インタビュー:イランのレザ・サジャディ駐ロシア大使

イランのレザ・サジャディ駐ロシア大使=アンドレイ・ステーニン撮影/ロシア通信

イランのレザ・サジャディ駐ロシア大使=アンドレイ・ステーニン撮影/ロシア通信

 イランのレザ・サジャディ駐ロシア大使は、ロシア通信へのインタビューで次のように述べた。「6カ国」(ロシア、米国、中国、フランス、英国、 ドイツ)が、対イラン制裁を解除し、国連安全保障理事会の議題からイラン核問題を外すなど、対応する行動を示せば、イランは国際原子力機関(IAEA)と の作業で大幅な開放姿勢を示す用意があり、原子力発電所の共同建設そのほかの協力方針を提案する。

 

 イランの5項目からなる「包括提案」 

 「イラン核問題解決の行動計画は、なおも交渉段階にある。イランは、イラン核問題解決に関して5項目からなる包括提案を行った。そのうち第4項目と第5項目は『6カ国』との協同行動という共通の性格をもつものであり、核問題とは無関係だ」とサジャディ大使は述べた。 

 同大使によれば、1項目は、「6カ国」がイラン・イスラム共和国のウラン濃縮権利を完全に認めることだ。その代わりに「イランは、核兵器不拡散条約(NPT)の枠内での義務を再確認し、核兵器使用の放棄を強調する」。 

 「2項目、いわゆる『透明化措置』は、イラン核計画の軍事的性格に関する、イランとIAEAのより開かれた協力に基づくものだ」とサジャディ大使は言葉を続けた。「それと引き換えに我々は、『6カ国』がイランに対するすべての制裁を解除するよう要求する」。 

 サジャディ大使は、「3項目となる『信頼強化措置』は、テヘランの研究炉の燃料供給問題における、イランと『6カ国』の協力をめざすものだ。それに応えて『6カ国』は、国連安全保障理事会の議題からイラン・ファイルを外すべきだ」と指摘した。 

 「4項目は、相互利益に基づく協力の強化で、イラン国内での原子力発電所の設計と建設、また軽水炉研究のための研究炉の設計と建設だ。最後の「5項目」は、シリア、バーレーンのような状況の問題解決に関するイランの協力が前提となる」と同大使は付け加えた。

 

 「イランは、招請されれば、シリア問題会議に参加するだろう」 

 さらにサジャディ大使は、もしイランに対してしかるべき招請が行われれば、イランは、シリア状況解決の国際会議、いわゆる『ジュネーブ2』に参加する用意がある」と述べた。 

 先にロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、ロシアと米国が開催を提唱したシリア問題国際会議にイランが参加する必要性を述べた。フランスは、6月半ばにジュネーブで開催が予定されているこのフォーラムにイランを招くのに反対している。

 

 「イラン大統領選は“熱い”選挙になるだろう」 

 さらにサジャディ大使はインタビューで、6月14日に予定されているイラン大統領選挙にも触れた。同大使は、大統領選が「熱い」選挙になると予測するが、2009年の混乱の再来は考えられないと請け合った。 

 2009年6月12日に実施された大統領選の結果が発表され、マハムード・アハマディネジャド現大統領が再選されたあと、野党は、政権が選挙結果を歪曲したと非難し、選挙結果の取り消しを要求した。大規模な混乱が生じた結果、テヘラン市内で27名の死亡者、1000人の逮捕者が出た。

  「わが国ではかなり熱い選挙になるだろうし、今、選挙結果の予想は不可能だ」とサジャディ大使は述べた。 

 

 「2009年のシナリオはない」 

 「だが事件は起こるまい」と同大使は付け加えて言う。「我々にはすでに、2009年の大統領選の状況を阻止するため、西側諸国があらかじめ計画した行動を防止してきた、過去数年の経験がある」 

 同大使によれば、政権は「状況を完全にコントロールでき、イラン国民に落着いた雰囲気で投票させることが可能だ」とのこと。 

 「2009年のシナリオの再現はないと確信している」とサジャディ大使は述べた。 

 1週間前にイラン外務省は、大統領選への出馬を許された8名の候補者リストを発表した。最終リストに入ったのは、革新傾向の政治家2名、保守政治家5名、独立系政治家1名だった。 

 

 *ロシア通信の以下の記事を参照。

http://ria.ru/interview/20130531/940511213.html

http://ria/ru/world/20130531/940512711.html

http://ria.ru/world/20130531/940511639.html

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