スラヴのお祭り、イワン・クパーラの夜をロシア人は今年どう祝うのか(写真特集)

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アンナ・ソロキナ
 花輪飾りをつけた伝統的な装束の多くの人々が焚火を飛び越えるのを突如眼にしたなら、それは古代から続く真夏のお祭りを祝っているのである。

 7月6日から7日にかけての夜、多くのスラヴ民族がイワン・クパーラを祝う。自然の目覚めと夏の盛りを讃える古代から続く異教徒のお祭りである。この日を境に冬に向かい、日が短くなっていくと信じられている。

 このお祭りで若者たちは将来の伴侶を見つけるのが伝統となっている。

 そこですべての行事が縁結びに関係している。今では、ただ楽しい夜を過ごすだけになりつつあるが、今も伝統的な習慣を続けている人たちもいる。

 お祭りが始まる前にはヨモギを焚く。悪霊を追い祓うことが出来ると信じられているのである。

 それから祈祷が始まる。人々は神々や祖先に語りかける。古代スラヴ人はこの夜、祖先があの世から何かシグナルを送ってくれるものと信じている。

 薪に火がつけられて、祈りが唱えられる中、神聖な食べ物(パンケーキであることが多い)が投げ込まれる。そしてゲームが始まるのである。

 若い白樺や楓の枝で作られた冠をかぶり、リボンや花で飾られた装束をした独身女性がお祝いの歌を唄い、男性が女性の飾りつけを奪おうと「襲う」。この間に女性は男性と「出会う」のだ。

 夜が更けると、人々は太陽と再生の象徴である火の回りを輪になって「ホロヴォド」というダンスを始める。焚火が明るくなるにつれ、踊りも早くなる。

 踊りの後、男性が1列に並ぶと、女性はお気に入りの男性の肩に触れ、走り出す。男性は「花嫁」を捕まえると、手を取って焚火を飛び越えなければならない。これで二人の関係が神に認められることになる。

 すべてのカップルが誕生したら、水と火の「婚礼」の儀式で彼らの関係は正式に決定する。

 花輪とたいまつを手にして川に行き、火は川の水で消される。これは、花には水が「必要」であるという、「結婚」への例え話で、もし花輪が沈めばこの結婚はうまくいかないと信じられている。

そして夜が開けるまで裸での水浴びが続く。