注意事項:ロシア・ビヨンドは過剰なアルコールの摂取を推奨しません。二日酔いの治療法を試される前には、医師の指示を仰いでください。
1番目の重要なルールは、飲酒は適度な量に留めることである。どんなひとときのお楽しみも、あなたの健康を害するほどの価値はなく、また次の日を完全に無駄にしてしまうほどのものではない。しかしそれでも、飲まなければならないことになった場合は、翌朝の運命を軽減するために、いくつかのルールをきちんと守った方がよい。
1. 種類の異なるお酒を飲まない、またアルコール度数を下げない
カクテルはもちろん素晴らしい飲み物であるが、実はカクテルは頭痛を起こし、二日酔いになる可能性を何倍も高める。できれば1種類のお酒を選び、その夜はそれだけを飲み続けた方がよい。たとえば、ワインを飲み始めたのに、飲み会の最後をビールで締めくくったり、あるいはその逆をしたりしない方がよい。
もし途中で違う種類のお酒を飲むことになった場合、大切なのはアルコール度数を下げないこと。たとえばウォッカを飲んでからビールを飲むなどということは、まったくお勧めできない。とはいえ、ロシア人自身もこのことをときどき忘れて、後で辛い思いをしている。
2. 活性炭
ベテランの遊び人は、皆、重度の二日酔いを避けるためには、前もって――できれば飲み会が始まる前に――準備をしておく必要があることを知っている。ロシアにはこれを目的とした、素晴らしくて、安価な手段がある。
それは活性炭、天然吸着剤である。普通、外国に住むロシア人はこの薬を祖国から大量に持っていく。活性炭は食中毒や消化不良にも効く。そこで、パーティーが始まる前にこれを数錠飲んでおくというのは、救いを求めるプロの儀式なのである。もし先に飲むのを忘れてしまったなら、お酒を飲んだ後、寝る前に飲んでもかまわない。
最近ではポリソルブまたはエンテロスゲルなどより近代的な代替薬が出ているが、昔からあるやさしい活性炭の効果は何年も前から検証されている(しかも何分の1の値段で買える)。
3. レモン水
飲んだ後のことを前もって考え、夜中のうちに、ベッドのそばにレモンの入った水を置いておく。このなんでもない飲み物は、脱水状態の体に、朝から真に生命を与える潤いとなり、たちまち体の機能を「起動」させてくれる。手元にミネラルウォーターがあればさらによい。
4. 塩漬け用の塩水
ピクルスの漬け汁を、しかもピクルスの瓶から飲むなんて、多くの人には普通、頭に浮かばないだろう。しかし、なぜか二日酔いで、頭が痛くて、眩暈がするときになると、ロシア人の手は、性懲りもなく「もう2度と飲むまい」と誓いながら、塩漬けの水が入った冷蔵庫に伸びるのである。
ほとんど遺伝子レベルで世代から世代へと受け継がれているこの伝統は、実際、十分に実際的な根拠を持つものである。塩水は脱水症状を助け、体内の水分を維持し、電解質のバランスを回復してくれる。
つまりこれは文字通り、マラソン選手が塩分タブレットを飲むのと同じなのである。さらに野菜の発酵プロセスでは多くのビタミンが作られるため、これもまた体の回復を助けてくれる。
5. 二日酔いスープ
朝を1杯のコーヒーで始めるという人もいれば、体調が悪くて朝をスープで始めるという人もいる。
良妻は楽しい宴会があった日の翌朝、夫のためにチキンスープを作る。脂っこいブイヨンにヌードルが入ったスープは文字通り、体を癒し、そしてこれが重要なのだが、胃の働きを正常化してくれる。
スープがもっとこってりしたもの―たとえば、ボルシチ、ソリャンカ(レシピはこちらから)、あるいは燻製肉を使った具沢山の豆のスープであれば、もっとよい。
ただし、これには危険も伴う。というのも、このようなスープがあると、ロシア人の手は・・・ひとりでにまたグラスに伸びてしまうのである。そう、さらなる食欲のために!
6. 新鮮な空気の中を散歩する
完全に酔いを醒ますためには、勇気を出して、外に出ることだ。たとえ天気が悪くても、そして窓の外が酷寒であっても、である。新鮮な空気と軽い運動は体内の血流をよくし、血液に酸素を満たしてくれる。とはいえ、頑張りすぎないこと。二日酔いのときにあまりにもアクティブな運動をする(ランニング、スキー、スケートなど)のは心臓に悪いため、やめた方がよい。
7. 勇敢な人々のための過激なボーナス:バーニャ
医師がこの方法を推奨することは絶対にないだろうが、ロシア人は何も、そして何者も恐れない。そこで次の日に朝からバーニャに行くために、特別に飲むという人がいる。
高い温度は体に大きな負担となりかねないが、ロシア人は二日酔いのときにしっかり汗をかくのが好きなのである。彼らはこのような方法で、神話のような毒素を追い払い、自分の中から「悪いものすべて」を消毒して蒸発させることができると信じているのである。
8. 何も効果がない場合のもっとも過激な方法
すべての方法を試みたものの、やはり頭痛も治らず、胃の不快感や吐き気、そして大きな不安が続く場合は極端な方法を試みることになってしまう。それは・・・ビールである。しかもビールはバーニャの中で飲む場合が多く、これはかなり過激な方法である。
経験豊富な酒飲みの多くは、たった1杯のアルコールが文字通り、「体を元気にし」、「人生をカラフルなものにしてくれる」と指摘している。しかし、このメソッドはきわめて危険なものである。なぜなら、ビール1杯で止められる人は少なく、悪循環になるからだ。
わたしたちは度を超えたアルコールの摂取、そして大酒を推奨しない。どうぞ皆さん、お気をつけて!