キュウリは紀元前3世紀始めにインドとメソポタミアで栽培されるようになったが、それがヴィザンチンを通じてロシアに伝わったのはかなり後のことである。キュウリは味がないと感じられたため、ロシアでは塩漬けにするようになった。
塩漬けにしたキュウリはおいしい前菜であるのはもちろん、健康的な食品だと考えられた。発酵の過程で生きた乳酸菌が作られるからである。この塩漬けはロシアの伝統料理を作るのにも使われた。
そして今でも、塩漬けのキュウリは人気を保ち続けている。しかし、よりピリッとした味わいにしてくれる乳酸菌は酢溶液によって中和されてしまうため、それほどヘルシーなものではなくなっている。さらに砂糖や粒マスタードを漬け汁に加えることも多い。
家庭で作ったキュウリのピクルスは特別な料理にすることができる。わたしは子供の頃、ダーチャ(郊外のサマーハウス)を訪ね、自分だけのキュウリを育てたものだった。今はガーデニングが趣味で、キュウリを収穫するときには、その一部を特別にピクルス用にしている。小さくて、固くて、少しトゲのあるのが最適である。もちろん、店で買うこともできるが、もし自分の庭でキュウリを育てる機会があれば、それに越したことはない。
キュウリを漬けるのは至って簡単な作業である。使うのは、塩、砂糖、酢、粒マスタード。そこに普通、オールスパイス、コリアンダー、ガーリック、ローリエ、香りのよいクロスグリの葉を加える(香りのよいものを選ぶこと)。もちろん、ディルシード(またはディルの葉)を忘れてはいけない。カリッとした夏のお楽しみに、お店では味わえないユニークなダーチャの香りをもたらしてくれる。わたしはこの香り豊かでスパイシーでカリッとしたピクルスを、茹でた新ジャガにバターを乗せたものと一緒に、友人や家族にふるまうのが大好きである。ぜひ試してみてはいかが?
1. キュウリとスパイス用の葉は水できれいに洗う。
2. 瓶は消毒する。大きめの鍋に水を注ぎ、金属製のザルを入れる。瓶と蓋を置き、水が沸騰したら、瓶を10分ほど写真のように持つ。長く保存しない場合は、 クリップトップジャーでよい。冬まで長期保存する場合は、缶詰にできるよう金属製の蓋がついたものが良い。
3. きれいに洗ったローリエとクロスグリの葉を数枚、ニンニク、ディルシード(ディルの葉)をジャーの底に敷く。
4. スパイスを加える。
5. キュウリを隙間なく詰める。
6. 上にさらに葉を入れる。
7. 沸騰した水を入れ、このまま15〜20分置いておく。
8. この間に漬け汁を作る。熱湯に塩、砂糖、酢を加え、数分煮る。
9. キュウリの水気を切る。
10. 漬け汁の火を止め、漬け汁を瓶のギリギリまで注ぎ、しっかりと蓋をする。
11. 瓶の上下を逆さにする。
12. 温かい布で包み、粗熱をとる。
13. 冷暗所で保存する。すぐに食べたい場合は、数時間、冷蔵庫で冷やしてもよい。自分で保存状態を管理できる場合は冬まで保存することができる。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。