シニアたちがノヴォシビルスクのレニンスキー区で「ゴロトキ」をしている。
アレクサンドル・クリャジェフ撮影/Sputnik選手が円筒型の木を合わせている。モスクワのコローメンスコエ公園で行われたゴロトキのトレーニング・セッションの時。
セルゲイ・サヴォスチャノフ撮影/TASSロシア語で「小さな町」を表すゴロトキは、木製の棒を投げて競う面白いスポーツである。鉄の輪を投げて競い合う“ホースシューズ”とヨーロッパで盛んな球技“スポールボール”の中間のようなものだ。ロシア帝国時代に農村で生まれたが、これが伝統的なスポーツであることは古代ロシア年代記に記されていることからも分かる。そしてこのスポーツはピョートル1世からプーチン大統領に至るまでほぼすべてのロシアの歴史的人物がプレイしてきた。
ゴロトキの趣旨は至ってシンプル。積み重ねた空き缶にボールを投げて倒すゲームを思い出せば十分である。ゴロトキはそのスケールを少し大きくしたようなものだと言っていい。ゴロトキでは大きな木製のバット(棒)を使う。プレーヤーは13メートル離れた位置から、2メートル四方の陣地の中にある5本の円筒型の木(ゴロトキ)に向かってバットを投げ、その木(ピン)をできるだけ少ない数で陣地の外に叩き出すのである。この円筒型のピンは星、エビ、飛行機などさまざまなパターンに形作られており、それによってゲームのレベルが変わる。
簡単そうだと思ったあなた。早合点してはいけない。実はこのスポーツには、一見しただけでは分からないハードなルールがあるのである。最初に投げたバットが陣地のペナルティラインまたはライン手前の地面に触れてしまった場合、「陣地」はリセットされ、最初からやり直さなければならないというものだ。バットの大きさ、そしてそれを平行に投げることを考えれば、バットを完全に陣地の中に入れるのはそう簡単ではない。
ただしもうひとつ別のルールがある。それはピンの一本でも当てることができれば、それ以降の投擲は6.5メートルの距離から行うことができるというもの。つまりプラスマイナスゼロというわけである。
ロシア人はホッケーが得意であることはよく知られているところである。そこで彼らはその昔、フィールドホッケーとアイスホッケーとサッカーを組み合わせたスポーツを考え出した。
ボールを用いたアイスホッケーであるバンディはロシアでは10世紀から存在した。鉄製のスケート靴ができる前から、ロシア人は氷の上でスポーツする方法を探しており、18世紀にはロシアのほぼすべての村でこの競技が行われていたとされる。もちろん、それ以来さまざまな変更が加えられてきた。たとえば、幸いにも1チームあたりのプレーヤーの数は11人となった(さまざまな情報源から、かつては入場自由であったようである)。
実際、現在はサッカーのやり方の多くがバンディに適用されている。戦法やフォーメーションはサッカーとほぼ同じであり、アイスホッケーとは異なり、ピッチもサッカーフィールドと同じような大きさで、ゴールの後ろにプレーヤーが動けるスペースはない。
スピード感があり、オープンで、非常に激しいバンディは、アイスホッケー好きで、かつもっと長くてもっと過酷なスポーツを好む人向けである。
野球やラウンダー(子どもが遊ぶ野球に似た競技)をしていて、守備についている間、ずっと立っているのが退屈だと感じたことはないだろうか。ラプターはそんな人にぴったりなスポーツである。ラプターは野球に非常に似ているが、バッティング技術はそれほど要求されず、その代わりに強くあることが必要である。
このスポーツ競技の歴史は紀元前に遡る。そしてこれは祝日に必ず行われる競技であった(大規模な拳闘と並んで)。作家のアレクサンドル・クプリンはラプターについて、「深呼吸、用心深さ、知略、足の速さ、目の良さ、強い打撃力、さらに負けないという確固とした自信が必要だ」と書いている。
それほど難しいスポーツとは一体どんな競技なのか説明しよう。プレーヤーはクリケットのバットで横30メートル、縦70メートルのフィールドの中で出来るだけ遠くボールを打つ。もしランナー2人が、6人のピッチャーのうちの誰かがボールをつかんで先に走りきるより先にフィールドの端まで走りつけばポイントを獲得する。走りきる前に捕まってしまった場合、そのイニングは終了し、相手チームの攻撃に変わる。これを休憩なしに1時間続けてプレイし、より多くポイントを得た方が勝者となる。面白く競うにはスピード感が求められる。
ゴロトキとフェンシングが合体したスポーツなど想像したことがあるだろうか。もちろんないだろう。どのようなものか説明しよう。
恐らく、ロシアのスポーツには長い棒がつきものだということはもう気がついただろう。ぺカール(パン焼き職人の意)も例外ではない。実際、ぺカールに必要なのは古い瓶と何本かの大きな棒だけである。
プレーヤーは瓶に向かって棒を投げる。棒が瓶に当たると、棒を投げた人はその棒をできるだけ早く取り戻し、一方の“ぺカール”は瓶を元の場所に戻し、他のプレーヤーにまた瓶を奪い取られないように棒を剣のようにして戦う。
ぺカールの醍醐味は真の勝者がいないということではない。ぺカールの競技がどのようなものかはこちらの動画でどうぞ。
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