読者に聞く:ロシアでもっと有名なものは何?

Kira Lisitskaya, Jack Vartoogian/Keystone/Getty Images; ヴァシリー・ペロフ/トレチャコフ美術館; Legion media
 驚くべきことに、実はロシアといってもっとも有名なのは今や偉大な古典作家ではなく、総合格闘家であった。

 ロシアといえば広大な国であることは皆知っているだろう。では、これ以外にみんなが知っていることは一体何だろう?読者にロシアで有名なものは何だと思うか訊いてみた。数百にのぼる答えのほとんどが、料理、文化、伝統に関するものであった。しかし、ロシア人が笑わないことだと答えた人は1人もいなかったことには感謝したい気持ちでいっぱいである。 

1. 人類最初の宇宙飛行

 もっとも多かった回答のひとつが、人類初の友人宇宙飛行と宇宙探検というもの。1961年4月12日、ソ連の宇宙飛行士ユーリー・ガガーリンが宇宙に飛び立ち、無事に帰還した。この日は歴史が変わった日である。この信じがたい偉業のあと、ガガーリンがいかに賞賛されたかについてはこちらをどうぞ。  

2. バイカル湖

 ロシアには数多くの自然の驚異があるが、中でもシベリアにあるバイカル湖はもっとも知られたものであろう。この世界最深、最大を誇る淡水湖は、独特の動植物(バイカルアザラシもいる!)で有名だが、謎もまた多い。湖の中にあるオリホン島はシベリアのシャーマンたちのパワースポットとされている。またバイカル湖は冬になると素晴らしい氷に覆われる。 

3. おもてなしの心

 ロシア人の客のもてなし方は伝説的ですらある。最高の料理や飲み物を(最後の一品まで)出し、客がくつろげるように最大限尽くすのである。このようなもてなしの習慣ははるか昔の古代ルーシの時代にさかのぼるとされている。この当時は集落がお互い離れていたので、訪問客はなにかしらの使者と考えられていたからである。 

 「ロシアの人々は、本当に温かい心と優しく美しい気持ちをもっている」。@ShirazParachaさんはツイッターにこう書き込んでいる。 

4. 文学 

 ロシア・ビヨンドの読者たちは、トルストイ、チェーホフ、マヤコフスキー、ドストエフスキーなどの多くの作家の名をあげた。作品としては、トルストイの「戦争と平和」を挙げる人が多かった。実際、これはロシアを代表する名作である。

5. 言語

 ロシア語は習得するのにかなり困難な言語だが、外国人にはとても美しく響く。「ロシア語はとても情緒的かつ叙述的な言葉であり、どんな思い、感覚、感情をも表現できる」。Alexandru Mercurさんはフェイスブックにこう書き込んでいる。「悲しいことに、ボリシェヴィキ革命以降正書法が簡素化された。しかし、わたしは、ロシア語はピョートル大帝の時代の文法や正書法に戻るべきだと考えている」。 

 言語のほかに、読者の中には、ラテン文字と似ているが音がまったく違うとして、キリル文字のアルファベットをあげる人もいた。

6. 第二次世界大戦における勝利

 「現在ドイツ語が世界標準語でないのは、ロシアのおかげです。ロシアは、ヒトラーの侵攻を止め、対ドイツ戦の流れを変える責任があったのです」。Robert Berryさんはフェイスブックにこう書いている。 

7. 玉葱形のドームを持つ教会

 @raindog1970さんやThomas Campolongoさんはツイッターやフェイスブックに、玉葱のドームを持つ教会がとても印象的だったと書き込んでいる。また、モスクワの聖ワシリー寺院を挙げる人もいる。ところで、ロシア正教教会の玉葱形ドームはどうしてこのような形なのか知っているだろうか?もっとも明快な理由は天候にある。この形だと雪が屋根に積もることがないのである。

