1. クリームソーダ&パン 「テクノで泣く」のクリップ
モスクワ出身のバンド「クリームソーダ」はお笑い芸人のアレクサンドル・グトコフとダンサーたちとともに、「テクノで泣く」のミュージックビデオを撮影した。このクリップは自己隔離体制の導入によってキャンセルされたあらゆるパーティをテーマにしている。
ミュージックビデオのリリースと同時にバンドのメンバーらはフラッシュモブをスタート。これを受けて、多くのロシア人が家のバルコニーでダンスするところを撮影し、インターネットに投稿している。
なお、このミュージックビデオはロシアの建設グループPIKの住宅コンプレクスのバルコニーで撮影され、効果的な広告にもなっている。
2. クセニヤ・サプチャクとアレクサンドル・グトコフ 「ウィッチャーのパロディ」
人気のテレビ司会者でかつてロシア大統領に立候補したことで知られるクセニヤ・サプチャクがこちらもお笑い芸人、アレクサンドル・グトコフとともにドラマ「ウィッチャー」のパロディを撮影した。この動画でクセニヤはウィッチャーに殺されることになる悪い魔女スカーヴァーを演じている。しかしウィッチャーは、スカーヴァーには恐ろしい呪いがかけられていて、水薬で解くことができると知らされる。ウィッチャーはスカーヴァーの姿を元に戻すのを助けることにするのだが、水薬の代わりに食中毒の治療薬「ポリソルブ」を使い・・・、すると魔女はたちまち美しい王女に姿を変える。
3. アナスタシヤ・イヴレーエワ 「オンライン・ドリンク・ショー」
ブロガーで司会者でもあるアナスタシヤ・イヴレーエワは自己隔離の中、インスタグラムの生中継で「オンライン・ドリンク・ショー」を開始した。
アナスタシヤは、司会者やブロガー、ミュージシャンなどとともに、誰が腕立て伏せの姿勢で一番長く立っていられるか、誰がトランプで一番早く家を作れるか、フルーツ・ニンジャゲームをリアルで行い、ケーキの中のコインを探す。負けた人には電流が流される。
広告とコラボしないショーなどあり得ない。というわけで、それぞれの動画の導入部分で、アナスタシヤはマティーニとスナックバーのスニッカーズの宣伝をしている。
4. アナスタシヤ・コフトゥン 「有名人の肖像画」
16歳のロシアの画家、アナスタシヤ・コフトゥンはビリー・アイリッシュの肖像画を描いて、一躍有名になった。ビリー・アイリッシュ自身が彼女の絵を気に入り、その絵はアメリカの雑誌「ヴォーグ」の表紙を飾った。そしてこの度、ロシアの携帯電話キャリアの「メガフォン」が彼女に目をつけた。現在、自己隔離中のコフトゥンは、「メガフォン」のために絵を描いている。最初は自画像を描き、その後はロシア人歌手モネートチカを描いた。その作品は「ヴォーグ」の表紙に劣らないくらい優れたものに仕上がっている。
5. アリョーナ・ポーレ 「ファッションショーのヴァーチャル・モデル」
ヴァーチャルなモデルを生み、その売り出しを行っているロシアの企業「Malivar」はロシアの眼鏡ブランド「Fakoshima」とコラボレーションを行っている。この企業が作り出したヴァーチャル・モデルのアリョーナ・ポーレがブランドの新モデルとなり、宣伝の動画に出演している。
このほか、アリョーナは、初めてオンラインで行われたメルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク・ロシアにモデルとして参加し、自身のデジタルイメージを披露している。
Fakoshima社の創設者であるコンスタンチン・シリャエフ氏は、「現在は多くの企業が撮影やイベントをキャンセルしています。多くのブランドがコミュニケーションのツール、予算の組み方、活動形態の見直しを行っています。危機というものは、他の会社が解決法を模索している間に、方向転換をし、自分の立ち位置を強固なものにするチャンスでもあります。ヴァーチャルなモデルやアーティストというのは、現実世界と接触することなく、広告コンテンツを作る一助となるものであり、またものづくりに幅をもたせてくれるものなのです」と語っている。