ボルシチの起源はよく知られていないが、最初に現れたのは、キエフ・ルーシによって支配されていた土地であろうとされている。ただ一つ確実なことは、今でも東ヨーロッパ中の中でさまざまな形で、多くの人々に受け入れられているということだ。ウクライナでは、ビーツとラードが入っていないものなどありえない。ロシアでは、より酸味のあるスープとなっており、ハナウドの葉、キャベツだけでなくマッシュルームも加えられることがある。1930年代初めには、ジャガイモ、トマト、ピーマンを入れるようになった。そしてソ連時代には、どのレストランや軽食屋のメニューにも現れるようになった。
この由緒あるスラヴのスープ―ボルシチの作り方のすべてのヒントをここにまとめてみた。
なによりも重要なことは、ボルシチは少量を作ってはいけないということだ。最低でも3リットルの鍋を用意しなくてはならない。それより多すぎるからと言って心配することはない。あなたがボルシチを作っていると知れば、友人たちが訪ねてくるからだ。もしそうでなかったとしても、ボルシチは2日目の方がおいしくなり、古くはならないものなのでずっと食べることができる。
最初にするのが肉のブイヨン作り。使うのは牛のリブ肉、シャンク肉またはオックステールが良い。なぜならブイヨン作をとても濃厚にしてくれるからだ。骨髄が手に入ったら、迷わずに投入する。著名な作家、ミハイル・ブルガーコフは、自身の小説、「巨匠とマルガリータ」の中で、ボルシチに骨髄を入れるのは最高だと語っている。豚のリブや関節の燻製を入れると、ブイヨン作がスモーキーかつ甘くなる。そして、肉を入れることを忘れずに!ボルシチには肉がたっぷり入っていなくてはならない。
スープが上手く準備できたら、次は野菜。このレシピの独特なところは、ビーツの調理法にある。スープに投入する前の調理のやり方はいろいろある。蒸す、茹でる、もしくは焼くなど。しかし、焼くのがベストな方法だと分かった。というのも、焼くことによって、自然の甘味が中に凝縮され、且つ鮮やかなビーツの色はそのまま残るからである。またひと匙の酢を加えることでもこの色を美しくすることができる。ビーツは調理した後に、ピーマンと混ぜ合わせ、そこにトマトをトマトペーストを加える。タマネギ、ニンジン、ニンニクは別に調理するのは決まりだ。ジャガイモに色が移るのを避けるには、出来上がりの5分間にビーツを入れること。これでまだ気に入らなければ、下記のやり方に従うこと。
野菜をすべて投入したら、味を整えるのだが、これは、ボルシチ作りの最も重要なパートの一つである。黒コショウやパセリ、ディル、ローリエなどのハーブに加え、ニンニクを入れることが味を良くするのにとても大事だ。もう一つ、野菜をラードで調理することもスープに特別な味を加える。
最後の仕上げは、スプーン一杯の濃厚なサワークリームだ。これを足すことで完全に質を高めることになる。このようなボルシチをご馳走した後は、少し休憩することになるだろう。ボルシチの神々しい香りがするところでは、他の事を考える気にもならないだろう。
1. ブイヨンを作る。大きい鍋に肉を入れ、水を3~4リットルの水を注ぎ、ローリエとコショウを加える。沸騰させ、アクを取り除く。アクが出なくなったら、蓋をして、中火で2~3時間煮る。肉が骨から外れたら、スープは出来上がり。骨を取り出す。肉は小さく切って、スープに戻す。骨は捨てる。
2.ブイヨンを作っている間に野菜を準備する。ビーツは洗って、植物油を塗り、1つずつアルミホイルで包む。オーブンを200℃に予熱し、ビーツを1時間から1時間半、中が柔らかくなるまで焼く。焼きあがったら、皮をむいて、細くおろす。
3. 赤ピーマンとトマトは角切りにし、ラードをしいた鍋で炒める。柔らかくなったらおろしたビーツを加えて、砂糖大さじ1と酢大さじ1を加える。3分炒めたら、トマトペーストを加えて、さらに3分炒める。
4. ニンジンは皮をむいて、おろす。タマネギは角切りにし、ニンニクは潰す。別の鍋にラードをしき、タマネギを入れて、柔らかくなり、透明になるまで炒める。タマネギに、おろしたニンジンを加え、柔らかくなったらニンニクを加え、もう1分炒める。
5. 肉の入ったブイヨンにまずタマネギとニンジンを加える。ゆっくりと沸騰させ、3分煮る。そこにビーツ、ピーマン、トマトを加え、またゆっくり沸騰させる。
6. スープを煮ている間に、ジャガイモの皮をむき、小さめの角切りにする。スープに入れ、柔らかくなるまで8〜10分煮る。
7. キャベツは千切りにして、ジャガイモが煮えてからスープに加える。キャベツは3分ほど煮る。
8. すべての野菜を加えたら、塩、黒コショウ、ハーブで味を整え、火を止める。蓋をして、最低1時間置く。
9. 完成したら、サワークリームを忘れずに添えて、召し上がれ!
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