫りにした。

 兵器工場で修理が行われたばかりの戦闘車両など、移動の途中で止まってしまったものもあった。また、当直が寝過したために、モスクワからの警報を受信できなかったところもあれば、タジキスタン共和国に駐留する第201軍事基地のように、幹部に電話さえ通じなかっ たところもあった。タジキスタンの場合、ロシア軍の基地との電話はタジキスタン共和国通信省を通すシステムになっているが、通信の安定性がおろそかになっていたようだ。

 通信や管理の問題は、南方軍管区の抜き打ち演習でも明らかになった。これについては、ショイグ国防相とプーチン大統領が面談した際に話し合われている。また西方軍管区でも同様の問題が浮上している。これらは現在、解決が図られている。

 

抜き打ちでしか分からないことがある 

 軍を改革するための不足点を、すべて抜き打ち演習で探そうと言うわけではない。軍の現代化と構築は、詳細に定められた2020年までの計画に沿って行われているし、これは最近インターネット上に公開された、陸、海、空軍の発展・構築計画が証明している。

 とはいえ、実際の即応態勢は、戦争以外なら、陸、海、空での教練や演習でしか調べることができない。今年に入って検査はたくさん行われているし、これからも行われる。ロシア軍は即応態勢検査の数を1700回と言っている。

 また、ロシアとベラルーシで9月に予定されている最大規模の戦略的教練「西2013」や、陸上と海上の戦略ミサイルの発射も行われる。「セヴマシュ」工場は、新型潜水艦発射弾道ミサイル「ブラバ」16基を搭載した、第955号計画ボレイ型原子力潜水艦2隻を、海軍に納入する。大西洋と太平洋に長距離航空機が飛行し、地中海、大西洋、太平洋、インド洋に、北方艦隊、太平洋艦隊、バルチック艦隊、黒海艦隊が航行する。

 

サッカーと同じくいつも練習が必要 

 これらは他国に恐怖感を与えるために行われたり、くりかえされたりするわけではなく(ちなみにNATO軍の演習もロシアの国境付近で定期的に行われているが)、ロシアの将校や司令部の軍管理の質を高め、戦車兵、砲兵、自動車化歩兵、操縦士、船員、航空宇宙防衛兵、軍事システム・オペレーターの軍事技能を磨くために行われる。いかなる国の軍隊も常に、侵略者の攻撃に備えておかなければならない。そのためには、サッカー・チームのように、いつも練習していな ければならないのだ。東方軍管区の軍と太平洋艦隊の船員も、今週これを行う。