ロシアの古典文学はロシアの高校生にとっては頭痛の種だが、大人になるほどそのありがたみが分かる。ある時点で、こうした著名な傑作を原語で読めるというのが極めて恵まれたことだと気付くのだ。通訳を通さずにプーシキンやトルストイ、ドストエフスキー、パステルナークなどの大思想家と話せるのだ。これ以上ありがたいことはない。
『ダイアモンド・アーム』(Бриллиантовая рука)、『イワン・ヴァシーリエヴィチ、転職する』(Иван Васильевич меняет профессию)、『オペレーション「Ы」とシューリクの冒険』(Операция «Ы» и другие приключения Шурика)などのソ連の古典的な喜劇となると、原語でこれらの傑作を楽しめるだけでなく、登場人物に共感することができる。外国人は訓練しない限り、これらの極めてロシア的な傑作映画の微妙なニュアンスがつかめないものだ。
言うまでもなく、現代ロシア人はインターネットミーム産業のパイオニアだ。時々自分のフェイスブックのページをスクロールしていると、自分がロシア人に生まれたことに感謝したくなる。これほど露骨に人生を面白くしてくれるものは他にないように思うからだ。
ところでロシア人は本当に一番の読書家なのだろうか。詳しくはこちら。
ロシア人のほとんどは悲観的だ。ロシア人の私はいつもあらゆることに文句を言っている。天気、経済、人々、政府――私の批判から逃れられるものは何もない。面白いのは、このとめどなく溢れ出る小言が身近な人の邪魔になったり、悪影響を与えたりしていないらしいということだ。理由は簡単、ロシア人は皆私と同じくらい、いや私よりずっと文句が多いからだ。だから私の小言は比較的愉快らしく、私は比較的楽観的な人間に見えるらしい。他の国だったら、私はとっくの昔に鬱病と診断されているだろう。ロシア人として生きることには思わぬメリットもあるのだ。
ロシアがひどく陰鬱な理由についてはこちら。
国際社会が地球温暖化とその影響に対してますます警戒感を強めている一方で、ロシア人の多くは気象変動の影響に無頓着でいられるという特典を持っている。
ロシアの冬は今なお悪名高い。ロシア人は冬をうまく利用する術を身に付けている。ロシアの兵士らや将軍らは歴史上何度も冬を利用して侵略者を撃退してきたし、ロシアの旅人や探検家は冬を味方にする方法を知っている。一般の人々も、冬は寒いという事実を受け入れて愉快なルーティーンをいくつも作ってきた。やっぱりロシア人であることはクールだ。いや、コールドと言うべきか。
ロシアの冬を乗り切る方法と凍死しない方法を知りたい方はこちらをどうぞ。
他の国々と同様、ロシアの社会体制・政治体制は完璧ではなく、欠点もある。ロシア人皆が認めることだろう。法律の中には時代遅れのものや余分なものもあるが、変革は容易でない。
結果として、ロシア人のほとんどは既存の「抜け穴」を利用して利益を得て、余計な規制の負の影響を最小化する方法を心得ている。ロシア人がクールなのは、赤ん坊の頃から既存の体制の中での処世術を身に付け、年を重ねるごとにその技術を磨いていけるからだ。
そう聞いてぞっとする人もいるかもしれない。だが私の経験上、ロシア人はこうやって育つおかげで、極限の状態で曲技飛行して生きる必要に迫られていない先進国の人々と比べて概して敏捷で器用だ。ロシア人の多くは、外国人の大半が(ロシア人に言わせれば)ヤワで、世間知らずで、脳内がお花畑で、適応性がないことに驚く。そんなわけで、ロシア人は困難な状況にある外国人にいつでも手を差し伸べる準備がある。
正直、私はロシアに生まれて幸運だったと思っている。でなければとっくにくたばっている。
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ロシア人女性が美と女性らしさの典型であることはよく知られた事実だ。これがロシア人男性にとって何を意味するか、一瞬考えてほしい。他の国の男性が羨むことしかできない、世界で最も美しく最も思い遣りのある女性に一生囲まれて暮らせるのだ。
驚くべきことに、男性はモデルのような容姿である必要はない。あまりに不細工でない限り、男性は大丈夫だ。ロシア社会では伝統的に肉体美や容姿の良さはさほど強調されない。
ロシア人女性を喜ばせるのが難しいのも確かだが、これは彼女らの自己防衛メカニズムとして差し引くことができる。
ロシア人女性であることもクールだが、理由は簡単だ。まず、多様な民族の血が混ざっているため生まれながらに美しい。それから、自分の生きている社会から高く評価される。さらに、ロシアで盛んな美容産業のおかげで年老いても生まれながらの美を保てる。
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