8. 冬

 気温が氷点下にまで下がる寒い気候はロシア名物だと言えるだろうか?ロシアに行ったことがない人でも、その寒さについて聞いたことはあるだろう。「他の国でこのような気候をもつところは極めて少ないだろう。しかし、ロシアはとても寒いとはいえ、ロシア人はなんとかこれを凌ぐ方法を知っている」。Jirka Zahoraさんはこうフェイスブックに書き込んでいる。

9. ウォトカ

 ロシアでは、アルコールの消費量が年々少なくなっている(2010年は15.8リットルだったが、2020年は10.8リットル)が、ウォトカとロシア人はいまだに切っても切れない関係にある。ロシア人は今ではビールやワインを好むようになったというものの、ジグリ・ビールやアブラウ ・ドゥルソのスパークリングワインよりも、伝統的なウォッカの方が有名なのも事実である。「安く、みんなでワイワイ飲めて、ロシアの本質のすべてが詰まっている。」-ウォトカについて読者らはこう表現している。

10. ビーフ・ストロガノフ

 牛肉をクリーミーなソースで煮て作り、マッシュポテトとともに出されるこの料理は、どこででも知られる一品である。伝説によれば、ロシアの伯爵アレクサンドル・ストロガノフに仕えていたフランス人シェフよって19世紀に考案されたと言われている。この伯爵は客を招くのが好きで(ロシア人のおもてなしについての項目を参照!)、この料理は比較的に作るのが簡単で素早く出すことが出来るのだ。ところで、ビーフ・ストロガノフは、「ソーセージ・ストロガノフ」とよばれるスウェーデン料理にもなっている。それについてはこちらから。 

11. ソ連邦

 ソ連邦の歴史は今から30年前に終焉を迎えたが、その遺産は今も残っている。多くの人はソ連時代の教育(読者の中には当時、交換留学をした人がいるのかもしれない)、高名な科学者やもちろんスターリンやゴルバチョフなどのソ連指導者のこと記憶している。「ソ連時代のロシアでは、8時間労働、男女平等、学校レベルにおいてさえも優れていた科学、などが実現されていた」とフェイスブックでイマム・M・シャイクは語っている。

12. 総合格闘家

 現存する人物として、プーチン大統領以外で多くの人が挙げたのが、「イーグル」として有名なハビブ・ヌルマゴメドフやフョードル・エメリヤーエンコなど、すでに現役引退した格闘家の名である。John Zogさんは、「フョードルは世界最高の格闘家としてロシア人の名を高めた」とフェイスブックに投稿している

13. 最初に承認されたコロナウイルスワクチン

 「世界でも最高レベルのロシアの科学者たちが、世界初の新型コロナウイルスワクチンを開発するのに成功した。これでヨーロッパ人やアメリカ人の鼻を明かすことができた。もし、彼らが偉そうにロシアを見下さず、協調的であったら、もっと早くコロナウイルスを抑えることが出来たであろう」。Frank Murphyさんはフェイスブックにこう書いている。 

 2020年夏に登場したスプートニクVはコロナウイルスに対する最初のワクチンとして承認された。ほどなく、「エピワクコロナ」と「コヴィワク」の2種のワクチンもロシアで承認された。

14. 珠玉の建築物

 モスクワのクレムリン、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館、ロシア北部の木造教会、カザンやヴィボルグの歴史建築などが有名なランドマークとして挙げられた。さらに多くの人が、美しいモスクワの地下鉄を上げている。「まるで美術館のようだ!」と。

15. 車載カメラ

 車載カメラで撮影された愉快な動画をあげた読者もいた―ロシアのドライバーは戦車が出てきても、ヘリコプターが飛んできても、たとえ隕石が落ちてきても驚いたりしないのである!

 ちなみに、これ以外では、ロシアバレエ、作曲家、最長の鉄道、美女、テトリス、マトリョーシカ、バラライカ、おばあちゃん、スタニスラフスキー・システム、ロシアン・ブルー・キャットなどが挙がった。

 またこの他、読者の中には、「汚職」など、ロシアの否定的な面を挙げた人もいた。

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