大晦日はあなたにとってクリスマスよりはるかに重要である。クリスマスはおまけ的な祝日であり、必ずしも祝わなくてもよいが、新年は本当に大事だ。
意味のない世間話は好きではなく、まったくの時間の無駄だと思っている。
コーヒー?いや、結構。できればレモンを入れた濃いめの甘い紅茶をください。
冷たいところに座るのには注意し、子どもには宇宙飛行士並みの分厚さの洋服を重ね着させる(子どもは動きづらいほどに)。
寒さは好きではないが、そのことを誰にも信じてもらえない。「すっかり凍えてしまった!」と言っては外国人に驚かれる。
あなた、またはあなたの友達が1950年代から1960年代にかけてソ連中に建設されたパネル建築の集合住宅フルシチョフカに住んでいる。
ホテルでは客室清掃係が来る前に部屋を掃除し、家では家政婦が来る前に部屋を掃除するのは至って普通のことである。そうしないと、部屋が汚れていると思われ恥ずかしいからである。
大勢集まっているところで酒を飲むときは、乾杯の挨拶が終わってから飲む。
家にいるときは特別な部屋着を着る。通勤で地下鉄に乗ったときに履いていたジーンズのまま家のソファに座ったりしない。
しかもアディダスのスポーツウェアが大のお気に入りである。(家でリラックスし、タバコを買いに商店にひとっ走りするのには最適な衣服だと考えている)。
1昼夜以上長距離電車に乗るときは、ゆで卵とキュウリ、グリルチキン、そしてアディダスのスポーツウェアを必ず用意する。
家にはさまざまな救急用品を入れた薬箱がある。
部屋の壁には絨毯がかかっている。
マヨネーズが大好きで、どんなものにもかける。パスタに入れ、パンに塗り、サラダのドレッシングにし、マヨネーズの“ケーキ”を作る・・・。
家に入るときにはまず靴を脱ぐ。
飾りつけをした新年のツリー(クリスマスツリーではなく)はいつまでもいつまでも置いてある。長ければ春まで置いてあることも。片付けるのに時間をかけるのがもったいない。
友人たちとバーニャ(ロシア式サウナ)に行くときは、互いの体を順番にこれ(写真)で叩く。これはバーニャ用の枝箒。
チャイコフスキー作曲のバレエ「白鳥の湖」がテレビで放映されていると、不安に襲われ、死を連想する(ソ連時代の葬儀やクーデターの際に流された)。
森を5時間散策しながらキノコを採るのは最高の余暇の過ごし方である。
地下鉄の車両の床や空港などに座るのは臨終のときだけである。
友人の家に遊びに行くときにはちょっとした手土産やお菓子などを持参する。
プーシキンの詩の抜粋をいくつか暗記している。
新年には最低でも3日間は食べられる量の料理を用意する。ここに新年のお祝いの聖なる意味があると考えている。
新年の一般的な計画といえば、たらふく食べて(夜中12時にスタートして)、シャンパンを飲んで、古いソ連映画を観る(同じ作品)ことで、これはまったく退屈なことではない。
...毎年1月1日には、マコーレー・カルキンが主人公を演じる「ホームアローン」と1976年の「スターウォーズ」をテレビで鑑賞する。
マイナス30度の気温は学校を欠席したり、仕事を欠勤したり、友達との約束を中止する理由にはならない。断じて。
乗っている飛行機が無事に空港に着陸したとき、必ず操縦士に拍手を送る。操縦士にはその音は聞こえないということをあなたは当然知らない。
女性に年齢を尋ねるのは失礼であり、ときにその人を傷つけることもあると思う。
何かよくないことを耳にしたり、現実に起きて欲しくないことを耳にしたとき、肩ごしに3回つばを吐く。
冬の間は毎日、天然毛皮のコート(できれば床に付くほど長いロングコート)を着て、その格好でソーセージなどを買いに行く。
パーティ以外の場でもヒールの高い靴やブーツを履くのは普通のことである。仕事に行くときも、買い物に行くときも、冬の公園を散歩するときもハイヒールを履く。
家に誰かを招くときはテーブルから溢れんばかりの料理を用意する。招待された人々はその料理を食べながら、話をして楽しむ。トイレに行くとき以外に席を立つことはない。
「祖国防衛者の日」という祝日があり、女性は男性にお祝いの声をかけ、みな示し合わせたようにひげ剃りクリームや靴下をプレゼントする。
見知らぬ人には絶対に微笑まない。微笑みを見せるのは知り合いにだけ。
そして最後。あなたの国を批判できるのはあなたとあなたの同じ国の人々だけである。それ以外の人に批判はさせない。
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